開業準備を始めよう③
翌日も朝から作業。
この日もビルさんはリフォーム、ステラさんは試作品の調理補助担当。
新メニュー候補&今日の賄いはシーフードグラタンとクラムチャウダー。
追加するメニューは市場で安く手に入る海産物を使った料理を中心に、料理人が私一人のうちは、味付けはできる限り日本の出来合い調味料を使って手間を省く予定だ。和食と洋食がごちゃまぜなのは気にしない。洋食の方が得意だし、きっと異世界にも洋食好きはいるはずだから。
クラムチャウダーは缶に入った希釈するタイプの既製品に、市場で買ったカキらしき貝と牛乳を加えたら、基本火にかけて放置するだけ。たまにステラさんにかき混ぜてもらうだけ。
シーフードグラタンは市場で買ってきた魚介類(エビ、タコ、イカっぽいもの)とゆでたペンネを塩コショウとバターで炒めたものをグラタン皿に入れて、既製品のホワイトソースとチーズをかけてオーブンへ入れて、あとは待つだけ。
とことん手抜きなので、2品を作るのに20分もかからなかった。
やることが無くなってしまったので、ビルさんの作業に合流。3人で作業をしたら、昼食前に10部屋分のペンキ塗りとベッドと2段ボックスの組み立てが完了。予想以上に順調だ。
昼休憩には、出来上がったクラムチャウダーとグラタンを食べてもらう。
「おでんやたこ焼きとは全然違うし、食べたことない味だけどおいしいわね」
「このトロトロしたやつ(ホワイトソース&チーズ)が絶品じゃな」
二人にも大好評だったのでメニューに追加決定!
ただ、日本の普通の一人前だと全然量が足りなかったらしい。追加で次のメニューに使う予定だったパスタを5束(500g)ゆでて、市販のソースをかけて出したよ。
『2人が年齢の割に大食いなことを忘れてた…』