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情報収集をしよう②

ご近所さんへの挨拶が終わったら、次は市場調査へGO!

この国の通貨はおばあちゃんのタンスから調達済み。日本に戻っておばあちゃんの遺品を調べたら、たくさん出てきたのだ。金貨が15枚と銀貨・銅貨はたくさん見つかったから開業までの仕入れ資金はたぶん大丈夫だろう。


まずは、食文化を知るために市場へ。

海が近いこともあって海産物の屋台が並んでいる。

屋台でホタテに似た貝を使ったスープを買って食べてみた。

『うーん、しょっぱい…』

貝が塩水に浮いているだけのスープ。貝のだしよりも塩味がかなり強い。貝が3つ入って銅貨1枚と激安だが、普通に網焼きにして醤油をかけただけの方が何倍もおいしいだろう。貝そのものはおいしいのに、海水味のスープで台無しだ。どうやら具だけを食べて、スープは飲まないみたいだけど、なんだかもったいない…。


別の屋台でただ焼いただけのエビとカニを買ってみた。こちらはかなりの美味。ほんのりとした塩味で、身はプリプリ、素材はどれも一級品だ。


市場に並ぶ屋台の価格はどれも激安で、小ぶりのバケツに山盛りの魚介類がどれも銀貨1枚(1,000円)以下、20リットルくらいありそうな大きなバケツに入ったものは銀貨2枚程度で売られている。向こうの屋台ではサケのような1メートル近くある魚が銅貨8枚だって。


その後数軒の屋台を巡るも、塩以外の調味料がないのか、高価だからか、塩(海水)味の以外の料理は見つけられなかった。(後日ステラさんに聞いたところによると、胡椒や砂糖もあるにはあるけど高いから市場では滅多に使う店はなく、高めのレストランでも塩味の料理しかないのことが多いんだって)


実際に市場でご飯を食べて、ステラさんの話を聞いていたら、たこ焼きやおでんなど、どこにでもある日本食をこの町では高級レストラン並みの値段で出していたおばあちゃんの食堂が繁盛していたのにも納得してしまった。


次に、競合となる宿屋へ。

素泊まりで銀貨3枚とおばあちゃんたちがやっていたころの宿屋と同じ価格設定のところを選んだ。

案内された部屋には、シングルサイズのベッドが1台あって、そのわきに小さなタンスがあるのみ。

広さは安いビジネスホテルよりも少し狭い5畳ぐらいかな?

風呂はなく、トイレは屋外、希望すれば身体を拭くための水だけはもらえるらしい。タオルやアメニティーなどはもちろんない。

電気もないため、灯りはろうそく1本のみ支給。それが無くなる前に寝るというのがここの常識らしい。

ベッドはかなり固く、埃っぽくて、毛布は薄くてゴワゴワ。

日本での生活に慣れた身には辛すぎる環境だった。

『これで銀貨3枚(3,000円)って高すぎない?』

結局、一睡もできず、持ち込んだキャンプ用LEDランタンの光で本を読んでやり過ごした。本当は夜のうちに帰りたかったけど、夜間は宿の入り口が施錠され、宿の従業員もいなくなっていたため、帰りたくても帰れなかったのだ。

翌朝、日の出と同時にチェックアウトして日本の自宅のベッドへ急行する小春だった。

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