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処女作です。
主人公が作者の好きな武器を使った作品がないので書いてみました。
あほが書いたので誤字脱字が多いかもしれませんが、読んでいただけたら嬉しいです。
面白くないわって思われた方は閲覧履歴から削除しちゃってください。
「ん…………ここは、どこだ?」
目を覚ますと知らない部屋のソファーで寝ていた。物が少ない6畳ほどの部屋だった。俺が寝ていたソファーとテーブルを挟んでもう1つソファーがあるだけだったのだ。
「なんで……ソファーで寝ているんだ?」
夜行バスに乗っていたのになんでなんだ? もし、事故に合っていたら気づいてるはずだし、仮に気絶して気づかなかったとしても病院のはずだ。
――もしかして、死んでしまったのか? 死んだとしても三途の川を渡るんじゃないのか? なぜ、ソファーに寝ているんだ? 分からないが、財布などの持ち物も無いし、可能性としては死んだ事の方が高い気がするな。
あぁー、まじかー。まだ親孝行もしてねぇし、彼女も出来たことねぇんだぞ。クソが!! 彼女とイチャイチャもエロい事もしたかったのに!! 欲を言えば、ふたつの果実がたわわに実った彼女が欲しかった!! 理想は月曜日に癒しをくれる、たわわのアイちゃんとか後輩ちゃんとかチアちゃんとか……キャラ全員最高なんだけどな!
まぁ、可能性でしかないし考えても一緒なんだけどな。もし、死んでたらごめんな。おかん、おとん。
で、だ。ここから勝手に動いていいのか? 待った方がいいのか? とりあえず、30分ほど待ってみるか……と、思っているとドアを3回ノックされたので、つい「はい、どうぞ」と答えてしまった。
「おはよう。よく寝れたかい?」
ドアが開くと、俺より少し低めの180センチぐらいの痩せ型、黒髪に眼が金色で俺とは正反対の優しそうな顔つきのイケメンが入ってきた。スーツがよく似合ってやがる。
それよりも気になったのは、気配もなかったし隙が全くねぇ。強ぇな、勝てる気がしねぇ。
「おはようございます。スッキリしてるので、よく寝れたと思います」
立ち上がって挨拶をし返答した。
「それなら良かったよ。僕も座るから雷雨くんも座りな」
俺の名前を知ってる事に驚いて一瞬固まってしまったが、勝てる気もしねぇし逃げれる気もしねぇから諦めて座った。
「そうだね、まず自己紹介しとこうか。僕の名前はハーディス、冥界の束ねる神をしてるよ。気軽にハーディスって呼んでいいからね。よろしくね」
なるほど、神様だったか。道理で名前もバレてるし勝てる気もしなかったのか。
「知っていると思いますが、東雲雷雨です。さすがに神様を呼び捨ては気が引けるのでハーディスさんと呼ばせてもらいます。よろしくお願いします」
「雷雨くんの事は地球の神に聞いてたんだ。少しはビックリしたかな?」
「名前が知られてましたから、ビックリしましたよ」
「ドッキリ大成功ってやつだね……冗談はここまでにして、本題に入るね。雷雨くんは死ぬ直前の状態なんだよ」
お茶目な顔から真剣な顔に変わり話し始めた。
「死ぬ……直前ですか?」
まだ死んでいなかった事に少し安堵した。死なない可能性があるのではないかと。
「そう、本来は雷雨くんの乗っていたバスにトラックが激突して、乗客全員死ぬ運命だったんだけど、あるゲームに参加するかどうか確認する為に、身体だけをここに呼んだんだ」
「あるゲーム、ですか?」
「うん、それは死ぬ運命を回避出来るかもしれないゲーム。だけど、残酷な死に方をするかもしれないゲームでもあるんだよ。だから、参加したくなかったら眠るように死ぬ事も可能だからね」
「どんなゲームなんですか?」
どんなゲームだろうと参加する気なので、前傾姿勢気味に聞いてみた。
「僕たち神が息抜きに創造した世界〈むげんの庭園〉で、魔物を倒してクエストを進めていくゲームだよ。簡単に言えばファンタジーゲームを現実でやるって事だね」
「参加します!」
