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中学3年生は青春だ。

初めまして空海です。今回は将来小説家になりたいと思い、一作品描き始めました。拙い文章や分かりにくい表現はあるかと思いまずが純粋に楽しんで頂けるとありがたいです。

 俺は『私立風雪学園』に通う中学3年の『南昇光祐』。今、俺は人生最大の危機に陥っている。それはつい先日のこと…


それは7月の中頃に行われた三者面談で進路について話していた時のこと。俺は『私立黒彩学園』に進学したいと担任に伝えたところ成績的に無理だと告げられた。これが俺の人生最大の危機であった。


「くっそー。どうすれば黒彩学園にいけるんだ?」

「何あんた。まだ悩んでるの?」

「母さん‥」

「そんなに行きたいなら今からでも勉強すればいいじゃない。」

「1人で勉強して賢くなれたらこんなふうに悩んでないよ。」

「まあ、それもそうよね。あっそうだ。1人で無理ならあの子に頼めばいいじゃない。」

「あの子って?」

「お隣の『紗夜ちゃん』によ。」

「あー…まあちょっと考えてみるわ。」


がちゃ

俺は今の空気がなんとなく嫌になって部屋に逃げた。

「(『北落紗夜』は俺の幼馴染だ。俺が幼稚園に入って少し経った頃に隣に引っ越してきて、母さん同士がすぐに仲良くなってかつ俺たちは同じ幼稚園に通っていたから昔からざっと一緒だった。だけど今は…)今は同じクラスだけど喋ってないしな。それにあいつ成績優秀だから俺よりも全然上の学校に行くだらうしな。て言うか好きなやつにこんな恥ずかしいこと頼めるかよ。」

(そう。何を隠そうこの男、北落紗夜のことが好きなのであった。今は疎遠になっているが昔から思いは変わらず一途な恋をしていたのだ。そしてこれこそが紗夜に頼めない最大の理由であった。)

「くっそー。どうすればいいんだよー。」

(光祐は進路に悩み、恋に悩む。まさに青春真っ只中なのであった。)

「どっちにしろちょっと冷静になって考えるしかないな。」


1学期終業式の日

 「紗夜に頼むなら今日しかないよな。渋って後悔するぐらいなら覚悟決めて行くしかねえ!よし、学校が終わったら声を掛けよう。」

これにて1学期終業式を終わります。皆さん有意義な夏休みをお過ごしください。

「光祐、一緒に帰ろうぜ。」

「すまん。今日は用事があって無理なんだ。」

「そっかー。まあ用事なら仕方ないな。受験前だけど夏休み1回ぐらいは遊ぼうぜ。じゃあな。」

「じゃあな。」

(さてさて、紗夜はまだいるか?おっいたいた。)

「よっ紗夜。久しぶり。」

「光祐くん、久しぶり。どうしたのいきなり?」

「あっいや、そのー。紗夜に相談と言うかお願い事があって、もし良かったら今日一緒に帰らない?」

「いいよ。準備終わるまでもう少し待ってもらってもいい?」

「おう、もちろん。」

(あいつ、昔と喋り方と言うか雰囲気と言うかなんか変わったよな。まあさすがに久しぶり過ぎて硬いのはお互いさまだけど。なんか違和感ある気がするんだよな。)

「お待たせ。帰ろ。」

「おっおう。」


(俺から誘ったんだ。俺からビシッと話し切らねえと。)

「あのー…」

「なんだか懐かしいね。」

「えっ?」

「こうして2人で歩くの。」

「そうだな。なんか気づいた時にはお互い気まずくなって話さなくなったからな。」

(よし。なんだか分からねえけど空気は柔んだぞ。この調子でいけば。)

「それで、そのお願い事とはなんなの?」

「そのー、俺行きたい高校があるんだけど今の成績じゃ無理だって言われてて。でもどうしてもそこの高校に行きたいからお前に勉強を教えて欲しいんだ。お願いします。」

「志望校はどこなの?」

「えっ?」

「だーかーらー志望校はどこなの?」

「私立黒彩学園です。」

「分かった。私が光祐の勉強を見てあげる!」

「ほっ本当か?と言うか名前…」

「いやー中学3年になってまで幼馴染をくん付けはちょっときついかなって思って。」

「あっそう。どうぞご自由に。と言うかさっきまでと雰囲気違いすぎない?」

「あーそれは昔とは関係が違ったからね。どうやって接したらいいか分からなくてね。でもこうなった以上私は昔みたいに戻るからね。覚悟しといてよね。」

「覚悟って。まあ迷惑は掛けるもしれないけどしばらくよろしくお願いします。」

「こちらこそよろしく。」

(かっ可愛い。なんだよ急に明るくなったと思ったらその不意打ち笑顔は顔に出そうになるじゃねーか。落ち着け俺。平常心だ、平常心。)

