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しばらく待っていると、頭をポリポリとかきながらリュリュさんが戻ってきた。
「農機具の魔道具の在庫を教えるね。
まずは、自動的に畑を耕せるクワがあるんだけど、これは20万ニャールド。クワは現在この一点のみ。鎌はやっぱり自動的に周囲のものを刈り取ることができる鎌があるんだけど、これは10万ニャールド。オノは疲れを感じずに使えるものがあるんだけど、これは25万ニャールド。スコップは自動的に穴が掘れるスコップがあってこれが8万ニャールド。ジョウロは重さを感じにくいジョウロが2000ニャールドに、重さを感じないジョウロが2万ニャールド。祝福の効果付きのジョウロが100万ニャールドかな。今ここにある在庫は。」
「魔道具って結構するのね」
「リュリュの仕入れ方がおかしいのよ。自分が気になるちょっと高価なものを仕入れてくるの。リュリュ、マユはまだそんなに高価な農機具を購入できないわ」
「そうか、残念」
ほしいとは思うけれど、資金がない私には購入は無理そうだ。今回は諦めるしかないのかなぁ。リュリュさんに魔道具を注文して行かなきゃかなぁ。
諦めていたそのとき、リュリュさんが手をポンッと叩いた。
「そうだった。マユは来たばかりで資金があんまないんだったな。わかった。これなんてどうだ?僕が今作った変幻自在の魔道具。効果はないけど、一応使えるよ?引っ越し祝いってことであげる」
「え?いいの?」
変幻自在に姿を変えられる魔道具って貴重だと思うんだけど。
「いいのいいの。だって、この魔道具売れないよ。それぞれの機能はごくごく普通でなんの追加高価もないんだから。自動で耕してくれたりとかしないから、疲れるし時間もかかるし」
そうなんだ。
まあ、初心者の私ならそれで十分ね。
「ありがとう。まだ資金がないから助かるわ。あ、あとジョウロもちょうだい。重さを感じにくいってジョウロがいいわ」
「まいどありー」
こうして私は変化する農具と、ジョウロを手に入れた。
さっそく、帰って使ってみよう。




