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元天才選手の俺が女子高校野球部のコーチに!  作者: 柚沙
第3章 高校1年夏
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デート続!



金曜日。



いつものように蓮司と桔梗と3人で学校に向かっていた。


あまりいつも俺の事について話すことは無いのだが、流石に三海さんと一緒に帰ったことが蓮司の耳に入っただろうし、桔梗は多分1年の俺たちのことをつけてきたあの4人に聞いたかもしれない。




「龍、あの美人転校生の手駒にされたって言ってたよ。」




「おいおい。誰がそんなこと言ってたんだ?氷か?いや…。美咲の早とちりの可能性も…。」




「美咲が言ってた。龍が鼻の下伸ばして犬のように忠犬にされてたって。」




「桔梗ちゃん流石にそんなこと信じてないよね?信じてたらそれはそれで困るんだけど…。」




桔梗は珍しくいたずらっ子っぽくニヤニヤしていた。

蓮司も一緒にからかってくるが、桔梗がそれに混ざっているのが珍しいくらいでいつも通りに仲良く登校していた。





「にしてもなぁ。花桜梨ちゃんが龍に近づいてるのは何となくわかるけど、それでも学校の外まで一緒について行くほどとは思えないけどなぁ。」




蓮司はこういうことに鋭いし、桔梗や俺ではそういうのは少し疎いし役に立ちそうにもない。


俺は蓮司の言葉にかなり食いついて聞いている。

蓮司の話をいつも聞いていない桔梗も珍しく蓮司の話に耳をかたむけている。




「2人とも今日はいつもと違って俺の話を聞きたげだな。俺の予想でもいいかね?とりあえず龍はあんまり油断しすぎない方がいいと思うぞ。けどなぁ、悪意があるとも思えないしあんまり振り回されてコーチに支障が出ない程度ならいいんじゃね?」




蓮司の言う通りだ。

別にコーチに支障がでるなら彼女とは最悪決別してもいいと思っている。




「2人とも警戒してるの?私もすごい美人だからって見に行ったけど、そんなに警戒する人じゃないと思うけど?二人がそこまで言うならなにかあるんだろうけど、私個人的には気にする必要ないと思う。」




昨日の最後の感じ桔梗の言っていることも間違いではないと思う。

けど、結局のところは自分の目で確認する以外に方法はない。




「まぁ、今のところはなんにもないし今日も話する予定だし。」




桔梗と蓮司は2人で顔を見合わせている。

休みを同じ女の子と2人で出掛けるのにびっくりしているのだろうか?

確かにこれまで野球してるか、家でだらだらしてるか、蓮司とかと男で遊んでるだけだったから2人からするととても意外なのだろう。





「龍にもそういう時が来たのか。桔梗も置いてかれないようにな?」




「なに?そんなこと言ってるけど、蓮司だってモテモテというよりマスコットみたいになってるから一時は無理だと思う。」




また蓮司が桔梗に喧嘩を売ってド正論でなにも言い返せないのもいつも通りだ。


いつも通りじゃないのは俺だけか。



良くも悪くも俺は浮かれているっていうのが分かってるだけ今は大丈夫だろう。




「そういえば雪山がコーチは顔で選ぶ人でなし、スタイルがいい女に靡く性欲の化身!ってずっとわーわー言ってたよ。」




「はぁ…。まぁ別にいいや。みんなもそれに賛同してるわけじゃないよね?」




「美咲は冗談っぽくおかしく言ってみんな笑ってたけど、雪山の時は苦笑いしてたから大丈夫じゃない?」




凄くわかる。


その場にいなくても、俺の事を下げようとする雪山の必死な発言に苦笑いするチームメイトたち。


それでも雪山は皆に嫌われることもないし、気分が落ち込んだ時に近くにいれば馬鹿馬鹿しくなって前向きになれそうだし、あの性格が雪山らしいと考えるなら無理に変える必要も無い。



