三話「最強の能力」
「神野創。お前が選んだのは普通の"能力"ではなく......」
「原初の神が扱った、現存の神以上の事象を顕現できる力......"原神力"だ。」
テントに連れ込まれた俺は、創世神からそんなことを言われた。
“原初の神が扱った”力って......
それそれ大分ヤバいやつじゃないのか......?
「厨二病なお前ならもう大体分かったと思うが、とんでもなく強い力だ。」
「それは分かってる。早く内容を教えろ。」
「はいはい。」
「お前が選んだのは、『創造』という原神力だ。まぁ、原初の神が扱った力そのものじゃなく、1部だけどな。」
「創造......ってことは、何かを創り出せるってことか?」
「大雑把にいえばそうだな。んで、詳しい説明だが......」
創世神の説明によると、『創造』とはこのようなものだった。
・原初の創世神「アルラ・ファスト」が扱った力の1部
・「神力」という魔力の神バージョンみたいなものを使い、ありとあらゆるものを創り出すことが出来る
・複雑なものや大きなもの、非常識なものを創ろうとすると難易度、必要時間、消費神力量が上昇する
・スキルの熟練度や思考速度、想像力次第で時間は短く済む
「こんな感じだな。ただ、かなり強い力だし、未知数でもある。だから...悪いが、封印を施して、初めは簡単なものしか創れないようにしておいた。使っていればだんだん制限は緩くなっていくから、心配するな。」
「分かった。でも制限のレベルはどう確認するんだ?」
「直感でわかるようにしておく」
「あっはい」
流石は創世神、やることが規格外だ。
「とりあえずこれでお前への説明は以上だ。向こうへ行って琴葉理乃を呼んできてくれ。」
「学校の面接練習かよ...はいはい 、わかりましたよ」
俺が琴葉理乃に創世神が呼んでいることを伝えると、彼女は素直にテントに入っていった。
それから10分ほど経ち、2人は1緒にテントから出てきてこちらに戻って来た。
「アルラス・フォート、私の力は相当強いみたいよ!!覚悟なさい!!」
「はいはい、んで、どんな力だったんだ?」
「言えるわけないじゃん。個人情報だもん。」
何が個人情報だ
どうせ闘えば分かるだろうに。
俺も教える気は無いが。
「ハハハ。まぁとりあえず、これで自分の力は把握できたはずだ。」
「ああ、そうだ。転生する時に名前を変える奴もいるんだが、どうする?」
「俺は今のままでいいかな。『神野創』だ。」
「私も『琴葉理乃』のままにする。名前変わったらわかりづらいしね。」
「ところであんた、神野創って名前だったの?アルラスじゃなくて?」
「んな訳あるか」
なんかこいつツッコミどころ多いな。
「んじゃ、そろそろ異世界に旅立つ時間だ。2人とも、そこの魔法陣の上に立ってくれ。」
そう言われて俺と理乃は魔法陣に乗る。
それにしても、本当にこれから異世界に行くんだな。
まるで夢みたいだ。
厨二病時代の妄想が現実になるとは。
転生特典はかなり強そうだし、これで無双してやろう。
「面白い事が起きそうだ。俺たちは天界からお前たちを見ておくよ、せいぜい死なないようにな。じゃ、行ってこい。」
魔法陣の光で視界が真っ白に染まっていく。
俺は最後にもう目の前にはいないかもしれない創世神に威勢よく言い放った。
「いつか魔法かなんかで会いに来てやるよ、独りぼっちの創世神!......行ってきます!!!!」
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「『いつか魔法かなんか出会いに来てやるよ』か。アイツなら本当に会いに来そうだな。」
「2人とも、本当に面白い奴らだ。今までは建前で言っていたが、あの2人に関しては本当に見ていたいな。一体どんな冒険をするのか、楽しみだ。」
「特に......神野創。アイツからは、他とは違う“何か”を感じる。」
これで、創くんの力がわかりましたね。
原初の創世神が扱った力の一部、ありとあらゆるものを創造する力......
考えただけでワクワクしませんか?
また、前回のあとがきで「理乃が選んだ能力は何なのか!?」と言いましたが、
個人情報保護の観点から黙秘させていただきま(((殴
......そろそろ次回予告しますか。
ついに異世界へGO!
創と理乃の冒険が始まります!
異世界では何が2人を待っているのか!?
そして投稿は何ヶ月先になるのか!?
乞うご期待!