え!? そんな展開!?
「ちょっとホッシー!? ねぇ!! ねぇってば! 返事をしなさい!?」
まずい、エラの表情が明らかに心配そうな顔になっている。眉を八の字に曲げ、憐れみの視線である。このままでは病院送りである!
すぐさまこの意地でも喋ろうとしない星金属にとどめの手刀を入れようとした所、エラがまるで静止をする様に、自分の事を抱きしめてきた。
「いい、いいのよエーフィー。そう、ガイストと戦って無傷でいるのがおかしな話しだもんね。ごめんね……ごめんね気付いてあげられなくて。一体私は貴方の何を見てきたか……」
おいいいいぃぃぃぃぃ!? やっベー勘違い始まっちまったぞ!? 違う違うんだエラ、この星金属は本当に喋るんだよ!!
「待ってエラ! その腕を離しなさい! この星金属には痛い目を見て貰わなきゃ!!」
勢い余ってホッシーが手から離れ、地面に落ちる。
「セバスチャン!! エーフィーは今錯乱状態に陥ってるの! 手伝いなさい!! 箒は危ないから魔導車で移動よ!! 早く先生に診て貰わなきゃ!!」
「かしこまりましたお嬢様。にしても……エーフィー、必ずや助けてあげますからね」
なんでー!? セバスチャンはなんだかんだ理性的な対応をするいい大人だ。それでもエラと同じ反応をするだなんて! もしかして私がしてることってそんなにおかしいの!?
「さ……エーフィー、こっちよ」
無理矢理肩を掴まれ、いつの間にか停車をしていた魔導車の中に押し込まれそうになる。だめだ、あの空間に入ってしまえばもう後戻りは出来ないかもしれない。一気に病人扱いになり、世間の目は一層冷たくなるだろう。ただでさえ足も折れてるのに、追加ダメージは遠慮したい。
「や、やだー!! ねぇ分かってよエラ!? 本当にあの星金属は喋るんだってってどっか行ってるううううう!? くっそーーあの星め絶対に許さんぞおおおお!!」
喉ちんこを必死に鳴らし、なんとか抵抗してみたが、体の一部が効かない今の私は手負の草食獣。肉食獣の彼等から逃れる術は持ち合わせていないのであった。
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「ふぅむ」
とってもお偉そうな白髪のおじいさんからまじまじと目をみられる。
一般的な魔力検査だ。魔術師や魔法使いは、極端に体に異常が見られれば、瞳の色が濁ったりする。
もちろん、特殊な機材をしようした上での話だ。
「どこにも異常は見当たりませんけどねぇ」
「本当ですか先生!? エーフィーは先程星と喋れるという狂人的な台詞を吐かれたのですよ! そんな筈ありませんわ!!」
違うんだよエラ、間違っているのは君の方なんだ。あの星は喋るんだよ、認めてくれよ。
「分かりました、では少々お待ち下さい。今までの症例を確認してきますね。えっと、星と喋れるか……プププ」
あ! 今絶対に笑った! 笑い物にしやがった! 酷い! なんて酷いんだ! ヤブだ、ヤブに決まってるんだ!!
周りの助手達もひそひそと噂話を始める。あのマグ家の人間がこんな頭のおかしな子だったなんてってな! 私は結構地獄耳だから聞こえるんだぞ! くっそー、それもこれも全部あの星のせいだ! 帰ったら絶対に砕く。
しばらくすると、奥の方からさっきのヤブのお医者様が不思議な顔で歩いてきた。
「……ありますね、一例だけですが。何十年前のカルテに、同じ事が書かれています。ですが……」
え、あるの!?
「どうしましたか?」
「それが、担当患者の名前が綺麗さっぱり無くなっているのです。症状自体は同じ、星と喋れるようになったと記載していますね。うーむ、おかしな話しだ。やっぱりお薬出して後は様子を見ましょう」
物凄く気になる発言だったが、今はとにかく家に帰りたい気分だ。また後でその話しを聞きにくればいいのだ!