「あ、東奈くんおはよう。蓮司くんもおはよう。もう1人の人は…。」



駅を出て少し歩いたところで噂の転校生が朝から眩しすぎるオーラを放っているように見えた。




「はじめまして。橘桔梗です。さっきあなたのこと話してたよ。美人すぎてこの2人は警戒してるみたいだけど、私は悪い人と思えないからよかったら仲良くしてね。」





桔梗は初対面であるはずの三海さんに聞いてもいないことを言うもんだからこっちの方がヒヤッとさせられた。




「橘さんね。けど、初対面で私に対して本当に警戒して無さそうだから仲良く出来そうね。」




2人は終始穏やかな挨拶だった。


内心ではバチバチしてるかと思いきや、本当にお互い警戒していないみたいだ。



それを見た俺と蓮司は三海さんとの付き合い方を初っ端間違えたと思ってしまう。



それくらい桔梗と三海さんの間にはなんの隔たりもない気がした。



「へー。橘さんって2人の幼なじみなんだね。」



「龍とはずっと仲良くしてたいけど、蓮司は別にどうでもいいんだけどね。」




「おい!桔梗!なんだかんだ俺がいないと龍と2人きりとか絶対退屈で暇だぞ?」




「蓮司お前桔梗に攻撃してるようで俺が傷つくんだよ!」




いつの間にか4人になった輪は学校について桔梗と別れるまでは楽しく登校した。

クラスに着くと昨日のこと聞きに男子は俺のところに、女子は三海さんのところに行っている。




「ふぅ。やっと一段落ついた。」



男子からは何をしただの、デートだったかだの、キスしたのかだの男子小学生みたいな質問攻めに合っていた。

俺は蓮司も居たから簡単に質問攻めをかわせたが、三海さんの方はどうだったのだろう?

彼女のことだから上手くやってると思うしか無かった。




「おはよぉ…。」




「氷おはよう。今日はそこまで眠たくなさそうだな。」




毎日眠そうに挨拶してくる氷を見てたら流石に今日はどのくらい眠いとか眠くないかとかよく分かる。

今日も声は眠そうだが、これまででベスト5に入るくらいは意識がしっかりしてそうだ。




「昨日あのおじいちゃんおばあちゃんカフェで、鼻を伸ばして三海さんの美貌に見惚れてたコーチだ。知らないかもしれないけどぉ、氷も可愛いよ?…にやぁ。」




表情筋が足りていないのを分かっているのか、手で口角を上げてピエロの口みたいにして笑いかけてくる氷であった。




「ふふっ。別に氷が可愛くないとか思ったことないし、その氷の顔は可愛いとかそういう顔じゃないからやめなさい。」




「えー。愛衣ちんがこれをコーチにやったら喜ぶって昨日言ってたもん。ぶー。」




また柳生に騙されたのか。


柳生は氷をよく注意してるが無視されている。

それはこんな感じで柳生が氷を時々騙しているから、言う事聞かないんじゃないかと少しだけ思った。





いつもの日常を過ごしていた。

いつもと違うのは放課後だけだった。




「東奈くん。一緒に帰ろう。」




「いいけど…。その後ろの子達も一緒なのはどうにからないのかな?」




三海さんに付いてきてる4人の女の子たちとハーレム状態で帰って許されるのは小説の主人公だけだろう。

俺はそこまで大層な人間でもないので、三海さんみたいな人でも手が余るのに他の子もとなると完全にキャパオーバーである。




「大丈夫。2人で帰りたいって言ってるから。」




「東奈くん、変なことしたら許さないから!」

「そうだよ!この高校に入ったこと後悔させてあげる」

「そうでごわす!」




なんだ最後のやつ?

うちに女子相撲部なんてあったか?

