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婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています  作者: 葉柚


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周りを見渡すと大きな森がひろがっている反対側には、小さな集落があるらしく、いくつかの家の屋根が見えた。

距離としては500mも離れていないくらいか。

ここが、どこだかわからない以上、誰かを捕まえて現状を確認しなければならない。

場合によっては、今夜の寝床も確保しなければ。

今日は生憎、お金をあんまりもっていない。お財布の中身は一万円程度しかない。というのも、普段はカードで支払っているから、現金など、ほとんど持ち歩かないのだ。

それが仇となった。

こんな田舎の集落じゃカードなんて使えないだろう。

現金でしか、やり取り出来ない可能性が高い。

銀行があればいいが。


歩きながら考える。


5分もしないうちに、集落には着いた。

畑ばかりが広がっている集落にはポツリポツリと家が建っていた。

ちょうどお昼頃なのか、いい匂いがどこからか漂ってきており、食欲を刺激される。


そう言えばお腹すいたな。

七夕の夜、裕太と一緒に夕飯を食べる予定だった。だが、その前に別れを切り出されたから、夕飯食べていない。

その直後、目映いばかりのフラッシュを浴び、気づいたら森の側にいたのだ。

日は昇っていた。

よって半日は何も食べていないことになる。

そもそも、誰がなんのためにここに私を運んで来たのか謎である。


近くの家のドアを叩く。


「すみませーん。誰かいませんか?」


「はーい。」


中から若い女性の声がした。

よかった。人がいた。


家の中から姿を表したのは、10代後半くらいの水色の髪の少女だった。


…ん?

水色の髪…?


水色の髪なんて、アニメなどの二次元の世界でしかみたことないんだけど。


「誰?この村では見ない人ね?観光客でもなさそうね?どうしたの?」


随分しっかりした子だなぁ。


「私、山田 真由と申します。あの、ここは、どこでしょうか。気づいたらそこの森の側にいて、帰り道がわからないんです。」


下手に隠してもしょうがないので、現在の状況を少女に伝える。

すると、少女はポンッと手を打って、納得したように頷いた。


「ああ、異世界からの迷い人ですね。この森は聖なる森でして、稀にに異世界からの迷い人がやってくるんです。それで、この村は迷い人を保護して一人で生活できるようにサポートさせていただいております。

それにしても、迷い人始めて見ました!ここ50年以上は迷い人なんて現れなかったんですよ!!」


目をキラキラさせながら目の前の少女は興奮した口調で告げる。


…異世界からの迷い人?

異世界!?


まさか、私、異世界トリップしてしまったの!?


「迷い人となれば、村長に連絡しなければなりませんね。一緒に来ていただけますか?」


少女は、そう言って茫然としている私に構うことなく、手を引っ張っていく。

自然にまかせて、私の足は少女の後を追うように動かしていた。



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