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きさらぎ駅  作者: 明樂
1/8

出会い

俺の家から学校まで電車で約1時間半。

自転車で駅まで20分。眠い。

今日はたまたま友達と遊んでいて、帰りが遅くなった。

イヤフォンして、アラームかけて寝るとするか。


俺は椅子に座った。

『次は、◯◯、◯◯です。御出口は右側です。』

まだここなのか。俺が降りる駅まであと7駅。


『まもなく◯◯、◯◯です。』

各駅停車の電車乗るのやめようかな。長い。

たまに酔うんだよな、長すぎて。


「あれ、同じ学校の人が居るなんて珍しいね。」

隣の車両から1人の男がやってきた。

制服を見ると同じ高校だった。


「誰だ、お前」


「僕2年C組の上野瑞希(うえのみずき)よろしく!」


「俺2年B組の加藤和泉(かとういずみ)。」


「隣のクラスだったんだね〜。」


「あぁ、そうだな。」


「和泉はどこの駅で降りるの?」

いきなり呼び捨てかよ……と思いつつ返事をする。


「△△駅」


「あ、僕もそこで降りる!」


「お、なら一緒だな。」


「うん!でもあと7駅もあるから寝ようかな〜。

和泉、起こしてね!」

と言って瑞希は俺の肩に寄りかかって寝はじめた。


「俺も眠いんだけど……」

俺も眠りについた。



『次は終点、きさらぎ駅でございます。』



****



「お客様方、こんなところで寝ていたら風邪を引きますよ。」

この声に目が覚めた。


「……ん?」


「ふぁ……和泉起こしてっていったじゃん…」


「あぁ、わりぃ。……って俺ら何でホームで寝てんだ!?」


「ってかここどこ!?」


「あの車掌さん!!」

俺が声をかけた時、車掌の姿は見当たらなかった。


「えっ、い、いない……?!」


「とりあえず駅出てみようぜ。」


「待って和泉!"きさらぎ駅"って書いてあるよ!!」


「……は?どこだよそこ。」


「電車……待ってみる?次の発車時刻書いてないけど…」


「そ、そうだな。下手に動くのも怖いしな。」


「にしてもここ、暗くない?場所調べよ?」

俺と瑞希は携帯を取り出した。


「くそ……電波ねぇじゃん!!」


「聞いて和泉……」


「どうした?」


「僕寝る前携帯見た時17時58分だったんだ。」


「うん。」


「今も17時58分だよ……」

瑞希が俺に携帯の画面を向けてきた。


「本当だ。アラームも鳴ってねぇ。」


「怖いよ……」

瑞希が震えだした。


「やっぱり駅から出てみようぜ。何かわかるかも知れねぇぞ!」


「うん……」

俺は瑞希の手を握り、歩き出した。

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