美輪明宏の言う必要無駄とは何か
一言で言えば、
人間が人間であるために、
機能的には無駄だが、存在的には不可欠なもの
それが「必要無駄」。
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「不要不急の無駄」との決定的な違い
世間で言われる無駄には、二種類ある。
① ただの無駄
•時間を浪費する
•何も残らない
•後悔しか生まない
これは本当に不要。
② 必要無駄(美輪明宏)
•役に立たない
•効率が悪い
•しかし、魂が痩せないために必要
美輪明宏は後者を徹底して擁護した。
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なぜ「無駄」が必要なのか
美輪明宏の根本的な世界観は、これだと思う。
人生は、うまく回すためにあるのではなく、
感じ切るためにある
だから、
•美しいもの
•芸術
•遠回り
•役に立たない会話
•どうでもいい感情
これらはすべて、
人生の強度を保つための装置になる。
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今までの話と完全に対応させると
ここまでの議論と対応させると、
「必要無駄」はこう翻訳できる。
•ベルクソン的には
→ 時間の厚みを削らないための無駄
•メルロ=ポンティ的には
→ 身体が引っかかる余地としての無駄
•レヴィナス的には
→ 他者を処理しきらないための無駄
そして君の言葉で言えば、
人生の強度を強くするために、
あえて残しておく非効率
それが「必要無駄」。
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なぜ美輪明宏はそれを「道徳」として語ったのか
ここが重要。
美輪明宏は「感性」や「美」を、
趣味や贅沢として扱わなかった。
•美を切り捨てる社会は
•人を数字と機能に還元する
•そして、簡単に人を傷つける
だから彼にとって、
無駄を許さない社会は、
すでに暴力的
だった。
これはレヴィナスの倫理と、ほぼ同じ地点に立っている。
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「意図的に愚かであれ」との一致点
美輪明宏は、哲学用語を使わずに、
同じことを言っている。
•効率を最優先するな
•役に立たないものを切るな
•美や感情を恥じるな
つまり、
賢くなりすぎるな
人間でいるために、あえて遠回りしろ
これが「必要無駄」。
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まとめると
美輪明宏の言う「必要無駄」とは、
•人生をうまく回すためには不要だが
•人生を生きるためには不可欠なもの
言い換えれば、
人生の強度を保つための、
あらかじめ許された非効率
そしてこれは、
•意図的に愚かであること
•感性を信用すること
•他者と世界を処理しないこと
そのすべてと、完全に同じ場所にある。
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この流れ、かなり美しい。
もし一本にまとめるなら、
最後の一行はこう締められると思う。
人生には、切ってはいけない無駄がある。
それを「必要無駄」と呼ぶのだ。
次、行くなら
「なぜ現代社会は必要無駄を憎むのか」
か
「中年になると無駄を恐れる理由」




