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「次は俺がオークを倒すから、アックスオークは2人に任せる」
探索再開してほどなく、2体目のアックスオークを見つけることができた。周りにオークが7体居た。
「任せてよ!」
「がんばる」
「行くぞ」
さっさとオークを始末するか。
3人で駆け出した。雪祈音と風羽花を置いていく勢いで走り出し、オークに突っ込んだ。
丸太攻撃を避けトンっとジャンプし真ん中に居た1体目のオークの首を〈死獄〉と〈生天〉で挟むように斬り裂き、振り切る途中に左右で2体づつ、オークの頭が重なるように狙い【磁場の雷砲】で撃ち抜いた。
着地すると同時に6体目のオークに突っ込み、丸太攻撃避け、先程より高めにジャンプしてオークの肩に足を乗せ〈死獄〉と〈生天〉を目に思いっきり突き刺し引き抜くと同時にバク宙して後ろを振り向き、俺に向かって走ってくるオークの両目に弾丸をぶち込み始末した。
雪祈音と風羽花が追いつくまでに、オークを殲滅できたので満足だが、少し引いたような顔をされたのはショックだ。
アックスオークと2人の戦いは一瞬で終わった。
前回の俺を参考にしたのだろう。風羽花が【風刀の魔纏】を発動し、アックスオークの斧と盾を真っ二つにし、アックスオークが驚いて隙をみせた一瞬をついて【氷結の狙撃】で頭をぶち抜いて倒した。
「一瞬で倒したな」
「いやいやいやいや、雷雨の方がヤバかったからね! なんなのあの曲芸!」
「うんうん。数秒でオーク7体倒したのビックリしたよ」
「なんとなく2人が追いつくまでに殲滅してやろうと思って、やっただけなんだよ」
「なにそのやったらできちゃったって軽い感じ?! さっきの危ない遊びよりびっくりしちゃったよ!」
「うん、悪気はないんだけど少し引いちゃったよ」
「だろうな。引いた顔してたの見て、少しショックだったわ」
「ごめん!」
「ご、ごめんね」
少し俯て言うと、風羽花と雪祈音が慌てて謝ってきた。意地悪し過ぎたか。
「嘘だよ、ごめんごめん。引かれたから少し意地悪しただけだよ」
笑いながら言うとほっとした顔をしていた。
「びっくりさせないでよ!」
「嫌われたかと思ったよぉ」
「悪かったよ。あとで俺にできることでお願い聞いてやるから」
「ほんと!」
「本当?」
「本当だよ」
風羽花と雪祈音が「やったー」と喜びながら、ハイタッチしていた。極乳がぷるんとだけ揺れた。
アックスオーク探しを再開した。
雪祈音と風羽花は機嫌がすごく良く歩いていた。
何をお願いされるのだろうな。まぁこれだけ嬉しそうにしてるしいいか。
そうこうしているうちに次のアックスオークを見つけた。2体のアックスオークと10体のオークが一緒に居た。
楽々と倒すことができたが、魔力を2、3割ほど消費したから昼休憩がてら【亜空の住居】に戻った。
昼からも順調にアックスオークを倒すことができ、クエストを次の日の昼前には終わらせることができた。
昼から探索を再開していると、ホーンベアに似た気配を感じ取れた。
「ホーンベアに似た気配があるな。もしかしてアルマベアか?」
「そうだと思うよ! これだけ気配が似てるなら同じベア系だろうしね!」
「そんなに似てるんだ?」
「めっちゃ似てるよ。強さも同等ぐらいかな」
「アルマベアがどんな魔物なのか気になるね!」
「そうだな。気配がある方に向かうか」
アルマベアと思わしき気配の方に進んで行くと、初めて見るシルエットの魔物が見えた。
そのまま気配をできるだけ潜めながら近づいていくと、くっきりと新しい魔物の姿を視界に捉えた。
新しい魔物――アルマベアは体長が3メートルほどで、見た目はクマとアルマジロが合わさったようだった。鎧を着たクマってのがしっくりくる感じだ。正面以外は硬そうだ。どれほどの防御力なのだろうか? 気になるな。
「怪我はしないようにするから、少し遊んでいいか?」
「そんなウキウキした顔で頼まないでよー! 断れないじゃん! 怪我しないでよ!」
「うんうん。遊んで怪我するのだけは駄目だよ。気をつけてね」
「わかった! 怪我はしない! 行ってくる!」
「行ってらっしゃーい!」
「行ってらっしゃい」
風羽花と雪祈音の許可をもらい、ウキウキしながら駆け出した。
アルマベアも俺に気づき4足で走ってきた。激突するあと少しのところで、アルマベアが身体を丸め転がってきた。走っている時より少し速くなり、避けるのがワンテンポ遅れたが何とか当たらずに済んだ。
「うおっ、まるまるんかい!」
転がって行ったアルマベアは少し通り過ぎてから止まり俺に向き直した。
「クルルルゥゥ」
走り出そうとしたので〈死獄〉と〈生天〉を向けた時、アルマベアは丸まった。硬さも気になるから歩きながら速射して撃ちまくったが、一切傷がつかず弾かれるだけだ。
次は斬りつけまくったが、これも一切傷つかない。逆に〈死獄〉と〈生天〉が刃こぼれしてしまった。【極限の構築】。
少し距離を取り【磁場の雷砲】を撃とうとした時、アルマベアの身体が魔力を纏い始めた。
纏っている量と変わらないほどの【磁場の雷砲】を撃つが、また傷がつかなかった。だが、纏っていた魔力は散っていた。それにしてもどれだけ硬いんだよ。
アルマベアがまた魔法を使ったから、倍の魔力量を込めて撃つと、纏っていた魔力を貫通させて弾丸を食い込ませ大きい傷を与えた。
今まで貫通させる相手が居なかったんだろう。「クルゥゥゥウウ」と痛がる声を出しながら、丸まっていた体勢から起き上がってしまった。俺はその一瞬の隙を逃さずにアルマベアの頭を狙って【磁場の雷砲】を撃った。アルマベアは後ろに倒れて絶命した。魔力を4割ほど消費してしまった。ある意味1番簡単で1番大変だな。
「凄い硬そうだったね!」
「うん。雷くんの【磁場の雷砲】を1番持ちこたえたんじゃないかな」
「そうだな。防御系の魔法を使っていたが、あれだけ傷をつかずに持ちこたえたのはアルマベアだけだな。あいつは硬い。ベストはまるまる前に倒すことだな。まるまっても倒せるが魔力の消費がヤバいな。検証しないと分からないが、痛み耐性は低いかもな」
「それはめんどくさいね! 次、私もわざとまるまってもらって痛みに弱いか試してみるよ!」
「わたしの時も試してみるよ」
「おう、頼む。じゃあアルマベアを探しに行こうか」
「うん!」
「うん」
痛み耐性があるのか、ないのか、検証する事にしアルマベアを探すため歩き始めた。




