さようなら→陰謀
今回は前回が長かったので短めです
そろそろ戦闘回を書きたい今日この頃
「ん? もう夜か。
じゃあな2人とも」
「「あっ」」
2人は残念そうに声を漏らした。
「あの魔導士様!
今晩は王城に宿泊して夜ごはんも食べていってはどうでしょうか⁉︎」
食い気味で聞いてくるエリーナ。
「いや急だし悪いから帰るよ」
「そう……ですか」
「エリーナ、魔導士様にも仕事があるんですから仕方ないですよ」
仕事って言っても、もう隠居するんだけどな。
あっそのこと一応言っておくか。
「俺は今後一切王様からの魔物などの討伐依頼は受けないから、ここへ来る頻度は下がるが月1で来るようにはするから安心? しなよ」
「「えっ⁉︎」」
……今更だけど言わない方が良かったな。
「どうしてですか⁉︎ まさか父様から嫌な思いを受けたのですか⁉︎ それでしたら私達が強く言いますよ!」
「別に王様のせいでもないさ。
理由は前々から俺には向いてないと思ってたからさ」
「……私がこんな穢れた身体だからですか?」
「姉様!」
「違う違う! それは断じて違うぞ!
仕方ないから俺が討伐依頼を受けないようにする本当の理由を教えてやるから泣きそうになるな!」
「「本当の……理由?」」
あっ……まあいいか。
「ああ、本当の理由だ。
俺の仲間達にすら言ってないな」
◇◆◇◆◇
王女'sに俺が隠居する本当の理由。
まあ、俺が戦闘に向いてないのも本当の理由だがな。
それを教えると無理をしないでと結局泣かれたが、もう決めていたことなので2人を無理矢理納得させた。
そしてまだ報酬の金を貰ってないことを思い出し謁見の間に行くと王様だけが中にいた。
「あれ? どうしたんだい?」
「報酬の金を貰い忘れていたので。
……ところでみんなは?」
俺に呆れて帰るべきところへ帰ったのなら、それが一番いい。 全員、無理矢理俺が魔王討伐に連れてきたようなもんだしな。
「騎士は再び国へ仕えるために騎士団に戻ったよ。
今は久しぶりに稽古をしにいってるよ。
ちなみに報酬は仕事復帰。 まあ、報酬にしなくても優秀だから断る気なかったのにね。
転移士の娘も元いた部署に戻るって言ってたよ。
彼女も騎士と同じ報酬を要求してたね。
剣士は武者修行に出るとかいって旅に必要な足を報酬にして、早速どこかへ行ったようだ。
呪術士の娘は私が以前勧めた魔術士学校に行くといって手続きして帰っていったよ」
「そうですか」
「はい、これ報酬金」
パシッ……
王様はパンパンに何かが詰まった麻袋を投げつけた。
「ありがとうございます」
「本当にもう依頼を受ける気は無いんだね? 」
「はい」
「そうか……残念だよ」
「では失礼します」
◇◆◇◆◇
「はい。 はい。
その通りです。 奴が国を離れました」
薄暗い苔の生えた小さな部屋で男の声が木霊する。
頭がイカれてしまっているのか1人なのに誰かと話してるようだ。
「はい、奴の動向は常に見張らせております。
安心してください。 もし隠居が嘘でも今の弱体化した状態なら私1人で事足ります。
えっ殺してはいけない?
申し訳ございません私は早とちりしてしまいました。
……では早速、私の部下を向かわせます。
はははっ大丈夫ですよ。
あの魔道士は常に部下に守らせますよ。
我らが主様」
感想、レビューなどお待ちしております!
主人公に新たな仲間の予感!?
次話は戦闘シーンがあるかも!