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「よし、次のクエストを受けるためにルーウルフ以外の魔物を探しに行こうか」
朝のルーティンと飯を終わらせ、食後休憩も充分した所で雪祈音と風羽花に声をかけた。
「うん! 行こう!」
「がんばる」
風羽花は元気ハツラツに、雪祈音は小さい声だがやる気いっぱいの目をしながら、いつも通り返事をしてくれた。
今日も昨日と一緒で崖の上に行き、探索することにした。
歩き始めて10分ほどで魔物が居る感じがした。感じた方に気配を探りながら近づくが、なかなか見当たらない。と思った時、雪祈音の【魔波の感知】に引っかかった。
雪祈音が指を刺した方向を見るが見当たらない。
「木の上に6体居るよ」
雪祈音が魔力操作を集中して的確に探し当ててくれた。
上を見るが木の葉が生い茂っているため分かりづらいが、よくよく見ると猿が居た。
たぶんあれがラピッドモンキーだな。クエストを忘れずに受注した。
「了解。撃つぞ」
風羽花と雪祈音が返事をしてくれた瞬間に〈死獄〉と〈生天〉を【武器の格納】、ラピッドモンキーに向けて6発を速射した。だが、6体とも避けやがった。〈魔獣の棲まう森〉に来てから避けられるようになったな。弾丸の速さも上げて行かないといけないな。
まぁいい。あいつら動きが速いから良い修練になる。
「動きが速いねー! 斬り落とせるかな?」
「うん、速いよね。魔法のタイミング難しそう」
「外してもいい。てか、俺はもう外したしな。気楽に殺ろう。あれだけ速い敵を落とせたら良い修練にもなるしな」
「そだね! やるよー!」
「うん。がんばるよ」
雪祈音と風羽花は少し強ばった様子だったが、すぐに落ち着きを取り戻していた。伊達に2ヶ月近く魔物と戦って過ごしてきた訳ではないしな。
木から木に移る瞬間を狙って撃つが、なかなか当たらない。ラピッドモンキーも俺たちの周りを飛び回っているが、攻撃してくる気配がない。警戒をして近寄らないのか、体力低下を狙っているのか? まぁどっちにしろ良い修練になるのは間違いない。
それから5分ほどした時、最初に当てたのは風羽花だった。
「やったー! 当てれたー! ラピッドモンキーは速いけど、防御力は低いよー!」
風羽花が放った【鎌鼬の風舞】が、ラピッドモンキーの上半身に深手を負わせ、落下した瞬間を逃さずにとどめを刺していた。ラピッドモンキーは体長が1メートルほどと小さくすばしっこい代わりに、防御力が低いんだろうな。
「風羽花やるなぁ。了解」
「ふうちゃん凄い。わかった、ありがとう」
そこから1分もしない内に雪祈音がラピッドモンキーに攻撃を当てた。
雪祈音は【氷結の弩砲】で狙うのを止め、迎え撃つように【氷結の芽突】を枝から生やして倒していた。
「雪祈音もやるなぁ。あとは俺だけだな」
やべぇ。風羽花も雪祈音も倒してるのに俺だけ倒してねぇ。くそっ、カッコつけてヘッドショットを狙ってる場合じゃねぇな。胴体を狙うか。
狙うのを頭から胴体に変え、狙いを定め撃ち抜くと1発で当たり、そこから連続で外すことなく残りのラピッドモンキー3体を撃ち抜いた。即死ではなかったが、さっきより遅くなった分当てやすくなり、逃げようとした所を4体ともヘッドショットで終わらせた。
なんとか最後はかっこいい所を見せれたかな。
「お疲れ、いい修練になったな」
「おつかれー! うん、凄い良い修練になった! もっとラピッドモンキーと戦いたいね!」
「お疲れ様。そうだね、魔法を素早く発動させないといけないし、的確に当てる良い修練になるよね」
「そうだな。当分の間ラピッドモンキーをやり続けるのもありだな」
「ありよりのありありだね!」
「うん。ラピッドモンキーを簡単に倒せるようになったら、今よりも強くなれるもんね」
「よし! じゃあ、それでいくか」
雪祈音と風羽花も良い修練になったと感じ、ラピッドモンキーを簡単に倒せるようになるまで殺り続けることになった。
ラピッドモンキーを探す最中にオークを見つけたが、対峙しないように迂回した。オークは思ってたよりも大きく感じた。まぁ離れてたから大凡だけどな。
そのあと、少ししてからラピッドモンキーを見つけることができた。数は7体だった。
今回は俺が3体、雪祈音が2体、風羽花が2体だった。
俺もだが、雪祈音も風羽花もさっきより早く倒すことができた。
早めに昼休憩を挟んだあと、見つけたラピッドモンキーの群れを順番に一人で倒していくことになった。
俺は今回魔法の練習も含めて【磁場の雷砲】を使って倒したのだが、簡単に倒せてしまったから次からは使わないようにして、ラピッドモンキーを相手する事にした。
雪祈音は【氷結の弩砲】で倒せるようになってきていたし、風羽花は【鎌鼬の風斬】を薙ぎ払いで発動するのを、突きで発動するようにしていたからか、【鎌鼬の風突】を習得したようだ。
ラピッドモンキーは今見つけてる限りでは、最低でも5体以上の群れで居るから、1度見つけると数も稼げるから今日だけでクエストを3回クリアできた。いい修練になったしポイントもウハウハだ。
「じゃあ、今日は帰るか」
「うん! 帰ろー!」
「そうだね。日も暮れはじめそうだしね」
帰ろうとした時――【六感の覚醒】がヤバい気配が近づいてきてる事を察知した。風羽花も察知し、冷や汗をかいていた。雪祈音がその表情を見てヤバいと感じたのだろう。【魔波の感知】の範囲を広げるように発動していた。
「……っ! 何か凄い大きな魔物が近づいてきてる。距離は100メートルほど、結構速いから逃げても間に合わないかも……」
雪祈音は焦った様子だが、冷静に指を差して向かって来ている方向と距離を教えてくれた。
「ありがとう。逃げられそうにないなら迎え撃つ。必ず守ってやるから心配すんなよ」
「心配はしてないから大丈夫! だって雷雨を信じてるからね! それに私たちも強くなったしね!」
「うん。雷くんを信じてるし、わたしたちも雷くんを守れるように強くなりたい」
「風羽花も雪祈音も強いな。こんな時ぐらいカッコつけさせてくれよ」
俺が笑いながら言うと、雪祈音と風羽花は頭に?を浮かべたあと「かっこいいよ」と褒めてくれた。そんな会話をしてると、俺も雪祈音も風羽花も緊張が解れていた。
俺を先頭に左後ろに雪祈音、右後ろに風羽花が立つようにして、待ち構えた。
地面が少し揺れたように感じたとき、ついに警戒していた魔物の輪郭が明瞭に見えた――。




