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私のカレシが〇茎なんだが。

作者: いーすた

私には好きな人がいる。


高校時代、同じ学校にも関わらず、話しかけることが出来なかったが、3年の時、同じ大学を志望していることを知った時、奥手で初心だった私自身を大きく変える決心をした。

派手目のメイクを覚え、オシャレで見栄えの良いファッションを習得し、流行しているトレンドや若い男性に受けの良い趣味を学び、付き合えたらきっとするだろう〇ックスの為に疎かった18禁の性知識本を熟読し、ただひたすらに、一人の立派なイケてる女になる為に、彼の彼女としてふさわしくなる為に、一心不乱で研鑽を重ねた。


勉学を疎かにしてしまい、一時は不合格の恐れが出てしまう本末転倒さえも乗り越え、私は彼と同じ大学に無事に進学することが叶った。


大学内で再会を果たしたもののしかし、積み重ねた努力によって地味な高校生から表参道でも肩で風を切って堂々と歩けるイケ女に大学デビュ-をした私に彼は全く気付いてくれなかった訳だが。

それでも私は、彼のサ-クル、授業、専攻を十全なリサ-チの下に特定し、ことごとくを合わせ、彼と親しくなることに成功した。


そうして着実に外堀から埋めて行き、彼の心の中に入り込んでいった私は大学1年の夏、サ-クルの合宿中というド定番なシチュエ-ションで告白し、なんと、数年越しの思いを成就させることが出来た。


私は幸せの絶頂の中にいた。


しかしそれは長く続かなかった。

彼との仲は良好であり、何度もデ-トを重ね、年末に小旅行に行く計画を私が勝手に立てている程に順調に進んでいる、筈である。

周りの友人に聞いても彼も私との交際生活に満足しているそうだ。

何も問題が無く、このままずっと二人幸せに暮らせると思っていたのに。



交際から3ヶ月経つというのに!!


彼が!!


私に!!


手を!!


出してこないのだ!!


何故だ!!



私は何度も彼の住んでいるアパ-トに行って無防備を装ってきた。

服をはだけさせ下着をチラ見せしながら寝ている振りをしていたのに、毛布を掛けられ放置されたこともあった。お陰で私は次の日寝不足になってしまった。


デ-トの帰りをわざと遅らせ、終電を無くしたこともあった。

しかし彼は、終電無くなっちゃったね、という私の決め台詞をさえぎり、ネット検索では出てこないような電車の振り替え情報を持ち出してなんと最寄り駅までのル-トを見つけ出し、家まで送られた。

次のデ-トではあらゆる鉄道会社の情報を洗い出し、確実に終電が無くなってしまう時間になるように帰りを調節し、ラブ〇が目の前に見えるように場を整え、前回遮られた決め台詞を炸裂させた。

「もう、終電無くなっちゃったね」

「あ、呼んでたタクシ-来たよ。君の家まで送るよ」

私はこの作戦を諦めた。


何をしても、どんなに誘っても、彼は私に手を出してくることは無かった。

もしかしたらゲイなのでは無いかと疑ったが、彼の部屋からは通常の18禁の本はあってもBa〇iは見当たらなかったし、彼周辺のリサ-チからも彼が女性に欲情することは確かだ。

では、私には欲情しないのかと思ったものの、彼が寝ている(振りの)私の無防備な姿を写真に撮り、それでオナ〇-をしていることは確認済みである。

最早私を襲ってこない理由が分からなくなってしまった私は、最後の手段として泊まり込みの旅行は計画しした。

同じ部屋で交際している男女が泊まり込みの旅行をするなんて最早それはセ〇クスだ。

行った時点で勝利は約束されたものだろう。

今度こそ私の計画は完璧だ。ククク



そして年末、何とか押し切る形で彼を旅行でに連れていくことに成功した。

渋る彼を騙くらかし、強引に連れてきたが、部屋にさえ連れ込んでしまえばこっちのものだ。

めくるめく官能の世界。

最後の望み。

何度妄想し、絶頂したか分からない。

この時夢見て、私は独りもどかしい夜を過ごしてきたが、それも今夜終わりを告げる。

心の中で勝利宣言を高らかに挙げ、凱旋歌が頭の中で流れていた私にお風呂上りに先に部屋で待っていた彼は告げた。

それは私にとっては想定外で、想像すら不可能だった。

だって、私が熟読した18禁本にそんな男性は存在しなかったから。


「実は俺、〇茎なんだ。しかも真性の。だから君と性行為をすることが出来ない。」

「黙っていてごめん。もしも君が軽蔑するならしてくれて構わない。別れたくなったなら別れる。」

「君から告白されたときに正直に言うべきだった。でも誰にも知られたくなくて言えなかった。それならば君の告白を断ればよかったのかもしれないが、その、君のことは好きだったし、軽い気持ちで付き合ってしまったんだ。」

「何度でも詫びるし、何でもする。だから許してほしい。」











「そっか。…………………………………じゃあ、手術、しよっか!」




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