ワイズマン フルスペック大解析辞典
【ブルームスター・ワイズマン】
七篠陽彩の体内に癒着した賢者の石により到達してしまったブルームスターの最終形態。
身の丈に余る大きさのローブにすっぽりと覆われた姿が特徴的。
全てのスペックが今までのブルームスターを大きく超えて強化されているが、特筆すべきはやはり「魔力の無限精製能力」だろう。
賢者の石から漏出する魔力はワイズマンの肉体を通し、周囲へ散布される。
無尽蔵に垂れ流される魔力は生命に悪影響を及ぼし、「汚染」と呼んでも差し支えない。
この汚染は変身者の意志では止めらず、生きている限り世界を魔力で染め上げていく有害汚染生物と化す。
そもそも賢者の石に制御機能などはない、磁石が磁気を放つように“そういうもの”なのだ。
手の付けられないところへ人為的に外付けされた制御装置の名称が「ワイズマン」であり、ハクたちを指す名前だった。
この姿も賢者の石を運用するために形成された機械のようなものでしかない、ただし制作者の意図として制御=魔力の放出を止めるというものではなかったらしい。
そのため、ワイズマンの運用に変身者の人権は尊重されていないようだ。
衣装イメージは「虚無」「死に装束」「氷」「雪山」
そこに七篠陽彩の心象は反映されていない。
ワイズマンが存在する世界は、遠からず夥しい魔力に埋め尽くされることになるだろう。
人間は魔力に適応できない、待っているのは命だったものがそこら中に転がる死の世界だ。
ワイズマンは許されない、世界に許容されない。
生きていること自体が罪なのだから、どうかお前だけが死んでくれ。
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パンチ力:128t~∞(t)
キック力:324.9~∞(t)
ジャンプ力:(飛行・転移能力があり測定不能)
100m走力:-5.0(秒)
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【ワイズマンの特異魔法・及び特殊能力】
≪アルティメットモーフィング≫
効果範囲内の物体を思うがままに魔力へ分解・再構成を行う。
「万能の代替エネルギー」である魔力の性質を最大に生かした原点にして究極の能力である。
作中では魔人の表皮を分解→プラズマへ再構築することで装甲を貫通した超自然発火現象を引き起こした。
なおこの能力は常に自動的に発動しているため、ワイズマンの周囲は魔力として分解されていく。
触れ合うことすら許さない。
≪シャイニングエヴォルブ≫
「光」に値するものを吸収し、身体強化に特化した術式に変換して全身へ供給する。
無際限に供給し続けられるバンプアップはやがて許容量の限界を超えるが、後述の再生能力のせいで肉体の破損や機能不全を起こす事はない。
光に焼かれるような痛みの中で、ワイズマンは際限なく進化し続ける。
≪ドラグニックサバイバビリティ≫
周囲に散布した魔力による無意識な自動修復機能。
常に肉体を最善の状態に修復し、疲労や飢餓感を大幅に軽減。 10秒以内の心停止なら蘇生も可能。
また、周囲の環境に合わせて瞬時に学習・最適化を行う。
理論上、どれほど厳しい環境に置かれても生存可能な生命維持機能。 その生命力は伝説上の龍に例えられる。
たとえ最後の一人になろうとも死なせてくれない。
≪ブラスターストリーム≫
ワイズマンから常に溢れる魔力を流体光子状に変換し、衣装表面に張り巡らされた流動回路を通して全身へ供給するための機構。
常に全身へ高密度の魔力が強制供給されるため、身体能力がブルームスターの数十倍にまで向上している。
内部に蓄積した魔力量により流体の色が赤→黄→白→銀へ変化する。
通常時は白~銀帯で色が安定しているため、衣装に紛れて観測が難しい。
流体光子からは高濃度の魔力が放出しているため、ただそこにいるだけで周囲に重大な魔力汚染をもたらす。
魔力を持たない生命体はもちろん並大抵の魔物は近づくだけで塵と化す。
≪キングスレリーフ≫
全身に装飾された13個のレリーフ、および額にあてがわれたティアラ。
