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Dream・Bullet  作者: 狭霧 零
1/5

義妹が来た!

魔法と科学が交差する時代。今でも仲良しこよしやっているわけだが未だに論争は続いている。


酷いところは魔法戦争だって科学戦争だってやっているところもある。どっちが生き残るかを争っているわけだ。更に酷いところは未だに魔女裁判もやっている。酷いところはと言ったらキリがないが…そう見ると仲良しこよしという表現は間違っている気もする。ここ日本でも論争が繰り広げられているくらいだ。日本で論争だけで済んでいるのだから狭く見れば仲良しこよしなのかもしれない。


日本では魔法で作られた魔法家電、科学で作られた科学家電が主に論争のネタとして扱っているがどれも便利過ぎて消えない。どちらもライバル視というとこだ。


日本ではそれだけの事で死人は出ない。だが紛争国域(ふんそうくにいき)へ行けば魔法戦争や科学戦争が勃発する(戦争が起こらない国もあるので安心して欲しい)。日本は平和ボケか?いや、そんな事は無いだろう。


「お兄ちゃん、見つけた。死刑」


そうそうこんな感じで義妹に死刑宣告されるくらい物騒なのだから。


…いた、今日本は平和なのかという証拠。


発見…


「は?待て待て」


彼の喉元にはレイピアみたいな細剣の先端が。こんなハッピーないやアンハッピーな朝が来て良いのだろうか???ハッピーならばドMか?と思うだろう。しかし、こんなマニアックな起こし方はマニアから見れば多分興奮対象間違いない。だって真剣な眼差しで制服。しかも夏服姿で美女妹。ロングヘアーが目立つ。メガネをかけても似合うような美貌だ。レイピアみたいな細剣を喉元に突き刺す寸前というシチュを除けばパンツが見えそうと余裕持てるのだが…これは無理だ。少しでも動けば喉元に血が出てしまうだろう。


「ごめんねぇ、こんな朝で。えー、死刑宣告。諸星聖夜(もろぼしせいや)を死刑!」

「ちょっ」


聖夜は「大事なトロフィーは止めろ!」と言いながら毛布でガード。グチャグチャな毛布を見るだけでくしゃみが出そうになる。彼女は細剣(レイピアもどき)を強く振る。細い腕だなと感想を言う場合では無い。彼女も真剣だ冗談じゃない。


毛布や布団はもうバラバラだ。せっかくのキラキラトロフィーがあっても景観が台無し。


「なぜそうなるっ!」

「なぜって、あなたが死刑人だからだっ!」


彼女は真剣な眼差しで紫色の眼差しで(これは魔力が膨れ上がってできたものだ)流星の様。残像がとても美しい。スローモーションでもう一度見たくなるほど。


「ちょっと待て」

「なっ、桜木」


諸星が必死に毛布とかでガードしていると西洋風のかっこいいオレンジ色の鎧姿の人が割り込んできた。彼女の細剣を黒い剣で薙ぎ払い更にガードする。


桜木と呼ばれた男はヤレヤレとお前はと呆れた感じでやる感じ仲間だなと察知し諸星はため息。


「て、あっあ〜!!!」

「え?」


彼女は真っ二つに折れたパソコンを見る。桜木はマジかと冷や汗。


「「申し訳ございませんっ!!!」」


鎧姿のままの桜木と彼女は深々と頭を下げる。今いるのはリビング。目の前に座っているのは彼女と桜木。諸星ははぁとため息。


「彼女、鎧塚刹夏(よろいづかせつな)は間違った方向に行く癖がある事をお許しください。私は鎧塚刹夏の執事、桜木煌牙(さくらぎおうが)と申します。こら、ちゃんと謝る」

「死刑判決は本当の事なのに…」

「コラッ」


意味が解らない。死刑は本当らしい。しかも再婚相手が鎧塚家…いや、話は聞いていた。可愛い妹が来ると。タワマンで二人暮しするとは聞いていたがこんな出会い方は無いだろう。パソコンの方はと言うと桜木の魔法で治している所だ。完全に復活するらしい。なら良かったと安堵する。


