表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

「ここが……〈むげんの庭園〉、か」

 包まれていた光が消え見渡すと、木、木、木、木だった。ゲームでいう森林エリアって感じかな? 空気が美味しような気がする。

 異世界に来たんだと実感しているとスキル、魔法の使い方などが頭に流れてきた。昔から知ってるような感覚だ。


 出発する前に現状の確認が必要だな。今のところ、魔物や人の気配はしないが、警戒を怠らないように気を引き締めよう。いつ襲ってくるかも分からないからな。

 まずは装備から確認すると迷彩柄の戦闘服、タクティカルグローブ、コンバットブーツに頭、胴体、前腕、腰、脛の革の防具が装備されていた。


 動きの確認をする為にラジオ体操第一をしたあと、シャドートレーニング、バク転、バク宙をしたが、防具が動きの邪魔をせず思った以上に動きやすかった。これなら問題ないな。次は念願の武器を確認だ!


「【武器の格納(こい)】」

 出てくるように念じると、両手に待ち望んでいた武器が現れたと同時に名前が伝わってきた。それは俺が夢にまでみた武器だった! こんな日がいつかあると思い身体を鍛え、空想のトレーニングをしてきて良かった! 特に握力と視界のトレーニングをして、握力は測定不能まで上げ、視界も広げてきた。無理だと思っていたが叶うとはな。


 俺が作ってもらった武器は――銃剣2挺だ。全長60センチほどの銃剣で、リボルバータイプで装填数は5発の50口径、銃の先端から20センチ程先に刃先がありトリガーガードまで刃が続いている。

 右手に握っている刃の部分が緑色でそれ以外が黒色の銃剣が〈死獄(しごく)〉で、左手に握っている刃の部分が黒色でそれ以外が緑色の銃剣が〈生天(せいてん)〉だ。まだ銃弾は撃てないから反動は分からないが、素早く狙った所に構えてみたり、振ってみたりした。グリップは手にフィットしてるし、重心も俺が使いやすいようになっている。最高だ! あとは完璧に使いこなせるようになるだけだな。これからよろしく頼む〈死獄〉〈生天〉。

 名残惜しいが〈死獄〉と〈生天〉は【武器の格納(仕舞っておいて)】、次は【実用の投映(スマート・スクリーン)】を使ってみるか。


「【実用の投映(スマート・スクリーン)】」

 発動するとノート程の大きさの画面が目の前に現れた。最初の画面はオンラインショップだった。ポイントが10万円分入っていたから当分は困らないな。ハーディスさんありがとう!

 

 端から端に横スライドすると切り替わり、アイテムボックスの画面になった。使い方としては画面に表示されている取り出し、取り込みで選択したものを出し入れが簡単に出来る仕様で、容量は無限に入るようだ。ゴミ箱機能もある。チートですやん。助かるから嬉しいんだけどな。


 スライドすると、クエスト、パーティー、フィールドの項目がある画面が現れた。ボスクエストが赤色、メインクエストが青色、サブクエストが緑色、パーティーが黄色、フィールドが紫色で表示されていた。

 メインクエスト、パーティー、フィールドの左側にNEWのマークが付いており、順番に押していこうと思いメインクエストをタップするとゴブリン10体の討伐で報酬が5000ポイントと魔法【魔灯の光球(ライト・ボール)】だった。一発目のクエストから魔法が手に入るのは嬉しい。クエストが1つだけだったので受注しておき、前の画面に戻ってパーティーをタップすると、パーティーを作るとパーティーに参加の項目のみだった。パーティーはあいつらと合流してないからまだ使わないので、前の画面に戻り最後のフィールドをタップすると、〈はじまりの森〉とだけ書いてあった。ここのフィールドははじまりの森って言うんだな。


 前の画面に戻ってスライドすると、真っ白な画面の真ん中に矢印のマークのみがあった。画面をタップするとピンを留める事でマーキングができ、拠点を作って歩き回っても迷子になる事がなくなる。めっちゃ役に立つな。


 特注で作ってもらったスキル、魔法はまだ使い所がないからまた後で、だな。早く使ってみてぇな!


