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【5話】悩みと決断

よろしくお願いします。


〜梓回想〜


私こと蓬莱院梓は、メイドのリナとともに、元旦に初詣のため、室川神社に来ていました。


途中まで一緒にいたのですが、人混みで離れ離れとなってしまい、本殿に着いた時には一人となってしまいました。連絡もとりましたが、おそらく人混みで連絡できないのでしょう。不覚でした。


どうしようか迷っていた時、あの柄の悪い人に声をかけられて、強制的に連行されてしまいました。そしてその場所が、あの場所でした。彼らは迷わずに来たことから、おそらくこの場所を最初から知っていたのでしょう。


連れの人たちに囲まれて逃げ場を失い、声を出そうにも森が生い茂り、しかも死角と何かを隠すには十分すぎる場所だったので、助けを呼ぶに呼べませんでした。


どうしようか考えていた時、彼が現れました。それも、ここにいるって知ってたかのように突然現れたのです。顔が傷だらけで身長は高めですが、なんかひょろひょろした容姿をしてます。おそらく、それを分かってて出てきたのでしょう。自分が身代わりになる代わりに、私を離せと。


それにお互い知り合いのようだったので、もしかしたら解放してくれるかもしれないと思いました。ですが、この凌牙という人も頭がいいのか、彼の位置を確認して咄嗟に引き込もうとします。その時…。


「梓!」


リナがやってきました。彼が呼んでくれたのでしょうか。でも、彼の表情も驚いている様子。


「リナ!」

「よかった、無事で。彼女は私の連れです。先程警察を呼びました。あなた方が行ったことは誘拐未遂です。さあ、それでもやりますか?」


おそらく警察を呼んだというのは嘘でしょう。それに、彼女なら一人でこの状況を打破できるでしょうから。


これに、男は嘘だと言いますがリナの目つきを見て焦りはじめ、やがて立ち去っていき、ことなきを得ました。リナは普段は優しい目をしていますが、怒るとまるで別人になるくらい目つきが変わります。それも、殺気を伴うようなそんな目です。


