19.ラージワーム討伐
初めてレビューを書いて頂きました!ありがとうございます!!!
できるだけ読者の期待を裏切らないように、完結まで精一杯書こうと思いますので、これからも読んでいただけると幸いです!
カイリちゃんとキーラがビッグラビット狩りに向かってしまったため、俺は一人でラージワームを討伐することとなった。
せっかく有能な仲間ができたというのに、その二人に討伐を任せられないというのは少しがっかりする思いではあるものの、彼女らがビッグラビットを大量に狩ってくることに期待しつつ、俺は討伐規定最低数を上回れるように歩いてラージワームの生息地へと向かった。
「で、着いたは良いものの……やっぱ気持ち悪い見た目してるよなぁ、こいつ」
生息地は主に日影の多い茂み付近、もしくは栄養のある土が豊富な場所らしく、俺は適当に農作物を育てている畑の周辺の土を掘り返したところ、ドンピシャでヤツは出てきてくれた。
見た目は完全にミミズ。
しかも、ラージの名がつくだけあってそれなりにデカイ。
大きさは大体ハブとかの蛇ぐらいある。
しかも、なんだかよくわからないミミズ特有の滑りみたいな光沢を全身に出しており、見た目からしてヌチョヌチョしてる感じで気味が悪い。
率先して触りたくない生き物ナンバーツーだ。
ちなみに、一位はゴキブリ。
加えて言うならば、異世界のゴキブリは人間の顔ぐらいの大きさがあるので転生したての頃に見たときは失神しそうになったほどだ。
閑話休題
ラージワームは栄養のある土を食べることで成長する魔物である。
しかも、普通のミミズとは違って食べた後に栄養のある糞をしてくれたりはしないので、土の養分が吸収されるだけなのである。
そのため、農作物が育たなくなってしまうので農民として大変迷惑な生き物なのだ。
討伐報酬は一匹銅貨5枚。規定討伐数は5匹。
まぁ、少なくとも銀貨2枚と銅貨5枚分ぐらいにはなるというわけだ。
だから、まぁ討伐するのは吝かじゃないんだけどなぁ……。
ーーギシャアアッ!
「……うん、やっぱり気持ち悪いよな」
地面から掘り起こされた怒り狂ったのか、口を大きく開けて威嚇をしてくるラージワーム。
口内に溜まっていた唾液が地面に滴り落ちて不快さが更に上がっている。
「こんなことなら俺がビッグラビットを討伐すれば良かったなぁ……」
ビッグラビットは見た目は可愛らしいウサギである。
ただ、ウサギの魔物ということもあって敏捷性は高いのだが……。
それでも、精神的なダメージを考えるとウサギの方が万倍マシというものだ。
「ま、やるしかないんだけどさ」
ーーグシャッ!
俺は右手に氣を集中させて一気にラージワームの土手っ腹をぶち抜いた。
ヌメヌメした感触と生物らしい生暖かい体液が俺の右手にあたり、不快感を増加させた。
ただ、さすがFランクの依頼だけあってラージワームはかなり弱い。
しばらくの間、俺の腕から逃げようともがいていたがやがて力を失い、くたぁと萎れたバナナみたいに横たわって死んだ。
俺は討伐部位である後ろ部分に付いた突起みたいなものをナイフで切り取ると、麻袋に入れて別の場所に移動する。
ラージワームは食欲が旺盛なため、お互いが食事の邪魔をしないように縄張りにかなりの間隔をあけている。
そのため、他のラージワームを見つけるには割と長距離を歩かないといけないので発見するのが面倒だ。
「おっと、ラージワームの巣穴発見、っと」
ただ、それは一般人に限る話で俺の場合は違う。
俺はラージワームの巣穴さえ発見できれば全て丸裸にすることができる……全知全能の解鍵によって。
この鍵は秘匿されたものをあらわにすることができる。
親父のエロ本しかり、母親のヘソクリしかり。
やろうと思えばカイリちゃんの服によって隠されたパンティだって解鍵できる代物。
これをヤツの巣穴に目掛けてーー
ーーガチャ
ーーギシャアアッ!?
すると、ヤツの作った巣穴がパッカリと開かれ、断面図のような状態となる。
これにはヤツも驚愕している様子で、いつもよりも間抜けな声が出ている。
そして、その間に俺がヤツの近くまで行ってトドメをさす、というわけだ。
こうやって、俺は開けては刺し、開けては刺しを繰り返していけば、自ずと討伐規定数に達すると言うわけだが……。
ーーギシャアアッ!
「……うん、やっぱりこの不快感が我慢ならんな」
5匹殺し終えたら、先に風呂にでも行っておこうかな。
そんなことを考えながら、俺はラージワームのお腹を掻っ捌いた。
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