2ー24
「「「にゃぁぁあ~~!!!」」」
化粧水を一口飲むと、3匹とも衝撃を受けたように甲高い鳴き声をあげ、口をパカッと開いてしまった。
「どうしたの?マーニャ、クーニャ、ボーニャ。」
目を見開きショックを受けたような表情をしている。心配になって、マーニャたちの顔を覗き込むと、
「ぎゃっ!!」
3匹から猫パンチをされた。
爪は仕舞っていてくれたから痛くはなかったが、衝撃はある。
「「「フーッ!!」」」
しかもなんか威嚇してくる。
背中を高くあげて、尻尾をぶわっと膨らませている。
なんだか、そうとう怒っているような・・・。
「えっとね、マユ。マーニャ様たち怒っているわ」
「それは、見ればわかる。なんで怒っているの?」
「あー、うん。えーと・・・。みんなが美味しそうにしているから化粧水を飲んだのに美味しくないって怒ってる。それに、どうもこのしゅわしゅわが苦手みたい。舌がピリッとしたって怒ってるわ」
マリアが通訳してくれたからいいものの。これ通訳なしじゃ何がいけないかわからないよ。
あーでも、このメロンソーダ味の化粧水はマーニャたちには不評だったのね。
猫と人間の味覚じゃ違うってことを再認識した。
「ほれ、口直しのミルクじゃ」
いつの間にか村長さんがいなくなっていたかと思ったら、どうやらマーニャたちの為にミルクを用意してくれたようだ。
マーニャたちは、我先にとミルクに顔をつける勢いでがぶ飲みしている。
ん?ってことは、村長さんはマリアの通訳聞かなくても怒っている原因がわかったってこと?もしかして、村長さんも猫と会話ができるのかしら。
「ありがとうございます。まさか、化粧水が美味しくなくて怒っているなんて知らなくて対処できませんでした。素早くミルクを用意してくださりありがとうございます」
村長さんにお礼を言うと、村長さんがニカッと笑った。
「なぁに。これでもまだマーニャ様たちと過ごしていた時間はわしの方が多いからのぉ。マーニャ様たちの表情を見れば味が気に入らなかったことくらいすぐにわかる」
「そうでしたか。敵いませんね」
「これからは、マユ殿の方がマーニャ様たちと接する時間が多くなるのじゃ。少しずつ理解していくとえぇ」
「はい。マーニャたちが幸せに暮らせるように頑張ります!」
やっぱり一緒に過ごす時間が多い方がマーニャたちが何を考えているのかわかるようになるのか。私も少しずつマーニャたちの考えていることがわかるようになるように、注意してマーニャたちを見てなきゃいけないなぁと改めて思った。
そして、この可愛いマーニャたちを幸せにしてあげないといけない。
私を癒してくれるこの存在を大切にしなきゃ。
「おっと、そろそろオークションが始まる時間よ。テレビでオークションの中継をみましょう」




