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プーちゃんはマーニャたちが駆け寄ってくるのを嬉しそうにして見つめている。
マーニャとクーニャはプーちゃんに体当たりして、猫パンチを繰り出していた。
『なっ!?マーニャ様!クーニャ様なぜ・・・なぜ!?』
プーちゃん同様している。
クーニャとマーニャは「うにゃうにゃ」鳴いており何かプーちゃんに文句をたれているようだ。
『えっ・・・いや、我はトマトとやらが食べたくて・・・』
「うにゃん!」
『す、すまなかった。雨を呼んで悪かった』
やっぱりプーちゃんが雨を降らせたのね。
まるで日本の神話みたいね。
竜が雨を降らせるなんて。
「にゃぁ~ん。うにゃー!」
『えっ!?マーニャ様そんなぁ!』
「ふにゃぁあん!!」
「にゃあ!」
『クーニャ様も!えっ?ボーにゃ様がっ!!そ、それは・・・ごめんなさい』
「にゃぁああああん!」
「にゃおん」
プーちゃん必死に謝っているようだけど、どうやらクーニャもマーニャもご立腹なようだ。
先ほどから何を言っているかわからないが、その声音からマーニャたちが怒っているということだけは伝わってくる。
チラッとマリアを見つめるとマリアも苦笑している。
「猫様たち濡れるのが大っ嫌いなのよねぇ。怒るわよね。まして、ボーニャなんてショック受けてるし」
ああ、そう言えば猫は水が苦手だったなぁと思い出す。
ボーニャは大人しくマリアの腕の中にいた。
少しはショックから立ち直ったようだが、まだ自分で立ち上がる気はないらしい。
マリアの腕の中からじぃーっとプーちゃんの方を見つめていた。
『そ、そんなっ!?我にダンジョンに帰れと申すか!嫌だ!』
「にゃう!」
「にゃ!」
『嫌だ!帰ったらトマトが食べられなくなるではないかっ!?』
どうやら、マーニャとクーニャからダンジョンに帰れコールが出たらしい。
っていうかプーちゃん、トマトが食べたいから帰りたくないとか言わないでほしい。
そこは、マーニャやクーニャの側にいたいから帰りたくないと言えばいいものを・・・。
余計、マーニャとクーニャを怒らせてしまっているような気がするのだけれども・・・。
「マーニャ様。でも、プーちゃんがいれば畑の水やりが楽になるわ。そうすればマユが喜ぶわよ。プーちゃん、雨を呼ぶときは皆に注意してから呼ぶようにマーニャ様たちに誓いなさい」
マリアがマーニャとプーちゃんを説得している。
確かに、プーちゃんがいれば水やりが楽になるけど、それだけのためにプーちゃんを使っていいのだろうか・・・。




