情報収集をしよう①
やると決めたら即行動!
『まずは挨拶と情報収集が基本だよね。』
田舎の家に戻って、もともと日本での引っ越しの挨拶用に買って余っていたタオルを手に宿屋の隣にある家を訪問した。
出てきた女性は、最初に声をかけてくれた背の低いおばあさんだった。
ステラさんといい、旦那さんのビルさんと二人暮らし。
夫婦ともにドワーフの血が入っていて、ビルさんは元大工だそうだ。
祖父母はすでに亡くなっていることを伝えたら、泣かれてしまったが、宿屋を継いで再開しようと考えていることを伝えると、とても喜んでくれた。
それ以上にタオルの白さとふかふかさに感動された。こんな高級品をもらっても良いのかと。
『300円で買った普通のタオルに負けた…。』
祖父母とも仲が良かったというステラさんとビルさんは、この町に始めてきた私に色々教えてくれた。
●ここヨハンは、ケプリル王国という国の古都で、王都からは馬車で5日程度の距離にあるが、人口5,000人程度の比較的大きな港町だということ(日本でいう鎌倉のような町か?)
●古都ということもあり、町の近くに古代遺跡が多く存在し、遺跡調査目的の冒険者が数多く訪れるということ
●反対側のお隣は住んでいたおばあさんが数年前に亡くなって、現在は空き家ということ
●この国の通貨は銅貨、銀貨、金貨の3種類で、それぞれ100円、1,000円、1万円程度の価値があること
●この町の平均月収は金貨6枚程度なこと(ただし優秀な職人や、商人、冒険者その数倍は稼いでいるらしい)
●商業ギルドに登録すれば誰でも商売を始められること
●祖父母がやっていた食堂の人気メニューはたこ焼きとおでんで、お酒(おそらく日本酒)も人気だったこと
●食堂のメニューは食べ物もお酒も銅貨5枚程度のものが多く、宿代は素泊まりで銀貨3枚だったこと
などなど…色々話してくれた。
たこ焼きもおでんも得意料理。ここでは珍しいお酒も日本でなら簡単に仕入れられる。
ステラさんとビルさんと話しているうちに、暇だからリフォームとか掃除も手伝ってくれるって。
『うん、うまく行きそうな気がしてきたぞ!』