プロローグ・ダーク
とりあえずプロローグの投稿です!
アニメでいうオープニングムービー的な奴です。
参加してくださった先生方、ありがとうございます!!
ここは幻想郷の数億年後、近代化のさらにその先に辿り着いた幻想郷、幻界郷。そこにある闘技場にて、2人の男が赤と青、二色の特設リングの上に立っていた。
『青コーナー!! 霊王、博麗 霊斗ォォォ!!!』
「「うおおおおおお!!!!」」
『赤コーナー!! 龍神、龍崎 神斗ォォォ!!』
「「うおおおおおお!!!!」」
『レディ……ファイッ』
レフェリーがギャラリーの歓声の中で手を振り下ろすと同時に、奴の剣と、俺の剣が交差する。
バチバチと弾け、空間が割れてなお、剣速は決して衰えない。
最後の一瞬まで、本気で……!
「剣符『聖砲剣・零』ッ!」
「魔符『夢想霊剣ノ二』」
本来遠くから放つ勝利の一撃、エクスカリバー。それを奴は封じ込めることで剣に力を纏わせる物と、俺の夢想封印を纏った龍神王武がぶつかる。
剣はぶつかるたびに光り輝き、そのお互いの異常な攻撃力を物語っている。
「霊斗ォォォォォ!!!」
「龍牙ァァァァァ!!!」
龍牙は武器を捨て、新たな武器を能力で生成する。
破壊の剣。
フランの物とは全く違う、本物の破壊の剣は、その圧倒的破壊力で俺の武器、龍神王武の破壊を試みる。
破壊を具現化したその剣は、武器の破壊とは行かずとも、俺に傷をつけることはできた。
俺もまたもう1つ、龍牙の背後から剣を召喚した。
霊神剣、俺の持つ数多の究極の剣のうちの1つ。
まあ、その頂点に君臨しているのが龍神王武なわけだが、霊神剣は龍神王武や他の剣には見られない性質を持つ。
所持者の霊力を用いて、霊神剣自体が媒体となり、弾幕を生成する。
弾幕を作り出す手間が省ける上、作れる弾幕は非常に強力な物になっている。
霊神剣自体の斬れ味も凄まじく、龍神王武の次に硬く、斬れ味が良い。
龍神王武にはそれ以外にも、龍神の鱗という特殊エフェクトがあるため、龍神王武には様々な面で劣るが……それでも強力な武器であることには変わりない。
霊神剣が召喚され、そこに霊力を込める。
すると、その霊力から一筋の弾幕の塊が射出される。
それは……龍牙の背中の直前で、消滅した。
……なるほど、アイギスをバックシールドとして使用しているのか。
俺はすぐさま霊神剣自体を龍牙に向けて射出する。
龍牙はそれを片手で横から弾くと、雷を纏った黒剣を上から俺に振るう。
俺は見覚えのあるその剣を霊力を纏わせた左手の甲で弾き、流れるように手を振った勢いのまま、右足を龍牙の側頭部に打ち込む。
龍牙は弾き飛ばされるが、そのままバク転の要領で体勢を立て直し、地面に足をつける。
その後一瞬で俺の目の前に現れた龍牙の拳の一撃を回避し、霊力を纏わせた足で思いっきり膝蹴りを決める。
「うぐぅっ!!」
「オラァ!!」
龍牙が怯んだその瞬間、俺は吠えながらスペルを発動する。
「黒虐王『端麗なる嬢・黒の王と化した者』」
俺はその身を、美しき連続殺人鬼、エリザベート・バートリーに変化させる。実験で試作中のスペルだが、今回は人格まで変化させることなく、割と上手くいっているようだ。
俺がこの姿に変化して、作り出すは、聖なる処刑具。鉄の処女。聖マリアを模ったその麗しき鉄の筒は、見る者を彷彿とさせる。
「くっ……! 誰だ……! キサマは……!」
「我が名は博麗 霊斗。ああ、貴様の知っているのとは少し違うがな」
そう言って俺は、アイアン・メイデンに龍牙を閉じ込め、扉を閉める。
その直後、会場一帯に断末魔が響き渡る。
その声に、歓声が沸き上がった。
アイアン・メイデンから滴り落ちる血を指につけ、それを舐めながら、会場内の歓声にその身を投じる。
「……処刑は、まだまだ続くぜ」
どうやら、次の犠牲者が運び込まれたみたいだ──。