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「あのね、私達隠してた事があるの。本当は雷雨の事知ってたの! ごめんね」
手を合わせて謝る仕草をしながら風羽花が隠していた事を打ち明けてくれた。
「えっ……そうなん?!」
一瞬思考が停止した。
「わたしも黙ってて、ごめんなさい。1年ほど前に2人の女の子をナンパから助けた事覚えて……ない?」
雪祈音が頭を下げ謝ったあとに、不安そうな顔で聞いてきた。
「1年前……あぁぁ! 3人の男に絡まれてた女の子は2人だったのか!?」
雪祈音の言葉に1年ほど前の記憶を呼び戻すと、確かにナンパから助けたというか、鬱憤を晴らすついでだったんだがな。だから後ろ姿しか見てなかったから分からなかった。
「私達お礼したくて、助けてもらった場所の周辺を探してみたりしたんだけど見つからなくて、諦めてたんだ。でも、半年ほど前にたまたまその話を霧亜にする事になって、その時に雷雨の事を教えてもらったんだ!」
「そうだったのか。霧亜と友達だったんだな。でも霧亜は俺に何も言ってきてないけどなー?」
俺霧亜から何も聞いてないけど?
「霧亜と私達は高2から一緒のクラスになって友達だよ。で、春休みに旅行に行くからサプライズで登場しようって霧ちゃんが提案してくれて、わたし達もその案に乗っかったんだ。それとナンパから助けてくれてありがとう」
「旅行先に着いたら霧亜が紹介してくれる予定だったんだ。助けてくれてありがと!」
「鬱憤を晴らすついでだったし、気にしないでくれ。でも、わざわざお礼をしようと探してくれてありがとう!」
わざわざ探してくれた事が素直に嬉しいし、律儀だな。心優しい女の子達だ。
「もう1つ伝えたい事があるの!」
「うん?」
「私は」
「わたしは」
「雷雨の事が好き、付き合って欲しい!」
「雷くんの事が好き、付き合ってください」
「?……………………えっ? ええぇぇぇ?! まじで?!」
最初何を言われたのか全く理解出来なかった。言葉の意味を理解出来た時、生きてきた中で1番吃驚した! 本当にこんなに優しくて可愛くておっぱいデカい娘達が俺の事好きなのか?! てか、1人を選ぶとか地獄なんだけど!?
「うん! 最初はお礼がしたかっただけなんだけど、霧亜から確認の為に雷雨の写真を何枚か貰ってから、毎日見るようになったんだ。それから雪祈音と雷雨の話をしてる間に思いが募っていって、いつの間にか好きになってたんだ!」
「わたし達2人とも雷くんの事が好きになって、わたしは諦めようと思ってたんだ。でも、ふうちゃんが察してくれて、どうしようか2人で思い悩んでたんだ。2人じゃどうしもうなくなって霧ちゃんに相談する事にしたんだ。そしたらね『二人一緒に彼女になればいいんだよ』って言ってくれて、ふうちゃんとそうだねってなって、もし雷くんがよければわたし達2人を彼女にして欲しい」
2人は顔を真っ赤にしながらも、想いを伝えてくれた。
「2人の気持ちは嬉しい、ありがとう。けど……ちょ、泣くな。まだ何も言ってないだろ」
「けど」と言った時に振られると思ったのだろう。目に涙が溜まり暗い雰囲気を感じ、俺が慌てて言うと2人は「ごめんなさい」と言い、とりあえず泣き止んだ。
「霧亜が仲良くしてて紹介しようとしたし、俺も数時間だが2人の性格の良さも分かったから付き合いたいと思っている。が、2人を彼女にする覚悟がまだ決まりきっていない。優柔不断な返事で悪いが少しだけ待って貰っていいか? あと俺は口も悪いし、おっぱいが大好きな変態だ。キャンセルするなら今のうちだぞ?」
ハーレムは好きで羨ましいと思ってはいたが、実際の立場になると覚悟が決まらないものだな。
「雷雨が口悪いって事も、おっぱい大好きな事も知ってたよ! 霧亜が教えてくれたしね! 私達と付き合ったら、このおっぱいも自由だよ?」
風羽花が自分の爆乳を持ち上げながら、にひひと笑い挑発してきた。くそがっ!! 目が離せねぇ!!
