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マーニャの毛に絡まっていた物を手に取ってみる。
1cmもないくらいの細長い形状の黒い物。
何かの種のようにも思えるけど・・・。
マーニャは私の顔を見て、嬉しそうに「にゃ♪にゃ♪」と鳴いている。
まるで褒めて褒めてと言っている様だ。
褒めて欲しそうだったのでマーニャの頭や喉を撫でながら「ありがとう」と感謝の気
持ちを伝えるとマーニャは更に喉を鳴らした。
どうやら嬉しいらしい。
ところでこれは一体なんなんだろう?
マリアを振り仰ぐ。
「鑑定してみたらどうかしら?」
当たり前のようにそう言われる。
だけど、鑑定レベルが低くて一日に一回しか鑑定できないことはマリアも知っている
はずなのに。
念のため、目の前の黒い種と思われるものを鑑定してみる。
【マリーゴールドの種】
「見えたっ。マリーゴールドの種だって」
「おめでとう。鑑定レベルが上がったようね」
一日に一回しか鑑定できなかったはずなのに、鑑定できたことに驚くと、さして驚い
ていないようにマリアが続けた。
まるで、知っていたみたい。
「ステータスを見てみて。きっと鑑定のレベルが上がっているわ」
マリアに言われるがままステータスを見てみる。
【スキル:鑑定 Lv2】
「本当にあがってる!」
「スキルはね、回数制限がかかっていても、途中でレベルが上がればまた見れるよう
になるの。
鑑定スキルの場合は一日の上限回数使用後に鑑定してみようと思うだけでも、スキ
ルのレベルアップに必要な経験がつめるの。
だから、積極的に鑑定してみてね」
なるほど、鑑定できなくても見ようと思えば少しずつレベルアップに繋がるのか。
積極的に鑑定した方がいいってことよね。
「だけど、気をつけてね。中には鑑定されたくないって人もいるから、無暗に人を鑑
定しない方がいいわ。
鑑定するならまず声をかけてから鑑定してね。それか無機物を鑑定するようにして
ね。
親しき仲にも礼儀ありってね。」
おっしゃる通りです。
プライバシー筒抜けになっちゃうもんね。
自重します。