レリーフには今まで倒した魔物・魔人・魔法少女の情報が記憶されており、対象の固有魔法をいつでも引き出せる。
「灼火体」の相乗変身はこの能力を一部引き出した状態だが、本来ならワイズマンでもこれほどの強化はあり得なかった。
賢者の石との相性が想定されたものより高かったため、既知の魔法であればいつでも行使できるだけの性能を引き出してしまった。
それこそまさに王の権能であり、敗北者すら冒涜する暴威である。
≪アーマードファミリア≫
音を魔力変換し、被服下に忍ばせた急所装甲。
円盤のような形で形成され、万が一致命的な攻撃を受けた場合に強烈な音響を炸裂させて変身者を保護する。
この円盤はそれぞれ動物を模した姿に変形し、ワイズマンに従う使い魔のように操ることが可能。
また、この機構はワイズマンが発生させる声や音を魔力に変換して隠密行動する助けとなる。
たとえ泣き叫んだって誰にも届かない。
≪ハイパートランスマイグレーション≫
三次元の領域を超え、四次元方向に干渉することで発動する時空観測能力。
現在のワイズマンを始点とした±5秒以内の時間を映像として切り出し、任意に観測・干渉できる。
未来と過去は現在から離れるほどにifの可能性が生まれ、観測できる映像に大きなブレが生じてしまう。
5秒というのは観測可能の限界値である。
最善の選択肢を選ぶためには、より多くの“不幸なif”を吟味して選ばなければならない。
時として避けられぬ犠牲を選ばければならない時もあるだろう、それでも犠牲の少ない選択肢へトロッコの舵を切らなければいけない。
選べるのはお前だけで、選んだ責任は常にお前にしか与えられない。
≪クロノライナーシンギュラリティ≫
賢者の石を始点とし、時間線状にワイズマンの存在を楔として固定する機能。
簡単にいえば「時間の改変や干渉による影響を受けない」能力。
時間を改変する存在などそう多くはないが、干渉するだけの魔法は少なからず存在する。
例えば未来を予知するような魔法でワイズマンの行動を観測することは出来ない。
バンクのような因果律に関わる能力も、分岐する未来の選択肢に干渉するためワイズマンには通用しない。
また、副次的な効果として外部からの精神汚染や洗脳に対する抵抗性を獲得する。
これは時間線状に記録された楔を参照し、ワイズマンのコンディションを記録されたものへ正そうとする力が働くためだ。
あらゆる選択は常に正常な本人の意思で行われる。
≪エンペラードマント≫
ワイズマンの背部に形成されるマント状の装甲。
見た目と振る舞いはただの布だが、核弾頭が直撃しても焦げ跡1つ付かない防御力を持つ。
マントの内側には闇という概念が濃縮され、ひとたび翻せば周囲が闇夜に包まれる。
このマントで全身を覆う事により、肉体を再構成し、竜型の魔物を模した形態に変身できる。
この形態は身体スペックは著しく向上するが、理性が薄れて本能のままに暴れ回るリスクがある。
魔物のように振る舞えたら楽だったのに。
≪コンプリートグランド≫
ワイズマンが位置する座標から数十mの地表に形成される特殊な領域。
この空間内ではワイズマンが記憶しているあらゆる魔力生命体を再現し、実体化できる。
実体化した対象はワイズマンに追従する「Ver1.0」と自立行動を行う「Ver2.0」のモードが設定される。
時空を超え、過去と未来を統べる時の破壊者、ワイズマン。 その瞳は何を見るのか。
≪エクストリームウィズダム≫
賢者の名に恥じない思考強化能力。 ワイズマンが感知したあらゆる情報を瞬時に分析し、最適解を叩き出す。
脳への負担を無視すればスパコン数十台分の性能を引き出し、あらゆる英知をその手に収める。
しかし、脳の処理能力を超えた知識量を注ぎ込まれるため、変身者には常に発狂しかねない情報量を絶え間なく注ぎ込まれることになる。
可能な限り不要な情報を削ぎ落すために五感の一部を削ぎ落し、最適化が行われる。
悪魔と契約した代償は二度と戻らない。
≪アブソリュート・テラグリード≫
触れた対象から活力を奪い、喰らい尽くす強欲な能力。
この能力で周囲から温度を奪っているため、ワイズマンの周囲は常に氷点下の気温となる。
