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73.証拠

投稿、遅れてすいません。

後、申し訳ないですが、水、木は課題が多いので投稿できません。次は今週の金曜日を投稿予定とします。


今回も侍女長視点です。


追記:すいません、ちょっと金曜日には間に合いそうにないので、土曜日に投稿します。




「綺麗だったから!すっごい、美人だな!って思ってたから思わず見惚れてました、マジすいませんでした!!」


大声でそう叫ぶ元人族を見て、こいつは何を言っているんだ、と思った。


私の着替え風景をジロジロと見るものだから、よっぽど私の肌が薄気味悪かったのだろう。

気持ち悪いなら気持ち悪いと素直に言えばいいのに……。


別にそう言われるのは慣れているから特に気にしない……そう思って問い詰めたら、なんか変なことを言い始めた。


「……はっ、随分と悪趣味な嫌味を言うようになりましたね。何ですか、それは私のこのアンデッドのような肌を揶揄っているつもりですか?」


大方、今までの訓練の腹いせに私を精神的に凹ませてやろうとでも思ったのだろう。

先程は素直に礼を言っていたので、若干見直していたのですが……失望しました。


まぁ、もともとそこまで期待していたつもりもないですが……。


私はなおも色々と言葉を重ねてくる元人族を冷たい眼差しで眺める。


この肌が綺麗?冗談ではない!

この肌が私に与えたのはそれなりの強さと城内での地位だけ。

余計なお守りは任されるし、誰かに愛されるわけでもない……。

しかも、力だってカナ様や魔王様のような超常の存在にはまったくもって無力。

これなら普通の肌に生まれて、普通の村娘らしく集落のみんなと一緒に……。


そこまで考えて、その想像を打ち消すようにかぶりを振った。


起こりえない未来に想いを馳せても仕方がない。

結局、私は私のまま。

この醜い肌で一生生きていくしかない。


とりあえず、今は目下の問題をどうにかするとしましょうか。


「では……証拠を出しなさい」


「証拠……だと?」


「ええ、あなたが本当に私のこの肌を綺麗だと思うのなら……その肌を愛せると言うのなら……その証拠を出しなさい」


「いや、だからさっきから何度もーー」


「ーー口では何とでも言えますからね。口先だけではない、私の納得できるだけの証拠をーー」


再度、出しなさいと私が言うよりもはやく。


ーーぎゅっ


と、薬効臭い身体が私に抱きついてきた。


「えっ?……はっ!?えっ!?」


いきなりの出来事。

あまりにも咄嗟のことに、身体は反応できず、ただマティスにされるがままになる。


彼は私の耳元に口を近付けると、ボソボソと呟いた。


「証拠、証拠ってうるさいな、まったく。そんなに人の好意が信じられないのか?お前は」


ええ、そうですとも。

私の人生、純粋な好意というものをこの身に受けたことがない。

精々あるとしたら魔王様の厚意ぐらいだ。

そんな魔族が、今更若い元人族の口車に乗せられるわけがない。


そう口にしようとして、いつもの憎まれ口を叩こうとして……だけど、緊張で口がうまく回らない。


「うっ、あっ……」


「信用できないなら、行動に示すしかないけど……。俺にはお前が、いやラルファが綺麗っていう証拠の出し方がわからないからーー」


ーー抱きしめるよ。


耳元でボソリと。

そう告げられた一言に私は身体の奥がジンとしびれるような感覚に襲われた。


「魔族の間ではどうかは知らないが、人族の間では抱くという行為は親愛の証なんだぜ?」


知ってる。

そして、魔族の間でもそれは一緒だ。

集落内でも他の親子がしている様を見ていた。

おかえり、ただいま。そう言って、彼らはお互いを抱きしめる。

お互いの温もりを確かめ合うようにーーー


「だから、まぁ……親愛ってわけじゃないけどさ……。その、俺がラルファのことを異性として意識しているってことぐらいはわかってくれないか?」


わかる、わかっている。

この温かい感触が、安心する鼓動が、私の耳朶を刺激するその声が……決してまやかしではないことを私は理解する。

理解すると同時に、茹で蛸のように顔が赤面していきーーー


ドッ、と羞恥のあまり彼の身体をベッドに向けて押してしまう。


「ーーい゛って!何するんだよ!」


「……み、未婚の乙女の身体に急に抱きついたりするので、その罰ですよ、罰。女性を襲う変態を破廉恥罪として罰しただけですよ」


「ぐっ……いや、でもそっちが証拠を出せって言うからーー」


「ーー示し方というものがあるでしょうが」


できるだけ赤面した顔を隠すように背を向けて、何でもない風を装う。

この肌を殆ど隠すことができていない下着同然の寝巻きでは、何とも防御力に欠ける気がする。

……今度からちゃんとした寝巻きを用意するべきでしょうか?


「……とりあえず、今日は寝なさい。明日からまた訓練を受けてもらいますからね」


まだ文句が言い足りなさそうな顔をしているマティスにピシャリと言い渡すと、彼の隣のベッドに隠れるようにして包まった。


身に帯びた熱は、しばらくの間治まることはなかった。




なんかこうやって見ると主人公がホストみたいに見えるから、不思議だなぁ笑

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