にしても高校に入ったことを後悔させるって俺は一体何をされるんでしょうか…。




「なにもしないよ。ちゃんと安全に家まで送り届けるから心配しないで。」





「男のその言葉が1番信用ならないのよ?」

「そーだそーだ!」




俺は悪いことをしたわけでもないのに、なぜここまで責められなければならないのだろうと思っていた。

いつの間にか隣に移動していた三海さんをちらりと見ても知らん顔されていた。

変にここで反論すると女子はめんどくさいことになると言うのもわかっていたので、俺は三海さんに頼らずにこの場を切り抜けることにした。





「こら。あなた達。東奈さんはこれまであたし達野球部の女の子たちに、そんな目を向けたこともないですしいつも遅くなったら家の近くまで送ってくれてるのです。それは三海さんに対しても同じだと思いますよ?」





「緒花がそういうなら…。」




さっきまで俺を責めたてていた女子達から助けてくれたのは円城寺だった。



彼女は今どき珍しく同級生にも敬語を使う礼儀正しい女の子で、三海さんとは雰囲気そのものが違う、見た目は派手だがそのギャップで反論することが許されないような感じだ。




「円城寺さん助かったよ。」




「いえいえ。でも気をつけてくださいね?三海さんが一緒だからとかではなく、あたし達が東奈さんは立派なコーチだとわかっていても一般生から標的にされてしまっては助けることが出来ないと思いますので。」




こればかりは100%円城寺の言うことが正しい。


ここは元々女子校で女の子ばかりのところで一般生の目の敵になれば、野球部の子たちも俺を容易に助けることは出来ないだろう。





「梨花さんか桔梗さんなら関係ないと思いますけど、あたしはそこまで強くなのでそうなった時は助けてあげられないかもなのでごめんなさい。」




「気にしないでいいよ。ていうかそこまで考えてくれてるなら嬉しいよ。ありがとうね。」




「いえ。友人としても大切ですし、コーチとしてまだ教えてもらいたいことも沢山あるので。」




そういうと三海さんの方を一瞬だけちらりと見て軽くお辞儀をして多分練習に向かった。




「慕われてるのね。けど、もし裏切られた時はどうなるんだろうね。」




嫌なことを隣でぼそっと呟いた。


俺にそれを聞かせたい訳ではなかったのか、言った後にしまったという顔をしていた。




「まぁ、その時はその時に考えたらいいよ。」




「あ、ごめん…。別にわざと言ったわけじゃないんだ。」




俺はそれに対しては何も言わなかった。


悪気を感じた訳でもないし、さっきの発言の話を深堀したい訳でもなかった。




「それじゃ帰ろうか。」




「う、うん。」




三海さんはさっきの失言?でかなり動揺してるみたいだ。



そこまで動揺することでもないと思っていたが、彼女からすればなにかが引っかかっているのか?



