プロローグ
とっくに期待されているわけでもない新米ラノベ作家もどきの第二作目、始動!!
今作も少しズレた異世界転生チートものです。
てなわけで読んでみてください。
ーーー"最強の能力"。
中二病時代があった者は誰しも1度は思い描いたことがあるであろう、規格外の力。
それは例えば、超魔力やとんでもない威力の魔法、人間離れした身体能力、果てには世界の法則を操るなんて言う能力なんていうのを考え出す者もいた。
そしてここにも、現役ではないがかつて中二病だった者がいた……
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「諸君、よく集まったな!今宵も俺の力を目に焼きつけるがいい!!」
俺は神野 創、16歳。
かつて中二病だった頃の記憶を利用して、このように中二病キャラで動画配信や生放送をしている。
ちなみにこれが本物の中二病ではなく動画や生配信用に作ったキャラであることは初投稿の動画で伝えてある。
ーーそんな感じで、いつものように生放送をしていたある日のこと。
ピーンポーン
ーー"奴"は突然やってきた。
「はーい。皆の衆、少し待っていろ。」
画面の向こうのみんなに待っているよう言ってから、格好つけた上着を脱いで玄関へ向かう。
俺がドアノブに手をかけるより先に、客はドアを開いた。
そして......
「......!?」
そいつは俺にナイフを突きつけ、こう言い放った。
「私はノエル・イウリス。私と決闘をしなさい、アルラス・フォート!」
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時は流れ、俺と自称ノエルは互いに対峙し、機を伺っていた。
俺は逃げる隙を、向こうは恐らく攻める隙を、それぞれ伺っているのだ。
しかし拮抗しているわけではなく、俺はじりじりと後退し、今2人はPCの前でネットにその姿を晒している。
職業病のようなものでちらりと画面を見ると、いつもに増して多くのコメントが流れていた。
『決闘って......やばい奴じゃん』
『アルラスは作ってるだけだから面白いけど、ガチはやべぇよ......』
『お前ならやれる!今こそ龍を解き放て!w』
『警察呼びたいけど住所わからん』
1人状況がわかってないやつがいるが、一応殆どの視聴者はヤバさに気づいているようだ。
「アルラス・フォート、あなたを倒して最強を証明する機会をずっと求めていたわ!」
「そして昨日ようやくここを見つけ、この女神ノエル・イウリスがあなたを倒しに来た......!」
ちなみにこいつが言っていることは本気だ。
何故ならナイフの先が若干湿っていて、しかもそこから変なにおいがするからだ。
おそらくあのナイフには毒が塗られている。
「俺を殺したとしても、お前に与えられる称号は"最強"じゃなくて"犯罪者"だぜ?」
「最強は政府などに屈したりはしない!あなたを倒すことで、私はそれを証明できる!」
どうやら聞く気はないようだ。
......しかし困った。
今俺は部屋の奥側にいて、向こうは廊下を塞ぐ形で立っている。
ワンルームのこのアパート内でそんなことをされたら、俺はもう逃げられない。
もう無理だと、死を覚悟した。
というか、突進してきているからもうむりだ。
刃先がダメ元で躱そうとする俺の頬に触れ、食い込んだ。
ーーーその時だった。
「......っ!」
目の前にいる相手が、真後ろの窓ガラスが割れる音と共に倒れた。
見ると、額から血を流している。
後ろを振り向くと、少し離れた家のベランダに人がいて、
その人は、ライフルを持っていた。
ぴろん♪
PCから、動画サイトの機能である投げ銭を知らせる音がした。
その投げ銭コメントに書かれていたのは......
『危なかったな。偶然外を見たら配信に映っている二人が見えたもんで。』
「危なかった、か。残念、もうここ切られちまったよ。とりあえず救急車呼ぶけど、無理だったら来た人にコメントで教えてやってくれな。」
そう言って俺はとりあえず119に電話をかけ、椅子に座った。
もう景色が霞んで見える。
朦朧とした意識の中で最後の気力を振り絞り、住所だけ伝える。
そして俺は気を失い、この世界を去った。
さて、どうだったでしょうか。
まぁまだ転生すらしていないので、こんなこと聞かれても答えようがなさそうですが。
とりあえず、この物語の設定ができた経緯をお話ししましょうか。
学校で休憩時間にぼーっとしてたら浮かんだ。
それだけです。それ以上でもそれ以下でもないです。
ぱっと思い浮かんだテーマに色々と設定を付け足したものがこのシリーズです。
こんなこと特に興味ないでしょうし、そろそろ内容に触れましょうか。
突然の襲撃によって命を落とした主人公・創。
そして狙撃によって同じく命を落とした自称女神。
このシリーズのテーマは異世界転生なので、あとはわかりますね?
以上、次回予告でした。