第64.5話「神々の会合」
神とは、、、
「さて!みんな集まったね!」
「呼びつけたのはお前だろう」
「そうですよ?わたくしたちも忙しいのです」
青い髪をした少女、白髪の少女、緑髪の少女の三名が、時計台の上に集まっていた。
それぞれの存在が、ただそこにいるだけで異様な雰囲気を漂わせている。
「いやぁ、あの子たちおもしろいね!」
「……『神の子』になにもしてないだろうな」
「もちろん!マキナに言われたからね!いい夢を魅せてあげただけだよ!」
「それをなにかしているというのですよ、ディン」
その者らは異質な存在。それぞれが神と呼ばれた者達、異なる目的を持ち、この世界に干渉している存在。 そして今、彼女たちは時計台の上に集まり、語り合っている。
「ディン、我たちに話とはなんだ」
白髪の少女――ゼウスが、興味を欠いたように問いかける。
「実はね!剣王の娘が私の正体を暴いたんだよ!」
「そうだろうな」
「そうでしょうね」
あっさりと返され、ディンは驚いた顔を見せる。
「え!驚かないの!?剣王の娘だよ!?凄いよね!流石だよね!血のせいかな?」
ゼウスは顔を動かさずに応じる。
「血は抗えない」
「わたくしは……」
アイリスが、冷静に言葉を紡いだ。
「あの歳であの強さ……剣王の血……将来が怖いですね」
その言葉には、どこか恐れが込められている。
***
「だが、それが我らに関係あるのか」
「あるよそりゃ!だって剣王の娘だよ!?戦神アレスと決着のつかない戦いを見せた剣王の娘!他の神が黙ってないよ、きっと!」
ディンは手足をバタバタさせ、大変だと体全体で表現する。
剣王――エルブレイド・スタイリッシュ。
英雄と称される彼の名は、この世界では知らない者が少ない。
その名声は未だに広がり続け、人々の間で語り継がれていた。
「……それもまた血の定めだ。我らが干渉すべきでは無い」
「………そうですね、わたくしたちが干渉すれば、それこそこの世界の崩壊を意味します」
アイリスは静かに首を振る。
「うーん!そうだよね!分かった!じゃあ私も干渉しないことにするよ!」
ディンは一瞬だけ笑顔を見せ、続けてこう言った。
「………ただし、ヒントはあげることにするね」
ゼウスもアイリスも、何も言わなかった。
その視線を感じることもなく、ディンはふっと姿を消した。
***
「……この世界も終わりか」
ゼウスがぼそりと呟く。
「まだ希望はあります」
「片割れがどうするか、だな」
「マキナですか……そうですね、今の彼女が何をするのかはわたくしにも検討がつきません……」
時計台の上に立つ二人――ゼウスとアイリス。
その視線は遠く、アスフィたちがいる方向を見つめている。
「『神の子』……お前次第だ……”フィー”よ」
ゼウスは遠くを見つめたまま、静かに呟く。
その声にはどこか切実さが滲んでいた。
「相変わらず、過保護ですね。それに、その呼び名は……」
アイリスが小さくため息をつきながら、ゼウスを睨むように見上げる。
「――これが過保護に見えるのならお前の目は腐っているぞ、ポセイドン」
ゼウスは顔を動かさず、冷たく言い放った。
アイリスの眉がピクリと動く。
「わたくし人間なので、アイリスとお呼びください。ゼーウスさん?」
アイリスの口調はいつも通りだが、その言葉にはどこか棘があった。
それでもゼウスは微動だにせず、ただ視線を遠くに向けたままだった。
二人のやり取りは、外見上は軽妙に見えたかもしれない。
しかし、その裏に隠された思惑や感情は、決して表には出てこない。
アスフィたちに向けられる神々の視線――
それが何を意味するのか、彼らはまだ何も知らなかった。
***
その場所に立つ二人の神々の存在は、世界の命運に関わる。
だが彼らはただ、時計台の上から静かに遠くを見つめ続けていた――。
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神。それはこの世界の才能を持つ者の理を超越する者。




