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婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています  作者: 葉柚


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ざわついている食堂の入り口の方に、私とマリアはゆっくりと視線を向ける。


何事だろう?


ただ、視線を向けたが何が起こっているのかは人が多すぎてわからなかった。

が、「きゃー」「可愛い」などの嬉しそうな楽しそうな声が聞こえてくる。

いったいなんなんだろうと、じっと見つめていると、徐々に何かがこっちに近づいてくるようで、人々の視線が私たちに向かってきている。

ただし、何が向かってきているのかはまだわからない。


「「「にゃあ♪」」」


ん?

どこかで聞いたことのある声がする。

慌てて目線を下に下げると、マーニャ、クーニャ、ボーニャが私を見上げて鳴いていた。


「マーニャ!クーニャ!ボーニャ!」


迎えに行くまでもなく、帰ってきてくれた猫たちをそれぞれ抱き上げる。


うぅ。可愛いよぉ。


マーニャを抱き上げると、ボーニャとクーニャが私も!私も!というように、足にスリスリしてくる。

だから、今度はボーニャを抱き上げると、ボーニャはゴロゴロと喉をならした。

次いで、じぃーとこちらを見つめてくるクーニャを抱き上げる。

クーニャは普段抱くと嫌がるのに、今日は嫌がらずに抱っこさせてくれた。

クーニャを抱き上げると、クーニャの顔が私の頬にあたり、頬をザラッとした感覚が襲う。


「あらあら、クーニャ様ったらマユの頬を舐めちゃダメよ。ばっちいわよ」


マリアがそんなことを言う。

ばっちいって失礼な。

ちょっとムッとしながらも、クーニャを下に下ろす。


「サラさん、猫用のミルクってあります?もしあったら3匹分ください。あと、猫用のご飯も」


「今用意するから、待っていてね」


サラさんにお願いするとすぐに返事が帰ってきた。


私はしゃがんでマーニャたちの背を撫でる。

すると、マーニャ、クーニャ、ボーニャそれぞれの背に見慣れない袋がぶら下がっていることに気づいた。


「この袋どうしたの?」


問いかけると、「にゃあ~」とボーニャがまったりと鳴いた。


ダメだ・・・。何を言っているのかわからない。

ガックリとうなだれてから、マリアを見上げる。

マリアはクスクスと笑っていた。


「その袋はね、猫様用の収納袋なの。小さい袋だけど中身はいっぱい入るわよ。ダンジョンの3階層で冒険者の人から貰ったんだって」


「もらったの?」


「うん。もらって、装備させてもらったんだって」


おおう。マーニャたちちゃっかりしている。

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