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「着いたぞ。ここが俺の拠点だ」
拠点に戻るまで魔物に会うことはなかった。
「ふへー、こんな高い所によく作れたね!」
「うん、凄いね。でもどうやって登るの?」
風羽花は上の方を見ながら言い、雪祈音は登るためのものがないのに気づき聞いてきた。
「魔法【想造の製作】で作ったからな、簡単だったぞ。登り方は……この鉤縄を引っ掛けて登るんだけど、行けそうか?」
【実用の投映】から鉤縄を出しながら2人に確認した。
「やってみないとわかんないかな?」
「わたしは無理かな、ごめんなさい」
風羽花は顎に手を置き、首を傾げながら答え、雪祈音は沈んだ表情をしながら謝ってきた。
「出来ない事は仕方がねぇよ。気にするな。うーん……嫌なら他の方法を考えるが、俺が抱き上げて登ろうか?」
【想創の製作】を使えば梯子は作れるけど、正直下心の方が勝ってしまった。まぁ断られたら諦めて梯子を作るか。
「えぇー、じゃあ私も抱き上げてもらいたい!」
「わたしも、抱き上げて……ほしい」
風羽花は頬を膨らませながら抗議し、雪祈音は顔を真っ赤にして顔を伏せながらお願いしてきた。
「おう、いいよ。1人づつ行ってしまうと残してしまうから、二人一緒でいいか?」
よっしゃあぁぁー! 今日は最高の日だ!
2人は怖い思いをしたから喜ぶのは不謹慎だろうけど、喜ばずにはいられない! まぁ残念ながら防具を付けてるからおっぱいを堪能出来ないがな。
怖い思いをしたばかりだし、1人残して上に登るのは気が引けたから、二人一緒でいいか提案してみた。
「うん、いいよ! けど、二人一緒って大丈夫? 重くない?」
「その方が嬉しいけど、私重いよ? 雷くんの負担大きくならない?」
心配した表情をしながら、風羽花も雪祈音も聞いてきた。
「全然大丈夫、鍛えてるしな。それに二人を同時に抱き上げられるんだ、やる気が出て仕方ねぇよ」
ストレートに嬉しさと下心を笑いながら伝えた。
「あははっ、よろしく!」
「お願いします」
「わかった。準備するな」
鉤縄を木のバーに引っ掛けた。
汗の匂いが気になったから【天光の浄化】を自分に使うついでに、2人にも使おうかと聞くと「うん」と返答したから、2人にも発動した。
「よしっ、登るか! 2人とも俺の太ももに跨ってから首に手を回して落ちないようにしてくれ」
ロープを持ち、木に足をかけた状態で呼んだ。
「分かった! よろしくね!」
「うん、よろしくお願いします」
照れた表情をしながら、風羽花は左太もも、雪祈音は右太ももに跨り首に手を回してきた。
「怖いと思うが我慢してくれ。じゃあ登るぞ」
出来る限り揺らさないように気をつけながら登り始めた。てか、顔近いし、いい匂いするし、腕に防具越しだからおっぱいが硬いのは残念だが、太ももに乗る尻は柔らかい。生きてきた中で1番幸せだわ。まぁ死んだけども。俺の魔剣よ、鞘から出てくるなよ!
「大丈夫だよ!」
「怖くないよ、安心する」
2人は頬が赤くなり恥ずかしそうにしていたが、安心した表情もしてくれていた。この調子で頑張って登ろう。
俺と顔が近くても嫌という感じはしなかったので良かった。とりあえず、無心になって登ろう。たまに2人から色っぽい声が聞こえるが、気の所為だ気の所為……。
「着いたぞ。2人とも慌てずに降りてくれ」
なんとか魔剣を鞘から8割ほど抜くだけで我慢できた。えっ? 8割はアウト? バーロー! 柔らかい尻、エロい声を鞘から抜ききらずに抑えたんだぞ! 俺よ頑張ったんだ、偉いぞ。
「ありがと!」
「ありがとう」
声を揃えて感謝してくれた。頑張って良かった。まぁ下心あったから何とも言えないが。
「日も暮れてきたし、夕飯作るから手伝ってくれるか?」
「今日は私達で作らせて! 雷雨はゆっくり休んでて!」
「わたし達を助けてくれたし、それに一緒に居させてくれて、ここまで運んで登ってくれたから、出来ることはしたいの」
2人とも譲る気が無さそうだったので、申し出に甘える事にした。
「分かった。お言葉に甘えるよ」
正直女の子の手料理は……あるにはあるが、ノーカンだ。だから初めてだ。
手料理楽しみだな。
「食べたいものとかある?」
「うーん、そうだな。肉系のものが食べたいな」
雪祈音が聞いてくれたので、大雑把だが食べたいものを答えた。
「分かった。頑張って作るね」
雪祈音はやる気に満ちた目をしていた。
「雪祈音、切るのは任せてね!」
うん? もしかしたら風羽花は料理が苦手なのかな?
