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 遠征に出てから1日が経った。

 やっと【六感の覚醒(シックス・センス)】の反応が濃くなり始めた。


「今回も最初に見つけた新しいクエストの魔物からやっていこうか」


「おっけー! どんな魔物から見つかるかな? ホーンベアでもいいよ! 強くなった私を見せてあげるよ!」

 風羽花は両手を胸の前に構え、ふんすっとやる気をみせた。


「うん、了解。でも今回のオーク……アックスオークとドンキオークにはパンツを履いといて欲しいね」

 雪祈音は嫌な顔をしながら願っていた。


「そうだな。パンツ履いてたら一緒に戦えるしな」

 オークの汚物を思い出した。雪祈音と風羽花には絶対見せられない。アックスオークとドンキオークが汚物を丸出しなら俺が一人で戦うと心で誓った。


「よしっ、行くか」


「うん!」

「うん」

 俺たちは【亜空の住居(アナザー・ホーム)】から出て、探索を開始した。


 【六感の覚醒(シックス・センス)】の反応が強い方に歩き続けた。

 拠点に戻る時間を考える必要がなくなったから、すごく楽になった。


 反応が強い方に歩き続けて20分ほどした時、新しいクエストの魔物が視界に入った。

 それは懐かしい気配の持ち主――ホーンベアだった。

 まぁ視界に入る前から分かっていたんだがな。

 風羽花なんかホーンベアの気配を感じ取った時、リベンジできるって喜んでたしな。


「俺がヘイトを稼いでタゲを取るから、そのあとは好きに攻撃しろ。試したい技はどんどん使えよ。雪祈音と風羽花に攻撃が向かないようにするから」


「おっけー! 任せるね、よろしく!」

 

「うん、分かった。怪我したら治すから任せてね」


「おう!」

 返事とともにホーンベアに突っ込んだ。

 突っ込んだ時には気づかれていて、ホーンベアは俺の方を向き前脚を1度ドンッっと踏んだあと、後脚で地面を軽く蹴り始めた。ホーンベアがスっと姿勢を低くし「グガァッ」と吠えた瞬間――えげつない速さで突っ込んできた!


「ッ! あっぶねぇー! ほらよっと」

 ホーンベアの角が危ない為、大きめに回避しながら身体を捻り、すぐさまホーンベアの方を向き、銃弾を十弾速射した。

 くそ寒いオヤジギャグを出してしまった……。

 

 前回のホーンベアより速ぇ……けど、まぁ避けられない速さではないな。


 ホーンベアは銃弾を尻に受けたのが痛かったのだろう。「グガァァアアッ」と地団駄を踏んでいる。

 俺の〈死獄〉と〈生天〉の銃弾がホーンベアの皮膚に食い込んだ! 強くなってる事を改めて実感できると嬉しいな。〈死獄〉と〈生天〉の刃で斬れるのか試してみよう。


 ホーンベアが俺に向き直した時、目付きが変わっていた。俺にタゲが向いたな。どんどん怒らせてもっとヘイトを稼いでいくか!


 ホーンベアはまた突進してきた。俺も前回と同じように【想造の製作(クラフト)】でホーンベアの前にブロックを作り出し、前方宙返りで2回転目に〈死獄〉と〈生天〉で斬りつけたあと身体を半分捻り着地した。思っていたより斬れたが、深い傷にはならなかった。その後もチクチクと攻撃をしてると、ホーンベアがブチ切れた。角に魔力が宿し、地面を削りながら突進してきた。避ける準備をして視てると、ホーンベアが急に地面に角を深く入れたと思った時――凄い勢いで前に突き出すように顔を上げた。


「やばっ!」

 俺は慌てて【想造の製作(クラフト)】で、土のブロックを目の前に出した。その瞬間、ブロックが崩れた。ホーンベアは突進が避けられると分かり、土の塊をショットガンのように飛ばしてきたのだ。そろそろ決着をつけた方がいいかなと思ってると雪祈音の声が聞こえた。


「【氷結の狙撃アイス・スナイパー・ブレット】」

 雪祈音がホーンベアの周りに100個近くの氷の弾丸を展開して、一斉に放った。

 ホーンベアが吠え倒れないように堪えていたが、ドスンッっと大量に血を流しながら倒れた。えげつねぇー……。風羽花も【風刀の魔纏(ヴァン・ブレード)】で斬ろうとしてたのか、〈雷光〉に魔力を纏わせたまま驚いた顔をして固まっていた。


「雷くん、大丈夫?」

 雪祈音が心配そうに走って俺の前に来た。


「おう、大丈夫だ」

 風羽花は固まった状態から戻り、走ってきていた。


「良かった。雷くんが楽しそうにしてるから、もう少ししてから攻撃しようと思ってたんだけど、危ないと思って【氷結の狙撃アイス・スナイパー・ブレット】を放ったんだけど……やり過ぎたね。雷くん、ふうちゃん、ごめんなさい」

 ホーンベアの死体を見て、やり過ぎて一回で倒した事に罪悪感を感じたのか、暗い顔をして謝ってきた。


「雪祈音、助かったよ。ありがとう。それにしても雪祈音の魔法の威力はすげぇな」

 雪祈音の頭を撫でながら慰めた。


「うん、そうだよ! それにホーンベアはまだまだ居るしね!」

 風羽花が雪祈音に抱きつきながら伝えていた。

 反対の手で風羽花の頭を撫でる。


「雷くん、ふうちゃん、ありがとう」

 暗い顔がなくなり、いつもの雪祈音に戻っていた。


「だいたいホーンベアの攻撃パターンは分かったし、土のショットガンには注意して戦おう」


「りょーかい!」

「うん、分かった」


「気を取り直して、次のホーンベアを倒しに行こうか」


「おー!」

「ぉー」

 俺たちは強くなった。ホーンベアにも危なげなく勝てる……が、油断すれば殺られるのは俺たちの方だ。俺は褌を締め直した。

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