2人でとりあえずどこに行くかも決めていないが、学校から出て昨日のように隣を三海さんは歩いているがさっきの一言でかなり気まずい。




『蓮司。こういう時どうしたらいいか教えてくれ。』




俺は蓮司がここにいないことを悔やんだ。

むしろいたらいたで大変なことになるだろうから俺がどうにかするしかない。




「三海さんって福岡ってどんなイメージある?」




「福岡ね。明太子とラーメンかな?北海道もそうだけど美味しいものが多いのは共通点なのかな?豚骨ラーメンって美味しい?」




「俺は好きだけどね。姉が家に帰ってきた時は行きつけのお店によく行くかな。」




「そうなんだ。ちょっと食べてみたいな。行きつけのお店とか連れて行ってくれたりしない?」




別に穴場という訳でもないし、最近食べに行ってないからこれを口実に食べに行ってもいいかなと思った。


けど、店の匂いがそこそこ強烈で人によっては豚骨ラーメンは靴下の臭いにおいと言われたらそう感じてしまうだろう。


味は臭みを感じずに美味いんだが、女の人が行くようなお店ではない気もするけど姉が好んで行ってるからそこら辺は気にしなくてもいいだろう。





「だめかな?」




「いや、いいんだけど臭いとか大丈夫?それがいいなら俺も行きたいから行こうか。」




三海さんは少しだけ明るい表情になった。

俺も暗いままで2人でいる訳にもいかないので、とりあえず店に向かうために電車に乗ることにした。



博多のやや隅っこの方にある綺麗とは言い難いお店の外観である。


姉が野球部のチームメイトとよく通っていたらしく、そこに大きくなった俺も連れていかれるようになった。

よくサインとかが飾られてあるが、そこの店には姉のサイン色紙とサインボールだけ飾られている。



芸能人は来たりしたことがあるらしいが、姉は有名になる前から通っていてプロ野球選手になってから堅物そうで案外優しい店主に色紙にサインを求められた。



姉はサインをサラサラっとして店主に笑顔で渡した。

その後、ラーメンを食べ終わり家に1度戻ってボールにサインをして持っていった。




その時の店主はとても嬉しそうだった。

姉もここのラーメンが好きで、それくらい問題ないよっていつものような笑顔で手を振っていたのをよく覚えている。




「いらっしゃい。」




ラーメンの話しや食べ物の話をしてたらあっという間に店に着いた。

夜ご飯にはまだまだ早い4時半を少しだけ過ぎた所だったので店には客はいなかった。




「おじさんお久しぶりです。」




「おー!誰かと思ったら龍か。隣にいるのは彼女かな?龍の彼女にしては美人過ぎるんじゃないか?」




俺は客に失礼だぞと思いながらも気を使わないいつもの店主に自然に笑みがこぼれた。




「はじめまして店長さん。残念ながら彼女では無いですね。」




「彼女は昨日福岡に引っ越してきて、同じクラスになって豚骨ラーメン食べてみたいからってことで連れてきたんでよ。だから普通のラーメンとチャーシューメンの大盛り下さい。」




「私もチャーシューメンがいい。」




「福岡に引っ越して1番最初の豚骨ラーメンか。龍が連れてきたんだ、両方ラーメンの値段でチャーシューメンにしてやるからちょっと待ってな。」




「ありがとうございます!」




三海さんはとてもいい笑顔でおじさんに笑いかけていた。

これは上手く生き抜く為の笑顔なんだろうか?

俺にはしたことないということは処世術か、俺にはバレるからしてないだけかは分からない。




「なんか昔のドラマで見るような昔のラーメン屋って感じだね。あのサインがお姉さんのやつ?東奈光選手だったよね?テレビでよく見るけどかっこいい女の人って象徴だよね。女の人で嫉妬なのか批判してる人いるけど、あそこまで登りつめた人の批判なんてして虚しいと思うんだよね。」




「結構冷めた意見なんだね。姉が叩かれるところとか見たくないね。姉にその言葉聞いてみたことあるんだよね。」




ー過去ー



俺は姉とその話をしたことを思い出していた。


あれは確か俺が中学一年生の頃でプロ野球選手として一軍で試合に出れるようになって、全国的報道されて大人気になったオフシーズンだっただろうか?





「私のことネットで叩いてる人がいるって?それがどうしたの?」




「いや、そういうのとか見たら嫌な気持ちとかにならないのかって思って。」




「別に?私はスポンサー料とか球団から給料貰ってるけど、私の事応援してたり球団を応援してたりしてお金を使ってくれるよね?それと同じで嫌いな人が私の話題を出してそれについて話すのも、色んな人に認知してもらうために仕方ないことだと思う。」




「そんなもん?俺は有名じゃないし分からないね。」




「りゅーはどうなるか分からないけど、人に好かれるのも嫌われるのも一緒だと思った方がいいよ。特にそれは自分に関わりがない人がそうなることは多々ある。自分に関わりがない人だから仕方ないと割り切れるようになれればいいけど。」






