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34.王立魔法学園に向けて

はい、というわけで学園編スタートします。

入り方が唐突すぎておかしい気もしますが、プロット通りいってますので、ご心配なく。

やっぱり、ヤンデレものと言ったら学園編がいるだろ、と作者は思っていますのでどうしても入れたかったんです。

次の2、3話で今いるヒロイン達とイチャイチャさせたら、学園編に入りますのでご了承ください。


……後、投稿が遅れてすいませんでした。




「実はお前らに王国に行ってほしい理由は、保護することだけじゃあねぇんだ」


ギルドを出発してから2日目が経ったある日、アキトはそんなことを言った。


ギルドでカイリちゃんをボコボコにしてしまったため、このパーティの女性陣の好感度がかなり下がってしまった彼は、1日目に馬車内で最悪の空気を味わうことになったが……。

あれが厳正な勝負の結果であることを1日通して説得したおかげで、何とか会話ができる状態までもってくることができた。(ただし、やられた本人(カイリちゃん)は未だ、悔しさ故か納得できていない模様)


そして、2日目。

立ち寄った町で女の子三人分の新しい衣服をアキトが買い与えたおかげで、彼女ら三人は機嫌が良好である。ちなみに、俺の服は自腹。

ここが一番の好機と思ったのか、突然彼はそんなことを宣った。(謎の敬語)


「……私たちに何かやらせたいことでもあるんですか?」


服を買ってもらった手前、邪険にすることもできずにアキトが話しやすいように相槌を打つキーラ。

それに対して、受けた恩など知らん、とばかりにガン無視を決めるカイリちゃん。

こういったところで、年相応の態度が見て取れる結果となった。

ちなみに、アルバはこのパーティで唯一御者ができるということで、ずっと御者をやらせているため、会話に参加できる余裕がない。

元農民である俺や奴隷として酷い目に遭ってきたカイリちゃんやキーラができないのは仕方ないとしても、王都への案内役であるはずAランク冒険者様ができないのはちょっとおかしいと思います。


一人だけとはいえ、相槌が返ってきたことに満足しつつアキトは続きの言葉を話した。


「あぁ、三人には王立の魔法学園に通ってもらおうと思う」


「「「ーー王立の魔法学園!?」」」


「……?」


王都の魔法学園と言えば……そこから出てくる卒業生たちはほとんどが宮仕えになると言われるほどの超エリート校!

平民である俺からすれば一度は通ってみたい憧れの学園と言えるだろう。

勿論、帝国にも帝立の魔法学園が存在しているが……。

王国のものと比べるとワンランクかツーランクぐらいグレードダウンしている感がある。

地球で言うところのハーバード大学みたいな感じである。


俺とキーラ、それとアルバはそのネームバリューの大きさに気付いて、らしくもなく派手なリアクションを取ってしまった。

他種族であるはずのアルバにすら驚嘆させるのだから、その学園の偉大さがわかると言うものであろう。


ただし、年齢的にまだ学園に通う年ではない(学園は13歳からが一般的)カイリちゃんは、学園の名前に詳しくないのか、キョトンとした顔をしている。


「これも勇者からのお達しでな。『子どものうちが最も成長しやすいんだから、魔法学園にでも通わせて強くさせろ』って言うもんだからよぉ。悪いが三人には、強制的に参加してもらうぜ」


「え、あ……別に通うのは構わないんだけど……」


というか、むしろ俺たちとしては願ったり叶ったりというか……。

住所不定の冒険者よりも、魔法学園の生徒の方がよっぽど地に足のついた職業と言えよう。それに俺の当初の目的である大金持ちの道筋にも一歩近付くわけだ。

断る理由なんて皆無に決まってーーー


「ーーーって、あれ?アキトさん、さっき三人って言いました?四人ではなく?」


「あぁ、言ったぜ。三人ってきっちりとな」


「えぇっと……それはつまりこの中で一人だけ、通うことのできない人が居るということでしょうか?」


不安気に瞳を揺らしてみせるキーラに対して、アキトはバッサリと言い放った。


「ーーその通りだ」


「……どうして、ですか?」


「魔法の才能がない、と俺が判断したからだぜ」


「ーーッ!」


魔法……。

汗だくになりながら毎日を必死に生きている俺たち貧民にとってそれは、誰しもが憧れる奇跡の力。

指先にに火を灯せる、というだけで村では食事に困らなくなるほど魔法使いは優遇されるものである。

男なら一度は、自分が魔法使いになることを夢想して友達と一緒に魔法使いごっこなどをして遊んだりするものだ。(俺はぼっちだから例外だけど……)


だが、そんな魔法には残酷なシステムが存在する。

そう!それこそが魔力感知の才能である!