そして私は解放され、助けに来てくれた彼にお礼を言いました。


「助けてくれて、ありがとうございました」

「あ、いえ…。では、これで…」


彼は立ち去っていきました。その後、なんとか祈願をし駐車場にある車に乗りました。もちろん運転手、それも専属のです。その中で、話し合いました。


「でも、よくわかったわね。私があそこにいるって」

「はい、突然頭の中で梓さまの助ける声が聞こえたのです。まるでそこにいると教えてくれているようでした」

「えっ?私助けは呼んでないわよ?」

「そうなんですか?たしかに、あの場所は声が届きにくい場所ですが、ものすごいはっきり聞こえたものですから」

「そう」


私はこの時、何故だかもう一度彼に会えるのではないかと思いました。それに、もう一度きちんとお礼を言いたいと思っていました。


「リナ、一つお願いしてもいい?」

「なんでしょう?」

「助けに来てくれた彼を調べてほしいの。あと、ついでに誘拐未遂の彼らについてもお願いできる?」

「かしこまりました」


その後、彼の正体が松下遼さんという方で、私と同年齢の方でした。そして何故だか、彼について知りたいと思うようになりました。


そこで思いついたのが、推薦枠を使って星峰受験を打診することでした。私の権限を使って受験するための資料を用意させ、松下さんに受験を促す。そして、必ず合格させる。


ですが、万が一のことも考え一般受験の方も用意させました。これで、あとは彼が受けるように後押しするだけです。


事前に彼の通う中学校に行き、校長先生に話を通しておきました。


そして今日、校長室にて私と松下さん、そして校長先生と松下さんのクラスの担任の先生という四者面談が完成しました。


それはそうと、私を襲ったあの人たちは使いを通してご両親に説明させました。そして、あの佐藤という人は謹慎処分になったとか。あとの方々は知りません。


〜回想終了〜















そして現在、四者面談の真っ最中である。


「えっ、推薦枠ってできたんですか?」

「はい。そしてあなたには、この推薦枠を使って受験してもらいたいのです」

「突然そんなこと言われても…。それに、僕は成績が…」


そう、僕はあまり成績が良くない。それも推薦となると、それこそ成績が大きく反映されるといってもいい。


「たしかに、推薦は一般に比べれば成績の比率は大きいです。ですが、基本的には面接をしっかりとこなせれば受からないということはないはずです」


「そんなもんですかね…」


すると、校長が…


「松下くん、君の気持ちもわかる。突然受けろなんて言われれば、流石に戸惑うだろう。でも、これは高校側からのご厚意なんだ」


「松下、お前の事情もわかってる。でも、一度受けてみれば仮に他の高校を受験しても大丈夫なはずだ」


要するに、併願しろってことか。でも、それだと…


「伊藤先生、それだと僕は一般しか受けられませんよ?蓬莱院さん、そうですよね?」


僕が直接問いただす。


「そうですね。基本的には、ですが。でも、今回は特例ですので仮に星峰に合格しても、どうしても他に行きたいところがあるのなら、私は止めません」


クソ!完全に受けさせる気である。


「あと、今回受験料はいりません。合格しても、入学金だけ払ってもらって、授業料免除でどうでしょう。」


ついに最終兵器と言ってもいい、免除まで言い出しやがった。本当どこまで勝手なお嬢様だ。それに校長や伊藤もそうだ。どんだけお嬢様に頭上がらないんだよ!


でも、ここまで言われて帰れとも言えない。はあ、仕方ない…


「少し、考えさせてください」

「当然そのつもりです。じっくり考えてもらって、それでも受けないのであれば、申し込みしなければいいだけですので」


その後、僕は受験用の資料を受け取った。推薦用とは言っていたが、一般用もあった。








帰宅後、僕はベッドに横たわった。急な星峰の受験の打診だ。半ば強引な形だったとはいえ、受け取ってしまったからには、受けるか一応考える必要はあるだろう。


もちろん今のところ受ける気はないが、気になっている僕自身がいる。


どうするべきか。親に相談するか?でも、もう信用できない以上自分でどうにかするしかない。


それに、受験料および授業料免除は本当に助かる。でも、仮に受けて不合格なら、最悪の循環が生まれるかもしれない。


その後もしばらく考え続けたが、どうすればいいか決まらず、伊藤に聞いても…


「結局はお前次第だ」


と、完全に丸投げだ。


「はあ…」


僕はこの日以降悩み続けた。


そして、結局締め切り二日前まで決まらなかった。











〜締め切り二日前〜



「はあ…」


僕は、塾の休憩時間にあの時のことを思い返していた。何故彼女はそこまで僕を推すのか。あの時の彼女の表情はどうだったのか。


たしか、彼女の表情は少なからず真剣だった気がする。まるで、僕を信じてるかのように。そんな風にも思えた。


一応、受けたくなければ受けなくてもいいと楔的なものは打たれたが、あそこまで懇願されて受けないのも失礼だろう。


「仕方ないか…」


決して納得した訳ではないが、覚悟を決めよう。




翌日僕は、伊藤に受験することを伝えて必要な書類を受け取り、受験申請をした。


その日以降、一応面接と練習や小論文の添削などもしてもらった。どんなに信用してない相手でも、練習あるのとないのでは天と地ほどの差が出る。


しかし、星峰には過去問がないため、とにかく基本的なことを続けて…







その後、受験票が届いた。しかし…


「遼、あの星峰受けるの?」


両親にバレた。仕方なく、受験する理由や、元旦に起きたことを伝えた。


「そう…。まあ、アンタが受けるというなら私たちは応援するから、頑張りなさい」

「うん…」


納得してもらったかはわからないが、その言葉を最後に、当日まで会話することはなかった。











〜前日の夜〜


僕は机に置いているHAPPY COINを見ていた。あのコインを拾ってから、変なことが多すぎだ。正夢や宝くじ、さらには大財閥のお嬢様との出会い。そして、星峰の受験。


普通ならありえないことがあまりにも頻発しすぎている。もはや、このコインが僕の今後の人生を握っていると言っていいほどに。今後が本当に怖くなる。


「ま、明日頑張るか…」


そう呟き、電気を消して就寝した。その時、HAPPY COINは淡い光を放っていた。








〜当日〜


「はあ…。まあ、当たって砕けろだな」


僕は、試験会場の星峰高校へ向かった。






【お知らせ】

諸事情により、次の更新は24日(金)の22時とさせていただきます。

よろしくお願いします。



読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] やっぱりこの作品は読みやすくて良いですね! 誰が何と言おうと僕は好きです。 [気になる点] 簡単に調べられてるけどプライバシーはどうなってるんだー(棒) [一言] 偉い人には逆らわず弱い…
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