 確認する事は出来たし、日が暮れる前には野営する場所を見つけておかないとな。出来るなら拠点になる場所を見つけられたら最高なんだけどな。ゴブリンと戦ってみたいが野営する場所を最優先に探索して時間に余裕があればって感じでいくか。

 予定を決めたので俺は歩き出すことにした。


 だいたい1時間は歩いただろうか? 周囲に気を張りながら歩いた為、距離的には全然進めていない。不意打ちされたら最悪だからな。


 1度休憩する事にした。木にもたれるように座り【実用の投映(スマート・スクリーン)】を発動させ、時間を確認すると10時半を少し過ぎたぐらいだったので、出発時間から計算すると歩いた時間の感覚は合っていたみたいだ。喉が渇いたのでオンラインショップでスポーツドリンクとチョコレートをタップし購入すると、目の前に浮いた状態で現れた。


「はぁー、美味いな、体に染みる」

 スポーツドリンクを半分ほど飲んだ後にチョコレートを3つほど食べた。収納する為にアイテムボックスの取り込みをタップすると、触れている物が画面に表示された。スポーツドリンクとチョコレートをタップすると、徐々に透けていき消えた。

 取り出すをタップしてみるとスポーツドリンクとチョコレートが表示されたので、ちゃんと収納出来たようだ。着ている防具も収納出来るから脱ぐのは楽になるな。便利だわ。


 15分ほど休憩したあと、再出発し30分程歩いた時――聞いた事もないような鳴き声が耳に入ってきた。


 俺は集中力を上げ、気配を消しながらゆっくり近づいていくと3体の小さな人型の魔物が居た。視界に入らないように木で隠れるように歩き、10メートル程まで近づいた。


 パッと見た感じ120から130センチメートルほどの身長に、緑色のガリガリの体、尖った耳、強姦魔のような醜悪な顔をしているファンタジーの定番、あいつは間違いない――ゴブリンだ。


 ゴブリンを見て感動し、観察も出来た。正面から倒せなかったらこの先進めずに死ぬだろう。覚悟を決め〈死獄〉と〈生天〉を【武器の格納(取り出し)】、木の影から出て3体のゴブリンを瞬時に視界に入れ、左右のゴブリンに弾丸を1発ずつ放つと、左側のゴブリンは胸に当たりぶっ倒れ、右側のゴブリンは左肩に当たり腕を吹き飛ばした。銃の反動を覚悟はしていたが問題なく使えそうだ。

 左側のゴブリンは倒れたまま動かなくなり、右側のゴブリンは肩を抑えながら叫んでいた。真ん中に居たゴブリンは吃驚していたが威嚇するかのように叫びながら走って近づいてきた。反動に身構えていたが速射できるほどだったので、冷静に右側のゴブリンに2発目を放つが外れてしまい、もう一度冷静に放つと3発目はしっかりと頭に当たりぶっ倒れたが、真ん中に居たゴブリンが目の前まで来ていて、右腕で引っ掻くように振りかぶってきたので、前蹴りでゴブリンを蹴り飛ばし撃ち殺した。


 俺はこれからも魔物を殺していく覚悟し直し、殺したゴブリンに心の中で手を合わせた。死んだゴブリン達は少し時間が経ったあと霧となって消えていった。これなら死んだのか分かりやすいな。


 完勝出来たが次も油断せずにしようと引き締め直し、〈死獄〉と〈生天〉を【武器の格納(仕舞い)】、歩き始めた。


 休憩を挟みながら歩くこと2時間。あれからゴブリンに会うことはなかった。


 時間もお昼になりお腹が空いてきたので、【実用の投映(スマート・スクリーン)】を発動しオンラインショップを開くと、ポイントは変わっていなかった。ポイントを増やすにはクエストをクリアするしかないって事だな。


 緑茶とシーチキンとゆで卵が入ったサラダとステーキ弁当特盛にからあげクンのレモンとチーズ味を購入した。大好きなからあげクンが買えたのがめっちゃ嬉しかった。食費がかかるからポイントを貯めないとな。


 食べ終わりゴミを捨てるために【実用の投映(アイテムボックス)】を開き、ゴミ箱をタップするとスイカ程の大きさの小さいブラックホールが現れた。

 ゴミを近づけると吸われて入っていった。ゴミの事を気にしなくていいのは最高だな。


 そろそろ野営する所も決めていかないと暗くなってしまうし、テントも設営しないといけないしな。ハーディスさんが渡してくれたアイテム〈雲隠れの帳〉があるから安心して休めるが、使い捨てで30個しかないから早めに対策をしないとな。俺はいい野営場所を探す為に腰を上げ歩き始めた。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