表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています  作者: 葉柚


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

157/164

2ー38


どうやらマリアはご飯(お米)を食べるのも初めてのようだ。

それに、味噌汁や魚の煮付けも初めて食べたようで、口に入れるたびに驚いたような顔をしている。


「不思議な味。でも、美味しい」


どうやらユキさんの味付けはマリアもお気に召したようだ。

それにしても、ユキさんの作る料理は完全に和食だ。

この世界でも和食を食べている国があるのだということが新鮮に思えた。


「私の故郷の味なんです。気に入ってもらえたようでよかった」


ユキさんはにっこりと笑って自分も食べ始めた。ユキさんの箸使いをみていると、とてもきれいに食べているのがわかる。

片や村長さんはお箸の使い方が少々ぎこちないような気がする。

きっと、村長さんはユキさんにあわせてお箸を使い始めたんだろうなと思った。

プーちゃんはお箸を持ったはいいが、やはり使い方がわからなかったようで、お皿を手にとると口の中に流し入れていた。

不思議なことにミニトマトだけ残している。


あれ?プーちゃんミニトマト大好きだったよね?


「プーちゃん、ミニトマト食べないの?」


不思議に思って声をかける。


『はっ!!これはダメなのだっ!いくらマユでもあげることはできぬ!これは我が食べるのだっ!!』


プーちゃんはそう言って、ミニトマトの乗ったお皿を取られまいと抱え込む。

どうやら、好きなものは最後に取っておく派らしい。


「とらないから安心して。トマト大好きなのに食べないからどうしたのかなって思っただけだから」


『そうか。驚かせないでくれ』


いや、別に驚かせたわけじゃないんだけど・・・。

プーちゃんもユキさんの料理が気に入ったのか黙って食べている。

プーちゃんの場合、気に入らないと一口食べてペイッって吐き出すからなぁ。ユキさんの料理は口にあったと思っていいだろう。

そうして見ているうちに、プーちゃんはミニトマトを残して完食していた。


『ふふふ。トマトッ♪トマトッ♪いただきまぁす♪』


プーちゃんはミニトマトを一粒口に入れた。

そして、咀嚼する。

が、なにやらおかしい。首を傾げている。

美味しくなかったのだろうか。

でも、うちで採れたトマトと味は変わらなかったのだけれども。


「・・・プーちゃん?」


首を傾げたまま固まってしまったプーちゃんを覗き込む。

その表情はなんというか、腑に落ちないと言ったような顔をしている。

もぐもぐ、ごくんっ。とミニトマトを飲み込んで、残りのミニトマトも食べ始めた。

2個目も食べ始めたのでまずいという訳ではないらしい。

ただ、2個目を食べた時もプーちゃんは首を傾げていた。

いったいこのミニトマトがどうしたというのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