あいつ
もう、3年前のこと、軽はずみな言動で別れた。
まだ気はあったのにその場をやりきるために言った言葉
「別にアイツなんてどうでもイイんさぁ。なんなら、オレが嫌いだっていう事をアイツに言ってきてもイイよ!」
と友達に言い、実行したために、別れた。
最低の事を俺はした、そのあともメールは100通ぐらいきた、
ゴメンね
もう、他の人にいわないから、前だ...
ねぇ、返事返して、よくわかんない、わかんない、全然わかんない、何がいけないのか理...
電話にも出てくれないんだ、何がいけないか教えて、一つでもいいから、教えてお願い。
と、似たメールがいつもきた。メールがくるのが嫌だった、逃げたかった。けど、メルアドは変えなかった、迷ってた、分からなかった。
まだ付き合っていた時、色んなことが新鮮に感じ、出かけた時は他人の目を気にし、少しはずかしかった。
夏になると、ふと思い出すことがある、緊張していた夜を。
夏は夜に打ち上がる花火を見に二人だけで行き、見ている最中に手を繋ごうと思っていたのに手が当たるだけで、
「ゴメン」
と言うだけで、すぐに手をひっこめてしまう、心を決め頑張るが、触れただけで意図も簡単にその意志は折れてしまう、本当は手を繋ぎながら見たかった、できればキスだってしたかった、だが、なんもしなかった。できなかった。けれど、夜に一緒にいるだけで大人になった気分になり面白く、緊張した。季節に関わらず遊ぶといったらいつもアイツん家だった、やることもいつも同じ、カルピス飲んで話しして、場の雰囲気が悪くなると、アイツの妹が重たい空気を明るく居やすい雰囲気と変えてくれた。
楽しかった、帰りたくもなかった。
でも、別れた
間違えた
冬になると思い出す、初めて長い時間、手に触れた日のことを
キミは少し雪が降ってきただけで喜び、はしゃぎ回り、積もったとなると、その手で雪を感じ、雪を初めて触った人のようだった
見ていて飽きなかった。
その時だよ、
「あ〜〜手がぁ〜痛い」
そう聞いたから、だからオレは手を握り温めたんだよ、キミはわかんないだろうけど、手を握りたかったんだ、守りたかった。手だけでない、キミも
でも、オレは弱くだめだったね。本当に間違えた。
冬も夏も必ず遊んだあとはあの公園に行った。あの公園にあった木で造られた大きい船のジャングルジムはもうないよ。知ってた?
その近くにあった、ブランコみたいなので遊び、キミは調子に乗って頭打ったよね、次の日タンコブできてたけど、ぶつけた瞬間に頭撫でてあげたけど意味なかった?
今になって聞きたい色んな話しをしたい、でも、遅すぎだ、というより、それは自己中心的だとわかった。
あの時はダメだったんだ、みんなが付き合ってる事気付いたから、嬉しかったけど、恥ずかしかった、だから言ったんだ、本当はその場を逃れるだめに言って、後で嘘だったって言って、また、楽しく話したり、あそんだり、緊張したりする日をいつまでも繰り返したかった。でも、自分の言ったことがあまりにも酷い事だと気付き、そして、なにより、キミに1番言われたくなかった言葉を言っちゃったから謝りづらくなったんだ。
これが理由なんだ、でも、もう気はない、だから、やっと言えるようになった、あったらいうすべての事を今度は簡単に折れない意志で、だから、また、俺の前に姿をみして、そして、おもいっきり殴って。殴ってください。二度と同じことを繰り返さないために。