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三途川 生死交差す 土手道か
土手道,それは川の水位上昇や,風を防ぐために作られた盛土,に道の機能も追加したものである.
川沿いを往くその道は,住宅街や都市の道とは違い,やはり自然を感じられる.
夏の日にはエアコンなぞつけず,車窓を少し開けて走行すると涼しい風が入ってくる.
誰も見てなければ,60km/hで走る車の窓から手を出して,Cカップのおっぱいを堪能したっていい.
そんな自然により近い道ではあるが,自然に近いということは人間以外の往来も当然多くなる.
朝方の土手道には頭がひしゃげた猫,はらわたが飛び出た狸,死骸を食い漁るカラスとそれを横取りしようと空を舞う猛禽類.
そして死骸を避けて通る人間が作り出した鉄の塊.
土手の朝では道を横断しようとした多くの命が轢き殺さるが,自然界の摂理によって昼にはその形跡は跡形もなく消えている.
世にある河川のほとんどは,動物にとって三途川となんら違いはないだろう.
これは注意喚起でも啓蒙でもない.
人間と,動物と,自然と,文明が作り出した理である.
デルタゾーン(1888~)




