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EXep.「祝福(さいのう)」

この世界の人々は、生まれながらにしてひとつの『祝福(さいのう)』持っている。

それは戦闘に役立つものから、日常に特化したものまでさまざまだ。たとえば――


『料理を極める才能』、『どれだけ走っても疲れない才能』、そしてルクスのような『あらゆる魔法を操る才能』……。


だが、その『祝福』は必ず一人につき一つまで。

二つ持つ者は決して存在しない。


そして、ごく稀に――『祝福』を持たずに生まれる者がいる。

才能を持たない者。力を与えられなかった者。


この世界は、『持つ者』と『持たざる者』に分かたれている。


当然ながら、『持たざる者』にとって、この世界はあまりに残酷だ。

『祝福』を持つ者たちの目には、彼らは欠陥品であり、異物であり、ただの無価値な存在として映る。

『持たざる者』は社会の底辺をさまよい、時に迫害され、虐げられ、踏みにじられる。

それが、この世界における『持たざる者』の在り方だった。


そして――ここに、一人の『持たざる者』がいる。


名をゼウス・マキナ。この世界において、何の『祝福』も持たずに生まれた者。


ゼウスの生まれた町は、小さくも栄えた場所だった。町の住人たちは皆、何かしらの『祝福』を持っていた。


ただ一人、ゼウスを除いて――。


『持たざる者』のゼウスは、異端だった。異常だった。

人々は彼を忌み嫌い、恐れ、排除しようとした。


「何の役にも立たないくせに、同じ世界に存在している」


それだけで、彼らにとっては十分だった。


ゼウスは、幼いころからずっと思っていた。


――この世界が嫌いだ。


ゼウスは、願った。


――滅びてしまえばいい。


ゼウスは、誓った。


――決して許さない。


そして、ゼウス・マキナは町を去った。追い出されるようにして。

復讐を胸に秘め、一人旅に出る。


だが、やがて――ゼウスはアスフィやレイラと出会い、運命を大きく変えていくことになる。

世界に居場所のなかった『持たざる者』が、その手に何を掴み、どのような道を選ぶのか。


それは、まだ先の話である。

Ex.episode0


ゼウスの物語は節目節目で描く予定です。

いったい何者なのか、乞うご期待!

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