ー現在ー





「って姉からのありがたい?アドバイスを貰ったよ。」




「そうなんだね。私にはまだ無理かな。流石に他人の悪意とかを無視できるほど人間出来てないよね。」




「まぁそうだね。それで平然と出来るのが相当精神力の強い有名人なんじゃないかな?俺にも無理だと思う。」





俺たちは姉の言葉を2人で解釈をしてみたが、結局今の俺達にはそんなことが出来ないという話しに落ち着いた。




「光みたいな人を目指すのは難しいと思うぞ。あの子は普通の人間が目指しても心が折れるだけだろうな。」




それは何も間違ってないだろう。

それ相応の実力を手に入れ、尚且つ相当な精神力を手に入れても驕らずに鍛錬を続けないといけない。

更に自分がやりたいことがあれば、自分の積み上げてきたものをなんの躊躇もなく捨てられる思いっきりの良さ。




「チャーシューメンふたつお待ちどうさん。」





「おー。相変わらず美味そうなラーメン。いただきます!」




「これが豚骨ラーメン。いただきます。」




俺はいつものラーメンを食べれたことに満足してるが、問題は隣に座っていてまじまじと豚骨ラーメンを観察している三海さん。



ラーメンの食べ方もなんというかお上品というか様になるというか…。




「美味しいかも。凄い強烈な味かと思ったら凄い食べやすい。」




そういうとスルスルとラーメンを食べている。

ズルズルという感じじゃないのはとても女の子らしい。




俺も何も言わずにズルズルとラーメンを食べた。

おじちゃんも俺達の食べっぷりにとても満足そうな顔をしている。




「替え玉って言うのあるって聞いたけど、麺がおかわりできるの?」




「そうだよ。もう少し食べたかったら夜ご飯代わりに替え玉したらいいよ。」




替え玉の話をしていたらいつの間にか二人分の替え玉がちょうど出てきた。

え?という顔でおっちゃんを見てみると何も言わずに食べろという顔をしていた。




「「いただきます!」」



俺たちはおっちゃんの好意で美味しいラーメンをかなり満足するまで食べることが出来た。

思ったよりも豚骨ラーメンが三海さんのお口にあったようでなによりだ。



おっちゃんと三海さんは豚骨ラーメンについて色々と聞いたり話をしたりしていて、頑固そうなおっちゃんでも美人の女子校生から豚骨ラーメンについて聞かれて話すのはとても楽しそうにしている。




「ん?」



俺のほぼ機能していない携帯電話にメッセージが届いた。

野球部の子達の全員の連絡先は交換していたが、グループメッセージで連絡するくらいで、他には夏実が毎日おやすみとおはようのメッセージを楽しみにするくらいなものだ。




ーメッセージー


こんにちは!

この前の一ヶ月に一回指導してくれるって話覚えてますか?

今週の土日東奈さんがおやすみと聞いたので、どちらかお願い出来ないですか?

ご連絡お待ちしてます(u_u)





上木さんから連絡が来ていた。

この子も話せないからなのかちょこちょことメッセージが来ることがある。

メッセージの内容は他愛もないことが送られてくるから、お互いに暇つぶし感覚でメッセージのやりとりをしている。




「明日にしとくか。俺の練習も兼ねて上木さんとトレーニングするか。」





俺は早速上木さんに明日うちの近くの駅まで来てもらうことにしよう。

そこら辺の連絡はうちに帰ってだらだら連絡取り合うことにした。




「デート中に他の女の子と連絡取り合うのはどうなの?」




「俺のスカウトした女の子と練習する予定だよ。まだ入るかどうか分からないけど、どうしても彼女は欲しい。」




「へー。そんな選手がいるなら会ってみたいから明日ついて行ってもいい?」




「うん。え?それはどうなんやろ?聞いてみないと分からないけど…。」




「女子中学生と男子高校生1人だと向こうも不安なんじゃない?練習は手伝うしいいかな?」




流石にここまでは着いてこないと思ったが、まさかの3日間、この子と過ごすことになる可能性もあるのか。

とりあえず上木さんに連絡してみるが、よっぽどの事じゃないと彼女は断らないと思う。





ーメッセージー


いいですよ!

それじゃ明日よろしくおねがいします(^-^)






「上木さんは大丈夫だってさ。朝早いけど9時にこの駅に来てくれたら2人とも一緒に迎えに行くから。」




「そう。よかった。それじゃ明日もよろしくね。」




2日目のデートはラーメンを食べて家まで送って行って終わった。

まさか3日目も一緒に過ごすことになるとは思わなかったが、明日は三海さんのことよりも上木さんの事を考えないといけない。



彼女にはどうしても白星に来て欲しいし、もし来なければ野球を続けても草野球で終わるだろう。

彼女にはちゃんとした舞台で野球をやってもらいたいという気持ちが大きい。



今日も三海さんとなんの話も進まなかったが、本当に話をしたいのかただ遊びに行きたいのか分からなくなってきた。




「うーん。よく分からんけど自分の休みだからもうなんでもいいか。」






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