ルイヴィトン コンビニ弁当 相対す
月曜日の深夜,とあるコンビニ.
値引きされたコンビニ弁当を手に取る若いキャリアウーマンの目は虚ろだった.
まだ月曜だぞ,と思いながらコンビニ弁当と栄養ドリンクをレジに通す.
「温めどうされますかー
袋はご利用ですかー
お会計776円になりまーす」
いつもと変わらず適当に接客をこなす.
1000円札を取り出した彼女の手元に視線を落とすと,ルイヴィトンの財布が握られていた.
もう一度彼女の全体像を俯瞰すると,お世辞にもブランド財布が似合うとはいえない風貌をしていた.
「ありあーしたー」
我ながら失礼だなと思いながら,会計を終えた彼女の後ろ姿を見送る.
電線したストッキングと,少しプリンがかった後頭部が何故か印象深く見えた.
出会って20秒たらずで人の何が分かるというのだろう.
少し自分が嫌いになる.
脳内会議はあのルイヴィトンへと移行していく.
彼氏に貰ったのかな,自分へのご褒美に買ったのかな.
下世話な推察が続く.
割とコンビニにくる客ってブランド財布使ってるやつ多いよな...
本題に辿り着く.
貧乏人ほどいい財布使いたがるよなぁ.しかもいい財布の中ではグレードが低いものを選ぶよなぁ.
身の丈にあったものを使えよ,纏えよなぁ.
ここで自分がコンビニ店員であることを思い出す.
い,いや,俺は服にも財布にも頓着ないし...
自分と他人との境界線を作り,自分を棚に上げる.
でも,なんで形だけでもラグジュアリーであろうとするのかな.
結局,財布の中身も銀行口座の中も増えやしないのに.
その高級財布に1000円札が3枚しか入ってないのはなんかな...
嫌な妄想が膨らむ.
結論は出ず,悶々としたまま時計の針は12時を回り,火曜日になっていた.
黒山(2002~)