空気中に漂っていると言われる魔素。

これを肌で感じれるようになれなければ、魔法使いになるなど到底無理だ。

そして、この感知能力を持ってして人々は魔法の才能と呼んでいるのだが……。


魔法の才能……か。

確かに俺は前世から幽霊の気配を感じたことがなければ、背後に立つ人の気配を察知したこともない。

まさしく0感である。

そんな俺に魔法が使えるわけーー


「ーー使えないのは、獣人の嬢ちゃんだな。それ以外は皆使えるみたいだから、魔法学園に入ってもらおうか」


「……えっ?」


キーラの驚くほどのノーリアクション。

更には自分が魔法使いになれない、と言われているのに何の反論もしないカイリちゃんのおかげで、俺の小さかったはずの驚嘆の声がいやに大きく聞こえた。


「『……えっ?』って何だよ、少年。もしかして、お前が魔法の才能がないって思ってたのか?まぁ、確かに魔力量はさしてあるわけでもないがよぉ……。さすがに獣人よりも下だと思うのは自分を卑下しすぎなんじゃないか?」


「……へ?」


……獣人よりも下だと思うのは自分を卑下しすぎ?

いやいや、むしろカイリちゃんの方がよっぽど感知能力高いだろ!

俺なんかじゃ分かりようがない、草むらに隠れている獣とか一瞬で見つけられるし……。


何となく納得のいってない俺に対して、キーラがフォローに入った。


「獣人は総じて魔力量の低い人種と言われることで有名です。エルフであるアルバさん程私たちの魔力量が多い、とは断じて言えませんが、それでも獣人に勝てないほど少ないはずがありません」


「ついでに言うなら、獣人の嬢ちゃんが一般人クラスの下の中ぐらいなのに対して、黒髪の嬢ちゃんが魔術師クラスの上の下、少年が一般人クラスの中の上くらいあるぞ。黒髪の嬢ちゃんは勿論の事、少年も十分魔法学園に通えるボーダーラインに入っているがら、気にすんなや」


「……そ、そうか」


マジか、俺魔法使い目指せるの!?

うっは、その事実が理解できるとちょっとテンション上がってきたんですけど!

超楽しくなってきたんですけど!!


「お兄様のテンションがおかしいことに……」


「まぁまぁ、そう言ってやんなよ。男だったら魔法使いになるっーのは、一度は憧れる道なんだからよ。それよりも、獣人の嬢ちゃんはどうするんだ?お前だけは基準に達してないから、魔法学園に通えないんだが……」


「……べつに。王国はこことちがって、さべつがないんだからテキトーに冒険者でもしとく、です。獣人国にかえるまでのかんこうとおもえば、それもわるくねー、です」


「ほぉ、これはまた謙虚な心意気だな。獣人の嬢ちゃんのことだから、何が何少年の魔法学園入りを阻止するかと思ったぜ」


「ふんっ……おまえにはかんけいねーだろッ、です」


「おぉ、怖い怖い……じゃあ、関係ねーおっさんは黙って眺めとくことにしとこうかね」


「……チッ」



「魔法学園、ですか……」


「どうした、キーラ?何か悩み事でもあるのか?」


「私、実は同年代と話したことがあまりないものですから……学校なんて行ってまともに生活できるか少し不安で……」


「んー、確かにコミュ障には少しキツイかもしれんけど……まぁ、何とかなるだろ!皆、魔法を覚えるのに必死だからいじめなんかしてる暇ないだろうし、いざとなれば俺もアルバも同じ場所に居るんだしさ!遠慮なく頼ってくれればいいよ」


「そうですね……そのときは遠慮なくお兄様を頼らせていただきますね」


いやいやアルバも頼ってやれよ!とは思ったが、よくよく考えたら喋り方からしてガチのコミュ障っぽいアルバに対人関係においてのフォローができるとは思えなかったため、キーラの言葉に苦笑いをすることしかできなかった。






ブクマ、ポイントの方もよろしくお願いします!


追記:9月24日分は25日にまとめて投稿します。

更に追記:9月25日がメチャクチャ忙しくて、投稿する余裕がありません。26日と27日の二つに分けて二話ずつ投稿しようと思います。度々、予定を変更してしまいすいません。

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