「どうしたの急に固まって。」

「いや、大丈夫。なんでもない。さあ帰ろう。」


「じゃあ勉強会は明日からね。光祐の家でいいかな?」

「ああ。多分いいと思うけど一応連絡するわ。」

「分かった。それじゃあ明日。」

「おう。」

 

がちゃ

「ただいま。」

「お帰り。今ご飯作ってるから、着替えて手洗いうがいしてきなさい。」

「言われなくてもしますよ。」


「いただきまーす。この間の勉強の件だけど紗夜が勉強見てくれるって。」

「あら、良かったじゃない。」

「それで明日から家で勉強したいんだけどいい?」

「もちろん。いいわよ。」

「ありがとう。」

「あんた、なんか嬉しそうね。」

「べっ、別にそんなことねーよ。」

「そーお?母さんには久しぶりに紗夜ちゃんと喋れて嬉しそうに見えるけど?」

「かっ母さんの考えすぎだな。ごちそうさま。じゃあ俺部屋にいるから。」

「我が息子ながら分かりやすいわね。なんだか面白いことになりそうね。」


一方紗夜宅

「お母さんただいま。」

「お帰りなさい。あら?何かいいことでもあったの?」

「なんで?」

「だって嬉しそうな顔してるもの。」

「まあちょっとね。」

「ご飯できるまでゆっくりしてて。」

「私部屋にいるね。」


がちゃ

「まさか光祐と明日から2人っきりで勉強だなんてどうしよう。」

(何を隠そう紗夜も光祐と同様に光祐のことが好きなのであった。)

「光祐に久しぶりに話しかけられただけでも嬉しかったのに明日から2人っきりなんて私平常心でいられるかな。でも光祐は真剣に勉強をしようとしてるんだ。それを教える私がしっかりしてなきゃいけないんだ。頑張って乗り越えてみせる。」

「紗夜、ご飯できたわよ。」

「今行くー。」


勉強会初日(夏休み初日)

ピーンポーン

「光祐、来たよー。」

「おはよう。今日からよろしく。」

「おはよ。おばさんいる?これからしばらく家にこさせてもらうしお菓子持ってきたんだけど。」

「母さん10分ぐらい前に出かけたんだよね。まあそのうち帰ってくるだろうし一旦俺が預かっとくわ。」

「じゃあ、勉強会を始める前に光祐の実力を測るために私が用意した小テストを受けてもらいます。」

「まじかよ。てかこれお前が作ったわけ?それも昨日1日で?」

「幼馴染が頑張ろうとしてるんだもん。私だってやれることはしたいし。さあ、喋ってないでやるよ。」


1時間後

「終了。そこまで。」

「終わったー。」

「じゃあ採点するね。」


20分後

「これはひどい…」

「えっ?そんなに悪い?」

「けど…教えがいあるじゃん。」

「よし。まずは基礎から徹底的にやらなくちゃね。問題は私が用意してるから光祐にはこれらを1つずつ順番にこなしてもらいます。受験勉強はそれからね。」

「よっしゃあ!やってやろうじゃねえか!」

(かくしてこの2人の夏休みは早くも1か月が経とうとしていた。その間お互い特に恋愛については動きがなかった。それほどまでに勉強に徹底していたのだ。そんな中…)


8月20日夜 光祐宅

「明日は夏祭りか。昔は紗夜とよく行ってたな。誘っても大丈夫なのか?受験生なのにって言われないかな。うわーどうしよう。けど後悔はしたくない。ダメもとでも誘ってやる。」


プルプルプルプル

「うん?光祐からだ。なんだろ?

もしもし、光祐?」

「紗夜、今時間大丈夫?」

「うん。大丈夫。」

「そのもし良かったら明日の夏祭り一緒に行かない?」

「夏祭り…」

「受験生だから勉強しないといけないのは分かってるんだけど思い出作りもしたいなって思って。だめかな?」

「うん!行く!私、光祐と夏祭り行く!」

「本当か。ありがとう。じゃあまた時間とかは明日。じゃあおやすみ。」

「うん。おやすみ。」


「よっしゃー!誘えたぞ。けどなんであいつ急に元気になったんだ?まあいっか。それよりも明日はいい1日にしなくちゃ。」


「まさか光祐が誘ってくれるなんて。嬉しすぎるよー。あっそうだ。お母さーん。浴衣ってある?…」


8月21日

(今日は紗夜に予定があったためいつも勉強会は無しだ。けど俺はいつも通りの時間から勉強をしていた。だが正直勉強に集中しきれていなかった。)

