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 昨日は何もする事なく一日中寝てしまった。自分では気づかなかったが、精神的に俺も疲れていたのかもな。だが、そのおかげでめっちゃスッキリしている。寝たのもあるが、雪祈音と風羽花を抱きながら寝たのが1番癒されたがな。


「今日はウルスベアを倒しに行こうか」

 ルーウルフ、ラピッドモンキーのクエストが終わり、オーク以外で残ってるのはウルスベアのみだ。


「ウルスベアってクマじゃん? サイグマみたいな感じの魔物なのかな?」

 風羽花はサイグマの強さを思い出し、少し物怖じした様子で疑問に思ったことを口にした。


「最初のクエストだし、サイグマほど強くはないと思うよ。たぶんだけど」

 雪祈音が不安を払拭して、大丈夫だと自分にも言い聞かせるように発した。


「風羽花も雪祈音も俺も()()()()()からな、サイグマ級の強さでも負けることねぇから大丈夫だ。心配するな」

 俺は雪祈音と風羽花の頭を撫でながら伝えた。2人が強くなったのも、負けることがないと思ってるのも本当だしな。


「そうだよね! 私たち強いもんね!」


「うん。それに雷くんが居るからね」

 風羽花も雪祈音も、さっきまでの不安な様子が消え、いつもの可愛い笑顔に戻っていた。


「よしっ、ウルスベアを倒しに行くか!」

 風羽花は元気いっぱいに、雪祈音は恥ずかしそうにしながらもグーにした手を上げて「おぉー」と声を出してくれた。

 【六感の覚醒(シックス・センス)】の感覚を頼りに、歩き進めていると他の魔物の気配もあったが、遭遇しないように避けて歩き続けていたが、3頭のルーウルフに見つかってしまった。まぁいいんだけどな、試したい技もあったし、いい練習になるだろ。


「あいつら貰っていいか?」

 雪祈音と風羽花に確認すると「いいよ」と二つ返事で返してくれたので、「サンキュー」と伝えたあとルーウルフに向かって走った。

 

 一頭のルーウルフと正面からぶつかるように走っていた。残り5メートルほどになったその時、ルーウルフが跳びつくように噛み付いてきたので、左側に大きめに跳ぶようなステップをしながら、身体を反時計回りに回転させ、裏拳の要領で〈生天〉で斬りつける瞬間に【磁場の雷砲(レールガン)】を発動させた。そのまま【磁場の雷砲(レールガン)】を撃たずに雷を纏った状態でルーウルフの横っ腹を斬った。傷は深く入ったが即死していなかったので、頭に銃弾を1発放ち殺した。おかげで効果が分かった。感電死とはいかないが、痺れさせる事ができた。あと、斬れ味も良くなっていた。前回にルーウルフを斬った時よりスムーズに斬れた。思っていた以上にいい効果だった。最悪何も起こらないと思っていたからな、最高の結果だ。まぁ【磁場の雷砲(レールガン)】を斬る瞬間に発動させないと、キープしてる状態で維持するのに魔力を入れ続けないと消えてしまうからな。無駄に魔力を消費するのは勿体ない。


 残り2頭のルーウルフが俺の隙を探すように周りを走っている。2頭のルーウルフに隙を突かれないように集中して気配を追った。目だけで2頭を追うのは無理だからな。

 その状態が3分ほど経った時、隙がないと分かったのだろう。ルーウルフが左右から同時に跳びつきながら大きく口を開け噛みつこうとしてきた。俺は腕をクロスするように手を挙げた。

 ルーウルフが俺の間合いに入るタイミングに合わせて、〈死獄〉と〈生天〉の重さを使いながら必要最低限の力で振り下ろした。ルーウルフに刃が当たる一瞬を狙って【磁場の雷砲(レールガン)】を発動させ、手に力を入れ、膝を抜き、身体の重さも伝えながら叩き斬った。

 ルーウルフの頭は真っ二つになり、ひれ伏す状態で絶命していた。血が付着したので【天光の浄化ヘブン・ライト・ピュリフィケーション】で綺麗にし、〈死獄〉と〈生天〉を【極限の構築アルティメット・リペア】で整備した。

 戦いが終わると雪祈音と風羽花が近寄ってきてくれた。


「上手くできた感じだね!」


「ん? 何するか言ってたっけ?」


「雷雨の顔見たらだいたい分かるよー、ねー!」


「うん。行く前は試したい事があるって顔してたし、今はいい結果になったって顔になってるよ」


「まじか! そんなに顔に出てたのか」


「普通の人には分からないよ! 私たちだから分かるんだよ! だから、心配しなくても大丈夫!」


「そか、それならいいや」

 顔でバレるのは恥ずかしいが、それだけ愛されてるのは嬉しい。まぁ俺も雪祈音と風羽花の顔見たら分かるけどな!