「わたしも知ってたよ。霧ちゃんが雷くんは大きいおっぱいに目がないへって教えてくれたんだ。勘違いしてたら嫌だから伝えたいんだけど、わたし達は雷くんだから胸を触られたり見られたりしてもいいんだからね」
聞き捨てならない事が聞こえてしまった。あの霧亜は何を教えてやがる。会った時文句言ってやる。
雪祈音は自分の爆乳を抱きしめながら、頬を赤くして伝えてきた。くそっ!! こっちもこっちで目が離せねぇ!! 視界を広げておいて良かった! 2人のおっぱいを同時にガン見できる!
「2人の気持ちは分かったよ。俺も真剣に考えて答えを出すから少しだけ待ってくれ。それとは別に聞きたい事があるんだけど、風羽花はIカップで雪祈音はKカップで合ってるか?」
俺が変態なのはバレてる事だし、遠慮なく聞いてみた。
「えっ?! なんで分かったの?!」
風羽花が驚きながら肯定した横で雪祈音が顔を真っ赤にしていた。俺の乳センサー改に狂いはなかった!
「おっぱいが大好きだからな!」
「あっなるほど!」
風羽花が手をポンっと叩きながら納得した。納得するんかい!
「じゃあ、俺は今から瞑想とストレッチするけど2人はどうする? 疲れただろうし先に寝とくか?」
「瞑想って何するの?」
風羽花が顔を横に倒しながら聞いてきた。
「魔力を自由に巡らせる練習をするんだ」
「魔力を巡らせる事が出来たの? わたし達はまだ試せてないの」
雪祈音が少し驚きながらも、目を輝かせて聞いてきた。
雪祈音も風羽花も漫画やなろうをよく見るって言ってたし、憧れてたのかな?
「一緒にやってみるか?」
「うん、したい!」
「いいの?」
2人に気軽に聞いてみたが、目をキラキラさせながら前のめりになり、思った以上の反応が返ってきた。気持ちは分かる、魔力を巡らせるってやってみたい事だよな。
「うん、いいぞ。俺が最初にしたのは魔力を感じ取る事だ。胸の真ん中辺りで1番魔力を強く感じ取る事が出来たから、たぶん心臓が魔力の核になってるんだと思う。んで、魔力を感じ取る事が出来たら巡らせる練習をするって感じだな。まぁとりあえず1時間ほどやってみようか」
「うん!」
「うん」
2人にもマットを購入して渡すと、嬉しそうに受け取ってくれた。俺のマットの色は緑で、雪祈音が青色、風羽花が黄色だ。
坐禅を組むと2人も真似して坐禅を組み瞑想を始めた。
1時間ほど瞑想をして目を開けると、2人はまだ瞑想を続けていた。終わる事を伝え、少し休憩をしたあと3人でストレッチをしたのたが……おっぱいは揺れるし形がスライムみたいに変わるしで大変眼福でした!! 2人とも思っていた以上に身体が柔らかかったから聞くと、ここに来るまでは毎晩ストレッチをしてたみたいだ。
汗で身体や服などが汚れたので、【天光の浄化】にした。
「瞑想してみてどうだった?」
「私はちょっとだけ巡らせる感覚が掴めたかな!」
「わたしは細かくはまだ無理だけど、巡らせる事は出来たよ」
「2人共凄いな! 1日で巡らせる所まで出来るなんて、俺には無理だったぞ!」
「そんな事ないよ。雷くん教えてくれたからだよ」
「そうだよ! 雷雨が教えてくれなかったらスムーズに進まなかったよ!」
「そうか、役に立って良かったよ」
2人は真っ直ぐに伝えてくれるから、照れてしまうな。
「それじゃあ、寝に行こうか」
マイハウスの方を指差しながら言うと2人共頬を染めながら頷いてくれた。俺も別々には寝るが同じ部屋という事に内心ドキドキはしている。
中に入るまでの距離は数秒なのに長く感じた。
「俺が使ってた布団で悪いが2人はマットレスで寝てくれ」
流石に一緒に寝る訳にはいかないからな。
「雷雨はどこで寝るの?」
「俺はこれで寝る」
コットを見せながら伝えた。
「だ、だめだよ。一緒の布団で寝よ?」
雪祈音が誘惑してきた。俺との身長差があるから自然と上目遣いになる。やべぇ可愛い。
「いや……いやいやいやいや! 嬉しいがそれはダメだ」
雪祈音が天使のような悪魔のような提案をしてきて、脳が一瞬フリーズした。そんな事したら、抑え込める自信がねぇよ!
