acht und zwanzig(アハトウントツヴァンツィヒ)
ディーデリヒはビーアとエールを混ぜたものを飲みながら、アストリットの様子を見る。
疲れてしまったのだろう……アナスタージウスやエッダ達と眠っている。
「まぁ、本当に毎日頑張っていたからなぁ……」
言いながら、匂いを確認し鍋をずらしておく。
焦げ臭くなる直前に火からおろしているアストリットを見ていたのである。
「これで冷ませば、大丈夫だ」
「ディ……は、アスティと親しいのですね?」
「隣の領で、アスティの兄のカシミールとテオドールが幼馴染だからな。時々末の妹の静養に行ったりして、ご両親にも息子だと言われているんだ」
「テオドール殿……と言うと、アスティの領地の?フレデリック殿と言うのが、アスティの兄では……」
「テオドールが養子になったんだ。フレデリックは南に任務に就いた」
ディーデリヒはイタルを見る。
「イタル。休んだほうがいいと思うぞ。まだ数日は雨が降る。体調を整えておくべきだ」
「ディは?」
「もう少ししてから休むつもりだ。お前たちも休んでおくがいい。明日にでも出て行って貰う」
タクマとエリアに言い放つ。
「寝首をかかれる訳にはいかない。それにアスティを守る役目がある」
スープを取り上げられ、自ら持っていた干し肉とチーズ、ビーアで食事をとった二人は物足りなさそうに眠る。
イタルも、
「じゃぁ、途中で起きます。少し休ませてください」
と目を閉じた。
その様子を確認し、干したウサギの毛皮を確認する。
「うん、綺麗に毛皮になっている。アスティの小物にいいと思うが……」
アスティには……昔のアスティもあまり顔を合わせなかったが、それなりに世話になっている。
でも今のアスティ……瞬とは、本当に距離が近く……そして、今までには持ったことがない思いが、気持ちが芽生えた。
それが何かはわからないが、それでも……。
ウサギの毛並みを確認し、帽子かマフラーか作れたらと思う。
それよりも……、
「私が……アスティの想い人であったら……と思う。側にいる……その男よりも近く……それでもダメだろうか」
パチパチと焚き火が燃える音とともに、声はかき消えたのだった。




