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堕ちた先は魔界でした  作者: 榊 雅樂
第1章 
15/21

第15話 防御魔法

 庭に出て、二人から指導を受ける。流れはこれまでの練習でだいぶ掴むことが出来た。

 今度は流れを活かすことから始まる。


 まず初めに提案されたのは、防護壁。自身の周りに球状のものを張るか、前にただ壁を作るか。


 真正面からの攻撃だったら後者でもいいけど、周りの至る所に攻撃が仕掛けられた場合は前者を使う。

 ただ、後者の欠点は前者より魔力を使うこと。また、どちらも使う者の力量によって硬さが変わってくる。


 そういった面では少し不便ではあるが、やはり身を守る最善の魔法であることは間違いない。


「自分の目の前に壁があると想定するんだ」


 私は左手を出し、魔力を動かす。ある程度腕輪の辺りに集中したのを見計らって、防壁のイメージを浮かべる。

 形はなんでもいい。ただの壁でも、六角形が集う形でも。


 今回思い浮かべたのはただの壁。

 すると、私の目の前に透明の壁が出来た。ただ、数秒ともたなくて、すぐに割れてしまった。


「あ……」


 思わず声が漏れてしまった。しかし、二人は残念がる様子はなかった。


「初めてなら、上出来だ」


「流れを感じ取るよりも集中力が入りますが、練習次第でそれもどうにかなります」


 すごく、すごく慰められている––––っ!


 確かに残念そうな声は出した。実際「すぐ壊れちゃった」とも思った。しかし、ここまであからさまに慰められると、なんかこう……心にくるものがあるというかなんというか。


 けど……悪い気はしない。今この時間が、少し楽しくもある。ずっと、続けばいい。


 しかしまあ、何があるかもわからない場所。さっきのように急に襲われることだって少なくない。むしろ、これからどんどん増えていくだろう。


 だからこそ、私は今目の前のことに集中しなくてはならない。


「なにかコツとかある?」


「そうだな……。なら、とりあえず形や硬さは歪でいい。維持することに集中するんだ」


 維持すること……。


 数秒出すだけでも、かなり精神が削られる。そんなものを維持するのだと考えたら、少々嫌になるけど、やってみないことにはできない。


 とりあえずでいい、そう思って私はまた魔力を込める。


 さっきよりも形はガタガタ、硬度もやわそう。けれど、そんなこと関係ない。これを維持する。


 そう思いながらやっていると、次第にヒビが入っていき、最終的に音を立てて割れてしまった。

 進歩はあった。さっきは4秒程しか持たなかったけれど、10秒ぐらいはもったのだ。


「あ〜、疲れた……」


「ですが、先程よりも長かったです。頑張りましたね」


 そう言ってウァサゴは私の頭を撫でてくれた。最近、撫でてくれる回数が多くなっている。子育てをする気分なのだろうか。


 それでも、やっぱり嬉しい。

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