義妹が来た!②
鎧塚部隊は特別な部隊である。鎧塚家で構成されており数々の特殊事件を怪力で解決してきた。獣人やらキメラやら吸血鬼やらが敵になる事が多いためヨロイという装備で戦闘する事になる。
捜査1課等には出来ない仕事をやってのけるのがこの部隊。しかも美人達。
「お兄ちゃん、後の5人は午後に来るらしいの」
「マジか、また美人が見れるのか」
諸星はもう死刑という単語から離れていた。眼福な美少女目の前。無理はないだろう。この人が妹になるのだから毎日が楽しいに違いない。しかし物騒な細剣を除けば完璧な妹と言える。
「どんだけ美人が好きなのよ」
「良いじゃねぇか」
「あ、買い物行ってくるね」
「あぁ」
もう1人の義妹・鎧塚陽菜と合流するらしい。話は刹夏から聞いている。オレンジ色の髪色でロング。男勝りなところがある美人妹。しかもエリート警官という事。
「さてと、俺は乾社長と会議するか」
1人の時間になった。もう5人の義妹は後の楽しみに取っておくとして今重要なのはゲームを作る事。乾社長と言うのはゲーム会社、株式会社 夢幻の社長・乾咲真。22歳にして社長に就任したエリート。
自室にあるトロフィーはゲームクリエイターグランプリに優勝すると乾社長とゲームが作れるという権利付き。
テーマはVRMMO。乾とはもう仲良くなっており両方変人なため仲良くなるまでそんな時間がかからなかった。
VRMMOの技術はこっちで何とかするらしいのでデザインとか敵とかの設定は諸星が全部やるらしい。さて問題、諸星の夢はなんだろうか?答えは単純ゲームクリエイターだ。
「やぁやぁ調子はどうだい??」
「えぇ、大丈夫大丈夫」
乾はヨシヨシと頷く。彼はホログラム型巨大モニターを取り出し進捗を説明した。どうやらリアルな街が完成しつつあるらしい。
「リアルな渋谷なんかもこの通り」
渋谷もVRMMOの世界と一致し装備したまま歩ける設定になっている。ビルの横から巨大モンスターが現れたりするそうだ。リアルとVRMMOが合致した世界を目指している。リアルの世界でそのままダイブしリアルを体感。ビルを破壊してもリアルのビルはそのままの状態なので安全安心。
「君と作るゲームがいちばん楽しいよ、流石天才だな」
「いやぁ照れるな」
歳も近いためかタメ口になる。と言うかタメ口でいいと言っていた。彼とゲームを作って5年が経つ。後2年かかるらしい。リアルの世界でVRMMOが楽しめる世界を目指して頑張っている。VRMMOの世界で行ける範囲は東京23区内。完成が楽しみで仕方ない。
「そういえば家族が増えるんだよ」
「マジか、そいつはおめでとう」
家族が増えると言っても再婚相手の妹達が増えるだけなのだが。
「妹が6人」
「マジで、義妹だな。羨ましい」
羨ましいか、確かにその字面だけを見れば羨ましい一択だろう。妹が6人来るのだから楽しいに違いない。乾はなんか妄想をしている。
「ラッキースケベとかあったりしてな」
「まさか、そんな事」
無い無いそんな事。
…あったのである。
「ありえないんですけど〜!」
陽菜の入浴シーンが見れたのである。
時は6時間前。
「お兄ちゃん来たよ〜」
陽菜と刹夏とあともう1人は…
「秋奈です」
後は月菜、真冬、春名だけである。だけと言うとなんか味気ない感じがするのだが…充分だろう。諸星は完璧に死刑という単語を忘れムフフな義妹生活を送ろうと思っている。