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『マユ殿。お主はちぃーっと人の機微にうといようじゃのぉ』
「え?」
「マユ、この竜はダンジョン10階層にいるんだよ?レベル100の冒険者が4人組で勝てるか勝てないかわかんないんだよ?そんな竜をなぜ、怒らせるようなことが普通にできるの?」
あれ?
私、プーちゃんとリュリュさんに呆れられている?
リュリュさんなんて、寝癖つけっぱなしのくせに。
でも、よく考えればリュリュさんの言うとおりだ。
プーちゃんはとても強くて私なんてプーちゃんの機嫌を損ねたら瞬殺だろう。
瞬殺だろうけど・・・マーニャがいるから多分大丈夫だと思っているんだけど。
「でも、マーニャの友達でしょ?マーニャの友達が私に危害を加えるわけないじゃない」
胸を張って答える。
マーニャだって、本当に危険だったら友達になんてならないと思う。
プーちゃんのこと信頼して友達になったんだろうから、私はマーニャを信じたいと思う。
それに、マーニャに「寝相なんとかして」って言われて飛んできてマーニャのお願いをちゃんとに叶えようとするプーちゃんだ。
心根は優しいに違いない。そう、思っている。
『マユ殿は平和ボケしているな』
「ほんと、マユってば信じ過ぎだよ。いろいろと」
「むっ!失礼な。大丈夫な人なのかそうじゃない人なのか私にだってわかります!」
『ま、別に良いが』
興味を無くしたみたいにポツリとプーちゃんが呟いた。
リュリュさんも仕方ないなぁと言ったように苦笑している。
私だって人を選んで接しているんだけど、なぜそんなに不安気な目で見られなければならないのか。
憮然とした思いを感じつつも、それを飲み込む。
これ以上言っても平行線だってことは察しがつくから。
『マユはボケておる。故にいつ誰に騙されるかわからぬ。我が友のマーニャ様に被害が及んでも困る。故に、マユお主も困ったことがあれば我を呼べ。念話で呼んでくれれば駆けつけるゆえ』
プーちゃんは優しい目をしながら私にそう告げた。
なんだか、とても馬鹿にされているようだが、その言葉の意味は私を守ってくれると言っているので、なんだかんだ言いつつもやっぱり、プーちゃんは悪い竜じゃないと確信する。
「ありがとう。プーちゃん」
リュリュさんはプーちゃんの言葉に驚いたように目と口を開け放っていたが無視しといた。




