UVG様
本作はフィクションです。真に受けないで下さい。
ある村で恒例行事が行われていた。
広場に置かれた巨大な桶の中で、何やら若い娘が紫色の物体をグチャグチャと踏みつけている。
この村の特産品である、UVG様だ。
「うぅ、申し訳ありません、申し訳ありません……」
UVG教信者である娘は懺悔の言葉を紡ぎながら、完璧に殺菌消毒された専用のブーツでUVG様を踏みつけていた。
熱心な信者である彼女は多くの涙を流しているのだろう。しかし、美しく可愛い娘の涙が混入してしまってはUVGワインの売り上げに影響が出てしまうので、彼女は涙をシャットアウトする仮面を被っていた。
なお、仮面に溜まった涙は後ほど処理される。
「オラァ! ヤメローオラァ!」
突然、過激派UVG信者の男が言葉で抗議し始める。過激派の目的はUVGワインの製造を止め、UVG様を傷つけずに出荷する事だ。
だが、UVG様はワインになる為に生まれた存在。他の信者達がその様な蛮行を許す筈がない。
「ダーメ」
「うべぎ」
穏健派UVG信者である村長が過激派の男にUVG拳を食らわせた事で、事態は収束した。
意味なんて無いのですよ。