「雷雨の布団なんだから、一緒に寝ないと!」
風羽花のムスッとした表情も可愛いなぁ。
「うーん…………」
本音で言えば一緒に寝たい。けど、聖剣を抑える自信がなぁー。
「雷くん……わたしまださっきの事が怖いの。だから一緒に寝て欲しい」
上目遣いでそれは断れねぇよ。
「……わかったよ。でもな、正直どうなるか分からんぞ。それでもいいのか?」
俺は最後の警告として、襲うかもしれないぞと含ませながら伝えると、2人は頬を赤らめながらも「いいよ」と言ってきた。これは俺の負けだな。付き合うまで襲う事だけは絶対しないがな。
「そうだ。パジャマは持っているのか?」
「うん! パジャマはもう買ってるんだ!」
「雷くんの分も買ってるんだ。サイズは霧ちゃんが教えてくれてたし、デザインはふうちゃんと一緒に選んだから安心してね」
風羽花と雪祈音が嬉しそうな顔をしていたのがめっちゃ可愛いかった。雪祈音が【実用の投映】からパジャマを取り出し渡してくれた。それに2人が選んでプレゼントしてくれたのが何よりも嬉しい。
「ありがとう! じゃあ俺は外に出て着替えるから終わったら声をかけてくれ」
そう言い外に出て、買ってくれたパジャマを見てみると上は緑色の半袖で胸の所に黒猫がワンポイントで付いていて、下は黒色の半ズボンだった。シンプルで気に入った。
着替えが終わりドキドキしながら待っていると、扉の向こうから「もういいよー!」と風羽花から声がかかった。中に入ると2人はお揃いのパジャマを来ていた。下は一緒で上は色違いで雪祈音が青色、風羽花が黄色だった。
「2人共似合ってて可愛い」
思った事を正直に伝えた。
「にひひ、嬉しい! 雷雨も似合っててカッコイイよ!」
「本当に? 良かったぁ。雷くんも似合っててカッコイイ」
2人の照れた表情は最高だし、カッコイイと言ってもらえるのは嬉しいな。
「ありがとう! お揃いは少し照れるが、嬉しいもんだな」
思っている事を伝えたえると、2人も「照れるね」と言いながら頬の赤さが増していた。
そんな2人が可愛くて仕方がない!
「じゃあ寝ようか。俺が真ん中でいいんだよな?」
「うん!」
「うん」
2人は恥ずかしそうにしながらも、覚悟を決めた眼をしながら返事をした。
俺が真ん中に横になると、右側に雪祈音、左側に風羽花が来た。そのまま寝るのかと思いきや――2人は俺の腕に抱きついてきたのだ。俺の両腕に脳を蕩け狂わすほどの柔らかさに包まれている! 感触的にナイトブラをしてるのだろう。今、悪魔がどんな契約を持ってきても即決してしまいそうだ。これはまさに――狂柔だ! 爆乳だけど狂柔、合わせて爆狂柔? いや、俺にとって2人のおっぱいは極上だ。だから極乳だな。ダメだ、あほな事しか考えられないし、俺の聖剣が完全にヤる気だ! さすがにこれはヤバいと思い、2人に言おうと思った。が、両耳に寝息が聞こえてきた。まぁ仕方ないか。気が抜けなくてちゃんと寝れなかったんだろうな。さっきは殺されそうになって怖い思いもしたしな。薄暗い中だったので明確には見えなかったが、2人は安心したような寝顔をしていた。俺が必ず守り抜いてやる! と、2人の寝顔を見て覚悟を決める事が出来た。それに、こんなに可愛くておっぱいデカくて性格良い女を他の男に渡したくないし、触れさせたくもない。自分の独占欲がこんなに強いとはな。明日返事しよう。
おやすみ…………って寝れるかぁー!! この生殺し状態でどうやって寝ろと?! 聖剣がヤる気まんまんだし、男子高校生の性欲をなめるなよぉぉぉぉぉぉ………………。