「すみません…」

「首を取る取ると言ってるもんで…でもまだ監視対象だよな?な?説明、したよな??」


話によると諸星聖夜は死刑判決だが執行猶予付き。刹夏は死刑という単語だけで動いていたらしい。義妹かよと思ってたらしい。


「ごめんねぇ、お兄ちゃん。早とちりしたみたいまさか本当にお兄ちゃんと暮らすとは。なんかの事件でよくある呼び名だと思ってたの〜」

「はは、なんで俺だけ?」


確かに諸星も諸星で参っているようだ。桜木の話によるとDreamBullet、通称DBの開発が中止になったらしい。理由はテロが起きたからだ。公安も動いてくれてはいたのだが後一歩で施設が爆発してしまったらしい。それで3人まで容疑は絞られている。なぜこの3人なのかこの2人にも死刑判決監視付き。まだ何事も無いらしいのだが…桜木はまだ執事ながら怪しいと思っているらしい。


そもそもDreamBulletと言うのはお金を払えば夢を確実にゲット出来る代物。確実と言っても夢の中の話なのだが…


「副作用と表現していいのか解らないのですが、本当に夢が叶っちゃうんですよ。それを阻止したくて」

「まぁドーピングみたいなものか」

「それです。それ開発者、白神覚(しらかみさとり)は特許取った後法律では無いのですがそれと同じ効力弾丸を自力で作ったみたいで。今止まっているんですよ。透明で見えないと思いますが腹の中にその弾丸が眠っちゃってるんです」

「は?」

「だからお兄ちゃんは死刑!」


まだ発動していないということは迷っているという事か。待て待て、そうしたら俺はドーピングを?と諸星は思う。


「後、腹の中にDB破片が入ってて」

「それで俺が盗んで夢を叶えたと」

「はい、心当たりは」

「ねぇよ」


そりゃそうだ。まさか頭が冴えるのはそのせいかと頭を抱える。一緒にゲームを作る仲間にも申し訳が…諸星はうーんと思…


「お兄ちゃんにはいつも通りでいいの」

「は?」


予想斜めの回答が。


「しょうがないから一緒にいてあげる」

「と、言っております。あぁ、後5人ほど妹が来ますんで。後タワマンではございません。というか、監視が強いのはあなた、諸星さんの魔力とDB数値がめちゃくちゃ高いからでーす」

「マジかよ親もはめられたな」

「そうなのよ〜母ちゃんも母ちゃんでノリノリで」


死刑は当分先らしく変なテンションで説明する刹夏達。諸星も安堵した。


死刑があやふやなのは白神が死亡したのがまだ解らないからというのもある。


「お兄ちゃんにはいつも通りゲームを作って作って!」

「え、良いのか」

「ええ、自力なんでしょ??」


とりあえず疑いは晴れたらしい。どうやらギリギリでDBは止まってるらしく桜木の検査で自力開発と判決をくれた。5年の努力が無駄にはならないと安堵。PC戻ってきたし良かった良かった。後の2人も同じかもと桜木も思っているみたいだ。何度も言うが魔力とDB数値が高いから危険と思い鎧塚家が監視している。


「待てよ」

「何?」

「俺TUEEEE展開待ったナシ!?」

「そんな事は無いだろ〜」


刹夏はツッコミ桜木は笑う「では」と桜木は変身解除。素顔を初めて見た。白ひげとメガネが良く似合う。


「じゃ、ごゆっくり。後の5人は後から来るので」

「了解、お兄ちゃんちなみに怪しい動きしたら即首取るからね?」

「怖いこと言うなよ」


まぁ、そういう事らしい。だから監視されているのだ。


後から聞いた話だが鎧塚家は警察と手を組んでいるらしい。妹の中にはエリート警官がいるとか何とか。その名も鎧塚陽菜(よろいづかひな)。その人のお陰で捜査権もあるようだ。ただの事件じゃなくて今回のような特別な事件を取り扱っているらしい。


DreamBulletは50個以上あるらしく回収が大変らしいのでしばらくはこの事件を取り扱う。回収・監視(最悪の場合死刑)が主な任務。危ないヤツと戦う時はヨロイという装備を着けて戦うそうだ。


「お兄ちゃん、一応言っとくけど監視だからね?」

「あぁ、解ってる。こんな美人な妹がいるとなるとなぁ」

「そんな美人だなんて」


諸星はもう緊張がほぐれているらしい。後から来る義妹も楽しみに待っているそうだ。

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