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玉砕戦2691  作者: 小池すんた
第二章~剣士涼~
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第十一話

やっと第二章突入…

「あの青年志願兵半端じゃないな。機械で剣士壱級とか出たって聞いたが、参段くらいじゃないか?」

横の男は、双眼鏡をしきりに動かしながら言った。

「弐級のアンタに分かるもんか。どれ、見せろ」

横の男のさらに横にいた男が双眼鏡を覗く。

「六段以上は師範の資格が手に入るんだ。七段の俺なら判る」

しばらくその男は双眼鏡を覗いたままだったが、やがて眼を放しつぶやいた。

「あいつ… 五段レベルだ」

「えっ?」

私が出せた言葉はそれだけだった。八段であってもこの反応。なぜならその五段レベルの奴は、青年志願兵だからだ。その上、スキルの組み合わせも剣士にばっちりだ。成長が怖い。

「彼の名前は何と?」

私は七段の男に尋ねた。

「知らないんですか?宰相閣下?今この軍で最も話題の、真田涼です」

「真田涼か… 覚えておこう」

私たちを乗せた要人飛行車はこの後も彼を追い続けた。


「すごいよ!最高記録だよ!最高記録!」

画面の中の少女はとっても嬉しそうだが、食糧接種後の俺は軽度の罪悪感を抱えていた。無理もないだろう。実際の戦闘だとしたら、250人近くを殺したことになる。

「ハ隊再出撃!」

隊長から合図が入る。俺たちはまた人殺しに走るのだった。

そして夜が来て、塹壕に戻ると、陣地の方から伝達が入った。

「上官が、“真田は至急俺のテントに来い”だそうです」

俺は「では」とだけ言って上官のテントに向かった。

上官は重く切り出した。

「真田、宰相閣下と陸軍大将閣下から伝言だ」

「なんですか?」

「“至急東京の『武剛館』に行って剣術の達人、蘇我黒燕剣聖に剣術を教わってこい”だそうだ」

「は、はい」

「これ。紹介状だ。さあ行って来い」

「行ってきます」

テントを出ようとしたその時。

「ああ、荷物は刀以外宿舎において行けよぅ」

という声がした。


東京までは上官の手配したタクシー(飛行車。車体が地面から50㎝ほど浮いている)に乗った。

さて、宿舎についた。

「30分ほど待っててください」

「あいよ。分かってるさ」

行くときはなかった大荷物(装備品類)を置いて持っている物は財布と刀だけとなった。

「じゃ、お願いします」

「あいよ。分かってるさ」

軍人なのかなんなのか解らなくなってきた。

剣術道場である武剛館は葛飾にあった。とてもこぢんまりとした建物だった。

「料金は上官が会社の口座に入れるということです」

「あいよ。分かってるさ」

早速ドアを叩いてみる。

「どなたでしょうか?」

中からドアを開けたのは、15歳くらいの少女だった。

「えーと、都宮軍の者なんですが」

「あ、電話で聞いています。呼んで来ますね」

少女はドアの横の階段の上を見上げ「おじいちゃーん!例の軍人さーん!」と叫んだ。

「おお、やっと来たか。待ち遠しかった」

そして俺を見て言った。

「君か。真田涼君だったね?」

「はい。紹介状を持たされて来ました」

そして俺の目を3秒ほど見て言い放った。

「間違いない。世紀末最強軍人となる者の目をしている」


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