2 意味不明な用語集
シュウは城の回りで魔物掃討をしていた。ただの小遣い稼ぎだが、ついでに経験も積める。王に認められて魔王を倒す旅に出るものに渡される、身分証明書でステータスを確認しながら、1体、2体と魔物を倒していった。
この本、おかしな表記があるということに気づいたのはそんなに前の事ではない。
「魔王クラスのモンスターは、情報が公開されていない。が、容姿や服装で弱点が予測できる。すぐにスキルを使わず、どのスキルで攻撃すべきか吟味しよう」
「xボタンでメニューを開く」
「レベリングにはシャムの魔窟が最適」
「※装備は持つだけでは装備できない!※」
最初のものは、そんなに考えている時間はないだろう。止まって考えていると、相手から攻撃を受けることになるだろう。吟味しよう?バカなことを書いてやがる。
2つ目。xボタンてなんだよ!
3つ目。レベリングってなんのこと?(※シュウのステータス画面にはレベル表記や取得EXP表記がありません。現実的に考えると、モンスターを一体討伐するとしても、それによって得られる実戦経験は1体目と2体目で大きく変わります。前回、レベル30と書きましたが、覚えた呪文の量的にそうというだけで、実際のレベルとは異なります)ゴールデンスライム系は倒すと大量に経験値が…とかコラムのように書かれていたけど…スライムよりは確かに経験が詰める相手ではある。だが、ただ固いだけである。逃げ足も速いが、ケガをしている状況であれば、スライムからこぼれる粘液の後をたどっていけば、そのうちに追いつけるのである。そこまで大きな経験値を得られているとは思えないのだ。
4つ目、装備…武器に関しては持つ以外に装備方法はないと思うのだが…見ることができるのはステータスのみである。防具は持っていたらただの荷物だけど…
これだけではない。メニューコマンドとやらの説明を見るだけでもおかしなことがたくさん書かれているのだ。
コマンド
はなす
スキル
しらべる
もちもの
ステータス
そもそもこのようなものは見たことがない。それに、なんでメニューコマンドから、あるいは存在しないボタンからじゃないと会話ができないのか。当たり前にできているのに、この本を書いたのは、この世界のことを知らないやつなのか?と思う。
スキルについても、使いたいものを念じるだけで使える。調べる?話すと同じだ。意味が分からない。持ち物も、自分のポーチを開けばいいだけだし。
ステータス、身分証に書かれているだけだし、ここに書かれているように細かく数値化されていないものも多い。魔物掃討も終わったので、腰を下ろして一度この本をじっくり読みなおそう、そう思ったのだった。