気分が高揚し過ぎないように抑えながら、参加する意志を伝えた。
憧れていたファンタジーの世界に行けるんだぜ、喜ばずにはいられないだろ。
「雷雨くんは参加するだろうと思ってはいたけど、即答で決めていいのかい? 神達からしたら参加してくれるのは嬉しいけど、本当にいいんだね?」
本当に優しい神様なんだろう。心配した表情で確認してくれた。
「はい、残酷な死に方をする可能性もあるとは思いますが、憧れたファンタジーの世界ですし、死ぬ運命を回避出来る可能性があるなら……参加します!」
強い意志を持ちながら参加する意思を伝えた。
「あいわかった。〈むげんの庭園〉はさっきも言ったけど、魔物が居る。さらに、スキル、魔法も存在する。これはゲームだがゲームじゃない。命を賭けるんだ、最初からスキル、魔法、武器、防具などは渡すからそこは安心してくれていい」
「はい」
スキル、魔法、武器、防具と聴いて高ぶる気持ちを抑えるのに必死で、小さい声で返事をしてしまった。
「渡すものを軽く説明しておくね。まずはスキル、魔法から【実用の投映】オンラインショップやアイテムボックス、クエストを受けたりなど出来るスキル【武器の格納】武器を異空間に収納するスキル。【極限の構築】武器を修復する魔法。【天光の浄化】浄化する魔法。【万物の治癒】身体異常を治癒できる魔法。スキル、魔法の違いはスキルが常時型、魔法が発動型で、簡単に言えば魔力を消費するかしないかだね。使い方とかは〈むげんの庭園〉に着いたら分かるよ。アイテムボックスに使い捨てアイテム〈雲隠れの帳〉を入れているからね。効果は24時間認識しづらくするだよ。防具は革防具で、武器は普通の人には既存の中から選んでもらうんだけど、雷雨くんは徳を積んでるから特注で作ってあげるし、スキル、魔法も普通の人より1つ追加と特注で3つ作ってあげるから、焦らずに考えて決まったら教えてね」
ナイス俺! いい事してきて良かったー! 生きて帰ってからもいい事するように心がけよう。
「決まりました!」
即答した。
前からこんな武器を使いたいとか、こんな能力を使いたいとか考えていたからな。
「即答?! 本当にいいの?」
ハーディスさんは驚いた顔で確認してきた。
「はい、大丈夫です!」
「じゃあ、欲しいスキル、魔法、武器を想像してくれるかい?」
「分かりました」
前々から考えていた候補の中から決めたスキル、魔法、武器を想像した。
「――うん、終わったよ。あと武器は雷雨くんと共に成長するからね」
ハーディスさんが俺の顔に手をかざしたと思ったら終わっていた。一瞬で終わると思わなかったから吃驚した。
「武器が成長するんですか?」
成長する武器とか最高過ぎるだろ!
「うん、するよ。成長するって言っても質が上がっていくだけだけどね。何か聞いておきたい事とかある?」
「バスの乗客全員1人でバラバラに参加するんでしょうか?」
「雷雨くんの場合は隣に座席がなかったから1人で、隣に座席があった人は2人で参加になるね。他にはあるかい?」
あいつらは2人で参加だし、大丈夫だろうからゆっくり探すか。
「魔力を増やす方法は何がありますか?」
「そうだね、魔力と身体能力も戦闘を重ねる事で増えるよ。だけど、魔法を自在に使う為には瞑想して魔力の流れを操れるようにならないとダメだよ。他にはある?」
「スキル、魔法の獲得方法はありますか?」
「スキル、魔法も戦闘を重ねる内に取れる事があるのと、クエスト報酬だね。他にはある?」
「いえ、ないです。ありがとうございます」
「〈むげんの庭園〉に行く前に魔物を倒す練習をしていくかい?」
「いえ、やめておきます。自分の力だけで乗り越えたいと思います」
正直受けるべきだとは思うが、自分の力だけで頑張りたいという、ちょっとしたプライドと少しでも早く〈むげんの庭園〉に行きたい気持ちがある。
「あいわかった。送るけど覚悟はいいかい?」
「はい!」
「クリア出来ることを祈ってるよ。行ってらっしゃい。【世界の移転】」
「ありがとうございます。行ってきます!」
挨拶を返すと同時に光に包まれた――