出力を上げれば一瞬で絶対零度の領域まで気温を低下させることも可能。
また、本来魔法少女が持つ杖は破壊不能だが、ワイズマンが接触することで杖が帯びている魔力を強制的に「0」の状態にし、防御力を無視して破壊できる。
魔力を持つ生命体は本能でこの能力を察し、知らず知らずのうちに原始的恐怖を覚えてしまう。
助けようと伸ばした腕で救えるものなど何もない。
≪コズミックディメンション≫
膨大な量の魔力を一点に凝縮することで発生する空間の歪み、およびそれを利用したワープ能力の総称。
「エクストリームサーバー」を用いた座標演算能力も合わさり、そのワープ距離は宇宙空間にまで及ぶ。
転移せずに空間だけを接続することも可能、太陽表面のプロミネンスや深海の海水すら呼び寄せる。
例え大気圏外まで逃げようと、ワイズマンから逃れる事は不可能に等しい。
≪インフェニティメビウスリング≫
ワイズマンの両手に装着された10本の指輪。
ワイズマンが放出した魔力を回収し、内部循環を行い増幅して再利用する機能を持つ。
この指輪により、ワイズマンは事実上魔力切れを起こす事はない。
それどころか、回収した上から賢者の石から常時供給されるため、魔力の総数は時間経過と共に増加していく。
どれほど消費しようと、ワイズマンが汚した魔力は決して衰えない。
≪キワミノゴクイ≫
「コズミックディメンション」により生じた空間の亀裂から呼び出す無数の武具。
これらは一般的な武具に加え、ワイズマンが記憶している魔法少女の杖と同等のものを取り出せる。
形状や性能はもちろん、扱う際の技量も本来の持ち主と同等以上に引き出すことが可能。
武具の見た目は本物と遜色ない、しかし素材はすべて未知の植物を元に作られているようだ。
魔力で満たされた不毛の大地に残されるのはこの植物ぐらいだろう。
≪クァンタム・ドライブトロン≫
ワイズマンの制御下にある魔力を粒子状に散布し、付着した周囲の物体に強力な重圧・減速効果を与える。
効果範囲内の生物はどんよりとした不快感と共に、行動速度が通常の1/100以下まで落ち込む。
この粒子空間の中、自由に行動できるのは粒子への命令権を持つワイズマンのみ、それどころか当人は粒子による行動補助を受けて通常よりも加速した行動が可能となる。
減速の対象は生物だけではなく、個体・液体・気体すべてが影響を受ける。
最悪の場合、減速した大気を肺に取り込む事も出来ずに窒息死するだろう。
なお、幾ら減速したところで魔力による汚染速度は変わらない。
≪ムゲンゲイザー≫
魂や感情といった目に見えない存在を質量化し、エネルギーとして転用する機構。
これにより万が一に魔力が生成できない状況へ追い込まれた場合でも0から魔力を生成、運用できる。
しかしこの能力の本質は武装や攻撃に感情エネルギーを上乗せすることで、無限大の伸びしろを付与することにある。
また、劣化していく自身の魂を質量化し、「インフェニティメビウスリング」を介して濾過することにより、半永久的に寿命を引き延ばせる。
変わった運用法としては、相手の魂を質量化させることで不定形の存在に対し攻撃を与えるといったことも可能だ。
罪悪感という燃料ならいくらでも用意出来るだろう。
≪ムテキノカガヤキ≫
ヴァイオレットがかつて使用していた「超・無敵大戦」と同様の攻撃無力化機構。
外から加えられた攻撃に対し、膨大の魔力で飽和させて無効化する。
ヴァイオレットはローレルの協力を得たうえで魔力を確保していたが、無限の魔力を持つワイズマンには無用の悩みである。
対抗策としてはラピリスと同じような窒息戦術や、ワイズマンを超える魔力量を叩きこむ事だが現実的ではないだろう。
ゲームのような攻略法など、無い。
≪ジーニアスブランディング≫
体内で魔力を合成し、未知の薬剤や細菌を合成する機能。
例えワイズマンの防御を貫通する劇物やウイルスに感染したとしても、解析を行って即座に解毒が可能。
また、変身者の脳髄には常にこの能力で合成した強力な鎮静剤が投与され、「エクストリームウィズダム」による発狂を阻止している。
正気を失うことさえ許さない。




