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限界女がギリキープしてる男が塩過ぎて色々難儀する話

作者: 神代零児

作者の僕にとっての、これがかっ飛ばし易く動かし易い男女レベルのラブコメですね

「死ぬ、仕事キツ過ぎて死ぬ……ねえなんか食べるものちょうだい……」


「台所にオイスターソース有るから舐めなよ」


 これが私、久遠寺円香(くおんじまどか)に対する逢坂響紀(おうさかひびき)の塩っ辛い態度である。


 まあ、当然私はキレるワケだ。


「なんで私が調味料で腹満たさなきゃなんねんだコラァッ!」


「なんで俺の家に連絡も無しで来た奴に、俺が(めし)食わさなきゃいけないんだよ」


 いや他に女の影も見当たらず、()()()で仕事終わりは家に居るような独り身男に、わざわざ会いに来てやってんのよコッチはよぉ!


 胸ぐら掴みながら「それがアンタを頼りにやって来た女にする仕打ちか!」と叫ぶ。


「今まで一度でも俺が頼れとか言ーー」


 出逢ったのは三ヶ月前ね。お互い知り合いの数合わせに呼ばれた飲み会で、顔しか見るべき所無いなコイツと思った位、まあ話が弾まなかったわ。


 ただ。


「ーーく(たい)吐く割には何かとメッセ送ってくるけどな、毎度内容が無いから返事に困るんだよ」


 返しが面白くないとしても、コイツは必ず返事を寄越してくれる。その飲み会の時から、今日に至るまで。


 手前(てめえ)の女慣れしてない、クッソつまんない、けど言い訳も出来ない位に手前(てめえ)の頭でちゃんと考えて浮かんだ返しを。


「はあ……。内容が無いのにメッセを送るの、何か裏があるのかとか、そういうのを考えらんないのかアンタはぁーっ!」


「ああ考えないね、なんで裏なんか気にして接さなきゃいけないんだよクソめんどくさい」


「あんだってぇ!?」


 コイツの容赦無い言葉に、私も遠慮無くブチギレる。


「お前が裏とか表とか考えてようが、俺は俺としてお前の相手するだけだからな。お前は一人で空回ってろよ、そんなのに翻弄されるような弱い奴に俺が成るのがイヤなんだよ」


 おっとぉ?


「……」


 ちょっと間を置く。あー、私が()()()を噛み締める為にね。


「……んふふっ」


「きもっ。お前、とうとうイく所までイったか」


 そろそろ泊まりも視野に入れてこーかな。コイツ馬鹿だから、その辺の警戒心とかは無いでしょ。


「いやもう疲れ過ぎて頭回んなくてね。もうオイスターソースでいいから、せめて皿に注ぐとかはしてよ」


「はあ? ーーちっ、コイツ本気か」


 当たり前だろクソボケ。私だって人生ガケギワなんだよ、こうなりゃとことんお前に賭けてやるからな。


 素直に台所に入るアイツ。まあお前が手前の言ったことに責任持つ奴なのは、もう分かってるからね。


 よし、今の内にテーブルの隅に化粧道具置いとこ。


 今日は()()()()()()()()っていう、前振りだけ。な。

安牌なラブコメだけがラブコメと認識されてるみたいな、そういう空気が蔓延してるみたいな今(2025年)に対して、俺かなりイラついてるんで、だいぶムシャクシャしながら書きました。笑


いやまあ世知辛く疲れ切った女キャラでしか得られない栄養素ってのは、実際あるとは思うんですよ。


それよりも、策略を巡らすタイプの女キャラを必ずしも悪役として認識しない、やり方次第では割と真っ当にも描けるものだと読者さんに理解して貰えるかの方が、懸念としては大きいですかね。

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