「約束は夕方の5時なのにもう緊張してきた。最近は紗夜と2人きりでも勉強に集中してたから平常心でいられたけど今日は紗夜と夏祭りに行く。場合によっちゃデートとも言える。しかも紗夜おしゃれしてくるんだろうな絶対可愛いじゃん。それでも絶対にいい思い出を作りたい。そのためには弱気になってちゃだめだ。とりあえず勉強して心を落ち着かせよう。」


そして約束の時間(午後5時)

「それじゃあ母さん行ってきます。」

「楽しんできてね。」

がちゃ

「紗夜はまだか。」

俺たちは家が隣同士だからお互いの家の前で集合だ。

「じゃあお母さん行ってきます。」

「気をつけてね。」

「あっ、光祐ごめん待たせた?」

「だっ大丈夫。俺も今来たとこ。」

「予定が思いのほか時間かかっちゃって。急いで準備したんだけど。この浴衣似合ってる?」

(なんだよ、こいつすげー可愛いじゃん。浴衣似合ってるし、髪もいつもと違うけど浴衣とすげーマッチしてるし。なんか全体的に色っぽいし。)

「ちょっと光祐。聞いてるの?」

「おう。もちろん。」

「あっもしかして私の浴衣姿に見惚れてたとか?」

「べっ別にそんなんじゃねーし。でも似合ってるとは思う。」

「ありがとう。頑張って着付けてきた甲斐があったよ。さっ行こう。早くしないと色々と売り切れちゃうよ。」

「そうだな。」

「わあー久しぶりに来たけど賑やかだね。」

「お前最近来てなかったのか?」

「小学生の頃は来てたんだけど中学生になってからは1度も来てないんだよね。光祐は?」

「俺は普通に友達と来てたぞ。」

「ふーん。そうなんだ。」

「なんだよ?」

「なんでも。あっ私たこ焼き食べたい。光祐買いに行こ。」

「落ち着けって。屋台は逃げないんだからよ。」

「おじさん、たこ焼き2つ。」

「あいよ。じゃあ2つで800円ね。」

「はい。800円。」

「まいど。」

「あそこのベンチで食べるか。」

「そうだね。他にも食べたいけど1個ずつ消化していかないと大変なことになるもんね。」

「いただきまーす。」

「これ美味しい。次は何食べようかな?」

「待て待て。早いな。もう少したこ焼きの感想はないのか?」

「美味しい。その一言で十分なんだよ。」

「あーそうですか。」

「よし決めた。次はかき氷が食べたい。」

こんな感じで俺は紗夜の行きたいがままにいろんな店に行った。

「いやー食べたね。ちょっと休憩。」

「色々と買いすぎなんだよ。」

「だって久しぶりだし。光祐とだと色々としたくなったし。」

「そうかよ。」

「あー照れた。」

「別に照れてね…」

ドカーン。バンバン。

「うわー花火だ。おっきー。しかも綺麗。そうだ写真撮ろ。」

「次から次へとはしゃぎやがって。」

「ほら、光祐も一緒に写真撮って撮ろ。」

「えっ俺も?」

「いいから早く。花火終わっちゃうよ。ハイチーズ。」

パシャ

「いい感じ。光祐にも送っとくね。」

「サンキュ。」

「来年も来たいね。一緒に。」

「来れたらいいな。」

これにて花火を終了させて頂きます。

「花火も終わったことだし、帰るか。」

「そうだね。」


「光祐、今日はとっても楽しかった。ありがとね。」

「俺も楽しかったよ。」

「明日からも勉強頑張ろうね。」

「もちろん。それじゃあおやすみ。」

「おやすみ。」


勉強会最終日(夏休み最終日)

「ではこれより夏休み総復習テストを始めます。始め。」

1時間後

「終了。そこまで。」

「手応えとしては結構取れたと思う。」

「じゃあ採点するね。」

20分後

「凄いよ光祐。全部8割以上解けてる。しかも国語と英語はどっちも1問ミスだけ。凄いよ。」

「と言ってもこれ全部基礎なんだろ。ならこれぐらいできなきゃだめなんだよ。」

「それでも喜んでいいんだよ。たったの1か月でこんなにも変われるんだよ。光祐は真面目にやればできるんだから2学期からもサボっちゃだめだよ。」

「分かってるよ。紗夜に教えてもらったことを無駄にはできねえからな。」

「よし。明日からも頑張るぞー!おー!」

「おー!」

かくして2人の夏休みが終わり2学期が始まるのだった。


最後まで読んで頂きありがとうございます。今のは前編となっており2人の関係性が少し歩み始めたかな?と言うところまで描きました。後半では最後まで描くので2人の最後を是非見届けてください。

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