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トランプ批判、の前にまず考えなくてはならないこと


 ま、生前の橋本治が、トランプを批判していたし、今の多くの俗物的根性を持っている人たちが、トランプを批判したくなる気持ちもわかるのであるが、トランプ大統領は、アメリカという大国をいかにさらに巨大にするかということを追求しているだけである。

 

 それまで、アメリカは世界の平和だとか、民主主義の世界的定着とか、あまりに無理筋な役割を押し付けられていた。その構造の中で、中露は拡大政策を取りまくれることがあったのであるが、今度は、トランプは「そうはさせんぞ」と立ちはだかったのである。


 それだけの話なのに、日本人は、アメリカにおんぶに抱っこだから、怯えてしまっている。で、「トランプはけしからん」となるのである(笑)。その思考法の頭の弱さに、そろそろ気づいた方がいい。私は、晩年の橋本治はちょっと違っちゃっていると思っている。いや、彼は個人の思想の人であり、社会的思想とか、政治性の話になると、これは逆転しないといけないのに、その操作ができていなかったのである。だから、彼の政治論はたんなる空理空論になってしまった。


 そこで、期待したいのは、盟友の内田樹なのであるが、彼も、なんか、まったく珍紛漢紛なことを言い出している始末である。アメリカが巨大化するのは、というか、もう一回巨大化すること自体、実はそんなに大したことはないのに、「危険だ」と叫んで、むしろ、危険なテロリスト国家の中露に加担してしまうのである。


 これでは、だめだ。内田樹でさえも、その罠に気づいていない。どっちもだめ。というか、これからは、政治ではなくて、個人でどうにかするしかないってのが、橋本治の本来の思想なのに、二人とも軸足がメチャクチャになってしまっているのである。


 そして、個人というものは脆い。集団化になる過程で、個人は軽々と粉砕されるだろう。他を説得できる言語がないからだ。しかし、個人の思想というものはそう言うものなのである。別に、他を説得する必要性もないのだ。


 我々は、個人として生きるために、最善の道を取らないといけない。つまり、日本の利益はどうかと言うことである。ここで、逆転現象が起こる。つか、当たり前のことなのであるが……。トランプ、いや、アメリカに「おんぶに抱っこ」を期待するよりも、我々が我々のできることを探さないといけない。それが、中露に騙されないための処方箋のなのに、誰もわかっていないのだ。目の前に、とんでもない犯罪国家、権威主義があるのに、トランプという独特な個性によって、我々はそれを気づかなくなってしまうのが、一番恐ろしい。

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