「ここって防具脱いでも大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だぞ。4日目から居るが敵に何もされた事ないしな」
雪祈音が少し不安そうに聞いてきたので、安心させるように笑顔で答えると、2人は「初めて脱げるね」と言った後に防具を【実用の投映】に収納した、その瞬間――おっぱいがぶるんっと弾んだ!! ぷるん、じゃないんだ。ぶるんだ! ぶるん! こんなおっぱい初めて見た! 落ち着け、落ち着くんだ。深呼吸するんだ。スーハースーハー……よし、落ち着いた。
改めて2人を見ると――天使が居た。可愛いとは思ってたが想像以上に可愛い。
雪祈音の髪は胸にかかるほど長く、インナーカラーを青色にしていて、風羽花の髪は肩にかからないぐらいの長さで、インナーカラーを黄色にしていた。インナーカラーっていいよな。
身長は雪祈音が肩ほどで、風羽花が顎ほどの高さだ。
雪祈音と風羽花の印象は真逆で月と太陽のようだった。話し方からも分かるが、雪祈音は内気で風羽花は活発だ。肌の色も雪祈音は心配になるほどに白く、風羽花は健康的な小麦色だ。2人とも凄く可愛くて俺の心を明かるく灯してくれるから月と太陽なんだ。
2人のおっぱいを防具なしで見ると、想像以上の大きさだった。スイカ入ってるの!? って感じだし、少し動くだけで揺れるほどだ。目を離そうとするが離せない!
俺の乳センサー改によると、雪祈音はKカップで風羽花がIカップだ。さらに、さらにだ、雪祈音も風羽花も俺の好みのムチムチ体型だ。
「そんなに見られると、さすがに少し恥ずかしいかな!」
「うん、恥ずかしいけど雷くんならいいよ」
2人とも少し照れた様子だったが、おっぱいを隠す仕草はしなかった。それよりもびっくりしたのが、内気だと思ってた雪祈音が「いいよ」と言ってくれたのだ!
「えっ? ガン見してたけど本当にいいのか?!」
つい確認してしまった!
「わたしので良かったらいいよ」
「私もいいよー!」
「ありがとう! 眼福で心が癒される」
俺がそういうと2人は笑ってくれた。
「じゃあ雪祈音と作るから、雷雨はゆっくりしててね!」
「ふうちゃん、よろしくね。出来るまで待っててね」
「ありがとう」
2人が料理を作ってくれてる間に、日課の筋トレをして時間を潰した。筋トレが終わり汗を【天光の浄化】にして、ひと休みしてると料理が出来たことを教えてくれたので、2人の元に移動した。
「生姜焼きとポテトサラダを雪祈音が作ってくれたよ!」
「ふうちゃんは材料を綺麗に切ったりしてくれたんだよ」
風羽花が自慢気に言い、雪祈音がフォローをしていた。
「風羽花は料理が苦手なのか?」
さっき疑問に思った事を聞いてみた。
「そうなんだよねー! 切ったりするのは大丈夫なんだけど、味付けがどう頑張っても変になっちゃうんだよね!」
風羽花が笑いながら答えてくれた。
「そうなのか。まぁ人それぞれ得意不得意あるからな。不得意な事がない奴なんて居ねぇしな。風羽花も雪祈音も出来ない事があっても気にするなよ。俺も気にしねぇし」
俺は笑いながら持論を展開した。
「あははっ、ありがと!」
「ふふっ、ありがとう」
2人の笑顔が可愛すぎてやべぇ。
「じゃあ、冷める前に食べようか。美味しそうだな。2人ともありがとう!」
生姜焼きを沢山作ってくれていて、ポテトサラダは玉ねぎ、ツナ、枝豆を混ぜ込んで、その上にかつお節を振りかけていた。
2人は俺の分の茶碗、箸、コップを用意してくれていた。茶碗は違うが箸とコップはお揃いで。
「せっかくだし、お揃いにしてみたよ!」
「お揃いが嫌だったら、言ってね」
風羽花が笑顔で嬉しそうにしていたが、雪祈音は不安そうに言ってきた。
「めっちゃ嬉しい! ありがとう!」
俺はストレートに思った事を2人に笑顔で伝えた。
「それじゃあ、手を合わせていただきます!」
「いただきます」
「いただきます」
風羽花が手を合わせたあと、俺と雪祈音も手を合わせ食べ始めた。女の子に手料理を作ってもらったの初めてで嬉しいし、味も美味くてご飯がめっちゃ進んだ。
「ごちそうさまでした」
3人で声を揃えて手を合わせた。
「2人とも美味しかったよ。ありがとう」
「お粗末さまでした」
2人が笑顔で答えてくれ、片付けもしてくれた。
「雷雨、伝えたい事があるんだけど聞いてくれる?」
「ごめんね、黙ってた事があったの」
片付けが終わったあと、2人が凄く真剣な目をして伝えてきたので「分かった」と返事をした。