「で、【磁場の雷砲(レールガン)】撃たずに斬ってたけど、どんな効果が出たの?」


「痺れさせることができて、斬れ味も上がった」


「おぉー! 凄いじゃん!」


「痺れさすことができるって強いよね」


「そうだな。それに斬れ味が上がったのも良かった」

 

「それはスキル、魔法として習得できたの?」


「おう! 名前は【黒龍の雷斬ダーク・ライトニング・ブレード】だ。さっきは痺れさせることができると言ったが、それは【黒龍の雷斬ダーク・ライトニング・ブレード】を習得する前の【磁場の雷砲(レールガン)】を発動させながら斬った時で、今は魔力量と相手にもよるが感電死させることも出来るようだ。それに纏う雷も黒くなるみたいだ」

 雪祈音と風羽花と歩きながら会話をし、成果を伝えた。雷が黒くなるってカッコよくね? 最高なんだけど! 毎日瞑想して、魔力操作上手くなっておいて良かった!


 【六感の覚醒(シックス・センス)】の感覚を頼りに探索を再開してから15分ほどだろうか。【六感の覚醒(シックス・センス)】の反応が強くなった。風羽花も感じ取り、雪祈音に【魔波の感知(マジック・センサー)】の範囲を広げてもらうと、100メートルほど先に3メートルを超える大きさの魔物を1頭感知したようだ。俺もそうだが、雪祈音も風羽花も今回の魔物は前回戦ったサイグマレベルの強さは持ってないと認識した。が、俺らは油断しない。

 

 雪祈音の【魔波の感知(マジック・センサー)】が感知した方向に警戒しながら進むと、デカイ熊が居た。普通の熊だった。たぶんあいつがウルスベアだな。サイグマみたいに少し変わった熊なのかと思っていたが、普通の熊だった。それでも3メートルを超えるほどの大きさだから、油断は出来ないけどな。


「ウルスベアがサイグマとどれほど強さが違うか試していいか?」


「いいよ! 気になるしやっちゃって!」


「わたしもいいよ。サイグマより弱いけど、どれだけ違うか気になるもんね」


「【磁場の雷砲(レールガン)】っ!」

 お礼を言ったあと、こっちに気づくように弾丸を1発放った。少し痛がったように見えたし、サイグマより防御力は低いな。サイグマは傷をつけてからじゃないと、弾丸を気にしなかったからな。

 ウルスベアが俺に向かって「グルルルァァ」と雄叫びをあげながら勢いよく突っ込んできた。走ってくるウルスベアに向かって()()()()()()()()()()()()()5()()()()()()の魔力を込めた【磁場の雷砲(レールガン)】を放つ()()()()()

 俺は驚いて予定していた量の数倍の魔力を込めて【磁場の雷砲(レールガン)】を撃ってしまった。ウルスベアはなにも出来ずに頭を飛ばされ即死した。

 とりあえず分かったのは防御力がサイグマより低いということだけだった。まぁでもサイグマなら何かしら反応はしてただろうから、弱いのは確定だな。ただ、スキル、魔法を持っているのかは分からなかったな。


「すまん、ミスって魔力を込めすぎた」

 俺がミスって数倍の魔力を込めてしまった理由は、【磁場の雷砲(レールガン)】が纏う雷の色が黒に変色していたからだ。今まで使っていた【磁場の雷砲(レールガン)】が急にカッコよく変色していたら誰だって驚くだろ。仕方ないことなのだ。それでも謝らないといけないがな。


「いいよいいよ! 【磁場の雷砲(レールガン)】の色が急に変わってたらビックリするよ!」


「うんうん。仕方ないよ、気にしないで」

 風羽花と雪祈音が手を伸ばし、俺の頭を撫でながら慰めてくれた。


「2人ともありがとう。次はミスらないようにするわ。行こうか」

 気を取り直して、歩き出した。

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