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7 すらいむ の テレパシー! しかし こうかは なかった

違う!そうじゃない!まだだ!今度はなんで増えた!


ジェリーの変身練習は熱が入っていた。いつまでたっても出来上がらないのだ。

俺みたいに変身しろ!と言ったらできるのに、別の人間だといまいち想像できないようだ。

人間の共通項がわからないそうで。


「目、耳、腕、足は二つ!鼻、口は一つ!女なら胸部にメロンが二つ!」

ふざけていたら本当にメロンつくりやがった。ジェル状だからブヨブヨなんだけど。

女の方が引き連れていく上では気分がいいが、あまりスタイルよくやっちゃうとどこぞの族どもに絡まれるだろうし、だからと言ってブサイクを連れて行くのは嫌だ。平凡な顔もダメだな。


ということで、やっぱり男だな。筋骨隆々のゴリゴリである必要はないけど、引き締まった体で、整った顔立ちのほうが何かとよさそうだ。男より女の方が強いからな。とうちゃんもかーちゃんには頭が上がってなかったし。女を仲間にできるくらいにはかっこいいほうがいいだろう。


身体のパーツの位置を丁寧に指示していき、出来上がった姿は誰よりも格好がついていた。ただ…

「ハダカハダメダルォオ!」


服の指導も終わって、俺はへろへろ、こいつもクタクタ。とりあえず飯を食ったら練習でもすっかなあ。相手ができたから割と何とかなりそうだし。そのうちジェリーも変身している状態で人間みたいに戦えるようになれば、スライム族は人間社会に溶け込んで、ばれないように生活できるんじゃないかと思ったりもする。


旅に出ての一番の苦労は、食料調達だったりする。家から保存食は持てるだけ持ってきたが、これをさっさと食べてしまうと、あとはすべて現地調達しなければならない。道中で保存食を作れればいいが、製造に時間がかかるので現実的ではないだろう。もちのいいものはできるだけ取っておいて、自分で取れるうちは現地でその場で調達すればいいだろう。


練習というのは、熟練度を向上させるために行う。今の場合、罠の作成である。森林を自在に駆け回るゴートート(ヤギみたいなモンスター)を捕まえるには、相手を罠にかける必要がある。それも、へたくそな罠だとかかってもすぐに抜けられてしまうし、そもそもばれてしまって引っかからない可能性のほうが高い。出来るだけ精度の高い罠作成を短時間で行えるようにするには、その作成になれて、さらに楽な方法を模索していく必要がある。


その最中に、ジェリーの発声練習を聞く。

「喉を震わせるんだ!そこから出た振動が声になる。どう震わせるとどんな音が出るか、分かるまでやれ!」

スライム種にとってはこれが難しい。そもそも、のどという機関はスライム種には存在しないのだ。

喉を振るわせろというが、人間ならば赤ん坊の時から声帯がのどに存在するわけである。人間の場合は、声を出すか身振り手振りをするかでしかコミュニケーションが取れない。しかし、スライム種の場合は発声の必要がないのである。体を寄せ合ったら分かるようである。いわゆるテレパシーだ。俺もそれが使えるようにならないと、こいつと話もできない。なんとかしてこいつと会話ができないと、文字通り話にならないのだから。

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