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アンナちゃんからもらった腕輪を何気なく、腕につけてみる。
「わぁっ!」
見た目は何も変わらないけど、なんだか力がみなぎっているような気がする。
なにか、手近なもので試してみたい。
でも、なにもない。
キョロキョロすると、可愛いアンナちゃんの姿が目に入った。
そうだ・・・。
「きゃぁあ♪お姫様だっこなのー♪」
アンナちゃんを抱き上げた。
すごい。
軽々とアンナちゃんを抱き上げることができた。これは、本当に力が2倍になる腕輪なのね。すごいなぁー。
異世界すごい。
魔道具すごいー。
アンナちゃんを抱き上げたまま、クルクルと回る。
「きゃぁ~あ♪」
どうやら、このグルグル楽しいようで、アンナちゃんが歓喜の悲鳴が上がる。
しばらく、アンナちゃんと遊んでると、
「マユ、そろそろお昼の時間だからアンナちゃんを放してあげて」
おっと。
もうそんな時間か。
アンナちゃんをそっと、地面に降ろすと、アンナちゃんが笑顔いっぱいで「ありがとー。またやってねー」と、お礼の言葉をくれた。
「どういたしまして。素敵な腕輪をありがとう。また、遊ぼうね」
「またね。アンナちゃん」
私とマリアはアンナちゃんに手を振ってアンナちゃんと別れた。
「可愛かったなぁ。アンナちゃん・・・」
「まったく、マユははしゃぎすぎよ。でも、アンナちゃんも楽しそうでよかったわ。それに、いい腕輪も手に入ったしね」
「あ、そうそう。この腕輪ポンっとくれちゃったけど、もらっていいような腕輪なの?なんだか力が2倍になるだなんて、すごい腕輪だと思うんだけど・・・」
「大丈夫だと思うよ?そこら辺の雑貨屋で売っているようなものだから」
へー。
力が2倍になるような腕輪ってそんなに手に入りやすいんだ。
便利だと思うんだけどなぁ。
「マユ、ご飯食べていこう♪」
「うん」
今日もお昼はマリアとダンさんの食堂でご飯を食べることにした。
一人じゃないご飯は嬉しいな。




